インターネット通販・ホームページ・広告も不要 神奈川野菜の行商人が求められる理由 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > 行政・団体・個人の支援 > インターネット通販・ホームページ・広告も不要 神奈川野菜の行商人が求められる理由

行政・団体・個人の支援

インターネット通販・ホームページ・広告も不要 神奈川野菜の行商人が求められる理由

インターネット通販・ホームページ・広告も不要 神奈川野菜の行商人が求められる理由

最終更新日:2017年12月20日

スタートは50歳のときから。神奈川県の野菜のみを扱う行商人となった三好さんは、13年間移動販売を続けています。それらの野菜は、極力農薬を減らすか、無使用で作られたものばかり。「野菜が人をつなぎ、思いをつないでいく」という三好さんの野菜販売スタイルに迫ります。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

作る人と食べる人をつなげる試み

三好さんは高校卒業後、民衆演劇で知られる劇団「展望」に劇団員として所属していました。市井に生きる人びとの日常を通し、社会の矛盾や差別などの問題について考えるような演目が多かったそうです。

7年目に退団し、劇団時代の演目を通して「その土地に根付く仕事・生き方」に興味を持っていた三好さんが就いた職は、生産者が消費者に直接野菜を販売するシステムを、生産者自らが編み出した神奈川農畜産物供給センターの職員でした。

この会社ができた1970年代、神奈川県は東京のベッドタウンとして急ピッチで開発が進んでいた頃。農地はどんどん宅地化され、沿岸部は工業地帯へと変貌。国としても県としても神奈川の農業者を守るような施策はありませんでした。それに加えて、日本各地で公害問題が勃発。環境汚染や農薬問題など、食の安全性が危惧される中、優良な野菜を作りたいと思う生産者たちが四方八方から追い込まれていたのです。


「こんな時代だからこそ、安全な土で育ったおいしい野菜を求める人たちがいるはず。自分たちで販路を開拓し、農を守ろう」と立ち上がった生産者たちの心意気に応じて会員になった人の多くは、子どもを持つお母さんたちでした。こうして、現在の生活協同組合の宅配と同じような販売システムができあがりました。

三好さんにとって、可能な限り農薬を減らそうと努力している生産者たちの姿勢や、育てられた野菜のおいしさは、心を揺るがすものでした。生産者と会うたびに野菜作りに関して質問し、個々がどのようなこだわりを持っているのか。それによってできあがった野菜にどんな個性が生まれるのかを学び続けました。こうした繰り返しが三好さんを野菜の目利きに育て、生産者からも一目置かれる存在になっていったのです。

50歳で「個人の神奈川野菜専門の行商人」へ


神奈川農畜産物供給センター入社から17年目、三好さんにまたもや転機が訪れます。新しい挑戦に向けて、会社を退職することにしたのです。「そのとき、50歳でした。自分ができることは何かと考えたとき、神奈川の生産者限定の農産物のみを扱う移動販売をやってみようと思ったんです」

その話を聞いた誰もが「神奈川県産限定の移動販売なんて成り立つわけがない」と言ったそうです。しかし、生産者として三好さん自身が尊敬し、この人が作るものなら間違いないと思っていた9人の生産者が「三好さんがやるなら応援するよ」と、支えてくれたのです。

三好さんとのつきあいが30年になる、小田原でキウイやブルーベリー、梅などを作る農家は「三好くんとはお互いの子どもが同じような年齢ということもあって、『子どもには安全でおいしいものを食べてもらいたい』とよく語り合っていました。自分たちと同じ思いを持っていることはわかっていたので、彼なら私たちの農産物と消費者をつないでくれると確信していました」と話しています。

1 2 3

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

関連記事

カテゴリー一覧