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募集枠2名に150名が殺到。注目の「新規就農サービス」誕生の裏側

募集枠2名に150名が殺到。注目の「新規就農サービス」誕生の裏側

2017年08月01日

新規就農者が直面するさまざまな課題をサポートしてくれる「LEAP」というサービス。2017年7月現在、公開から10カ月程度ですでに15名がLEAPを利用して新規就農者となっており、翌年の春には20名に増えるそうです。多くのベンチャーキャピタルも注目するというLEAPはどのようにして誕生したのでしょうか。

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募集枠2名に150名が殺到。注目の「新規就農サービス」誕生の裏側

サラリーマンを辞め、就農してトマト栽培に取り組んだ経験から、新規就農者をサポートするサービス「LEAP」を立ち上げたのが、seak株式会社代表取締役社長の栗田紘(くりたひろし)さんです。2017年4月に総額約3億円もの資金を調達し、新規就農者や多くのベンチャーキャピタルも注目する「LEAP」は、どのような発想から作りあげていったのか、栗田さんにお話をうかがいました。

関連記事:農地も栽培ノウハウも確保!すぐに就農できる画期的な方法とは

理系大学から広告代理店、ハードウエアベンチャー、そして農業へ

栗田さんは大学で情報工学を学び、卒業後は大手広告代理店勤務やテレビの電子番組表制作の仕事に携わった後、電動車いす「WHILL」の立ち上げにCOO(最高執行責任者)として参画しました。その後、家族や友人が体調を崩したことから食べ物に興味を持ち、やがて関心の対象は農業に向くようになりました。

そして栗田さんはこれまでのスキルを活かし、農業にITを活用することを考え、2014年4月にseak株式会社を創業しました。社名の「seak」は、サイエンス、エンジニアリング、アグリカルチャーを組み合わせたものです。

ITについての知識はありますが、農業はまったくの未経験。そこで多くの新規就農者と同じように、農家で1年間研修を受け、現在拠点としている神奈川県藤沢市で農地の利用権を確保し、そこで農家としてスタートしました。

農地確保と栽培面のハードル

栗田さんが新規で就農した際、苦労したのが農地の確保です。大きさも場所も思うような場所が見つからず、複数の自治体の窓口へ相談したり、中間管理機構(農地バンク)へ登録したり、直接地権者に相談したりしたそうです。そうしてなんとか農地として借りられる場所が見つかったものの、確保した農地は耕作放棄地のような場所で、畑として使うには難しい場所でした。農地がなければ農業が始められないし、理想とする農地は簡単に見つけられない現実を突きつけられたのです。

畑の大規模な整備や土壌改良、土を使わない植物工場のような方法なども検討しましたが、どれも初期費用として大きなコストがかかります。そんな時、海外の論文を調べている中で出会ったのが、どんな場所でも最適な生育環境が整えられるように、特別に配合した土を袋に入れて、そこで苗を育てる“袋栽培”でした。土には自然由来の原料なども配合していますが、組み合わせや配合を変えながら試行錯誤を繰り返しました。

LEAP誕生へ

「弊社の創業メンバーである私と農場長の柳沢が、就農で直面した課題に、LEAPの原点があります」と栗田さん。農地の確保や栽培ノウハウの獲得、さらに栽培の技術など、自分たちが遭遇した課題は、新規就農者の誰もが同じように直面する問題だと気づいたのです。

そこで、新規就農者が共通して対峙する課題に対して予め対策を練り、スムーズな就農ができるようなサービスが必要だと感じたのです。

「研修から農地の確保、栽培方法の確立など、今にして思えば、自分たちがゼロから取り組んできたことがLEAPを作るアイデアに活きていると思います。農地や栽培ノウハウだけなく、農作物の販路の確保も含め、いろいろな問題にぶつかって来たからこそ、農業で成功をおさめるためには、農地、施設、栽培、販売など全てのステップを“最適化”し、それを統括して提供しなければならないと考えるようになったのです」

栗田さんたちが3年かけて開発した袋栽培の技術も、その技術を提供するだけでは、新規就農者がぶつかる課題の「栽培」という側面をサポートするだけにとどまってしまいます。農地が確保できていなければ、提供した栽培技術を活かすことができません。だからこそ、新規就農者のプロセス一連をバックアップすることが大切だという考えに行き着いたのです。

新規就農者のプロセス一連をバックアップすることが大切だという考えに行き着いたのです

そして2016年9月、LEAPは新規就農者向けのサービスとして、一般公開されました。2017年7月現在、公開から10カ月程度ですでに15名がLEAPを利用して新規就農者となっており、翌年の春には20名に増えるそうです。さらに2名の追加募集枠に約150名のエントリーが来るほど、大反響を得ているそうです。

「LEAPのユーザー第1号は我々自身です。我々が欲しい機能と価値を積み上げてきました。広告代理店やWHILLなど、いくつかのビジネスを経験してきましたが、農業がこれまでのビジネスと大きく違うと感じたことは特にありません。農作物を作って販売するというプロセスは、非常にシンプルです。逆に常識や先入観がない素人集団だからこそ、客観的に農業の事業構造を捉えることができた面もあると思います」

農業フランチャイズに挑戦

農業フランチャイズに挑戦

新規就農者はもちろん、多くのベンチャーキャピタルからも、ユニークな仕組みや考え方が注目を集め、LEAPを発表した2016年9月には約6,000万円を、2017年4月には総額約3億円の資金を調達しているそうです。

栗田さんの次なる計画は、LEAPのフランチャイズでの事業展開です。コンビニエンスストアがフランチャイズを利用して、日本中に店舗が展開されているように、農業においてもフランチャイズ化ができれば、大きな変化が生まれると考えているのです。

「これからの農業は、抜本的に変わってくると我々は考えています。既存の農業の常識や通説に一切とらわれることなく、本質から農業を見直すと、様々なことが見えてくると感じています。新しい農業のあり方を模索したい方、農業を自分の人生の選択肢にしたい方に、我々が提供できる価値は少なからずあると考えています」

栗田さんの経験から生まれた、新しい発想が、農業界に新しい風を起こし始めています。

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seak株式会社
住所:東京都港区麻布十番2-8-10
http://seak.asia
※写真提供:seak株式会社

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