2年で12店舗を展開!スピード出荷を実現する八百屋の裏側 – マイナビ農業

マイナビ農業TOP > マーケティング > 2年で12店舗を展開!スピード出荷を実現する八百屋の裏側

マーケティング

2年で12店舗を展開!スピード出荷を実現する八百屋の裏側

2年で12店舗を展開!スピード出荷を実現する八百屋の裏側

最終更新日:2018年09月11日

関東・中部地方に12店舗を展開する八百屋「Una casita おなかすいた」では、グループ会社である「千権(せんごん)」が市場での仲卸を行っています。八百屋が仲卸に携わることでどのようなメリットがあるのでしょうか。「おなかすいた」を経営する株式会社モンテンの代表取締役、高品謙一(たかしなけんいち)さんに話をうかがいました。

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

「仲卸」は、都心で産直に近いスタイルを実現するキーワード

おなかすいた

株式会社モンテンが経営する「おなかすいた」は、会社設立からたった2年で都内を中心に12店舗展開している気鋭の八百屋です。人気の理由は、産直野菜のように新鮮で安い野菜を提供できることです。それを可能にしているのが仲卸の存在です。

「通常、八百屋は市場で仲卸業者から野菜を買い付けます。ただ、市場の使命は野菜を安定的に供給することなので、入荷した野菜全てを仲卸業者がすぐに卸すわけではありません。

台風など天候が荒れる前は野菜を数日間保管し、野菜が入荷しないときでも卸せるようコントロールしています。その中には収穫後10日以上経っている野菜もあって、そういった野菜を買わざるをえないこともあります。

一方「千権」では、既存の仲卸業者とは全く異なり、仕入れてすぐに全ての農産物を卸しています」。

鮮度を落とさないように各店舗へスピード納品

おなかすいた

グループ会社に仲卸業者を抱えているからこそ実現したスタイルは、驚くほどのスピードで各店舗に配送できます。

「夜中の2時に市場で買い付けて、午前4時に自社倉庫に納品され配送準備をします。そして6時に配送スタートして、8時には各店舗に納品されて朝10時には開店する流れです」。

さらに驚くのが、卸値がわからないまま店頭に野菜が並ぶこともあるということです。

「市場では、買い手が見つからない曲がったものや傷があるC、Dランクの野菜を買い付けるので、卸値が確定するのに時間がかかります。原価がわからない野菜が店に届いて、店舗で値付けして販売することもあります。他では考えられないスタイルだと思います。形が悪かったり傷があってランクは低いけれど、鮮度抜群の野菜を目利きして販売しています。それが私たちの自慢です」。

豪快すぎるようにも思えるスタイルですが、大手の流通経路とは違うやり方で八百屋を展開している努力と工夫が垣間見えます。

「以前は全国各地の直売所を経営していたので、産直のように鮮度を大事にしたいと思っていました。しかし都心で直売所を経営するのは難しく、私たちのような小さな企業が市場で仕入れても、大量仕入れをする大手スーパーには価格の安さで太刀打ちできません。そこで仲卸や流通にも参入してチャンスを見つけることにしました」。

「千権」の7代目である国井孝嗣(くにいたかつぐ)さんとタッグを組むことで、今までにないスピードでの出荷を可能にしました。グループ企業とはいえ、江戸末期から続く老舗の会社のため、新たなやり方を受け入れてもらうのは一苦労で、今のやり方を実現するまでに2年かかったそうです。

国産野菜と国産調味料が急成長の立役者

おなかすいた

店舗数を着実に増やしている快進撃の理由には、仲卸のほかに「国産」へのこだわりがあります。店舗にある商品の半分を占めるのが、全国各地で見つけた調味料や加工食品です。

直売所を経営していた頃は、野菜だけではなく地元のパン屋や惣菜屋、お茶屋などの商品も扱っていて、多様性をおもしろく感じていました。当時の経験が、バラエティ豊かな商品数を取り扱うことになったきっかけです。

「現在400あまりの生産者さんと、ほぼ100%直接取引をしていますが、全ての生産者さんといつでも連絡が取れるのは強みですよね。バイヤーが全国に足を運んで、商品を探しているんですよ。家族経営や小さな地元のメーカーさんなど、真摯にもの作りと向き合う方と出会うと『絶対にこの商品をうちで売りたい。このメーカーを応援したい』という情熱が湧いてきます」。

全国各地の味噌や醤油、ポン酢をはじめ、野菜を漬けるだけの「漬け物の素」や、野菜や肉、魚を焼く時に使える「糀のディップソース」、「炊き込みごはんの素」といった調味料も種類豊富です。つけるだけ、かけるだけ、混ぜるだけで楽しめる調味料や加工品は、和食離れが進む現代において、食卓に再び和食のおいしさを取り戻すきっかけ作りにもなるはずです。

日本各地の調味料や加工品を発掘することで、野菜の販売とは違った面から、食へアプローチする方法が生まれているのです。

商品の良さを再発見して、消費者に提案する

おなかすいた

「小売業としての使命は、商品の良さをきちんとお客さんに紹介することです。値段だけにとらわれた価格競争はしたくなかったのです」と高品さんはいいます。調味料は比較的高めの価格設定ですが、それは自分たちの足で見つけ出した、こだわりを持って作っている生産者の方たちへ還元するためでもあります。

人が集まって、サスティナビリティ(持続可能性)のある会社を目指すためにも、利益は会社を回していくガソリンです。

「産地の農家からは『曲がったキュウリが売れた』と喜ばれて、市場の人からは『売れなくて困っていた野菜を買ってくれた』と両方から喜んでいただけます。流通経路も絡めてお店を経営することで、日本の風土や伝統を守りながら「おいしい」をスピーディに届けていきます」。

国産野菜と国産調味料で、100年先もおいしい肉じゃがを食べられる環境作りをするのが私たちの目標です」。熱い思いのもとに集まる野菜や調味料は、今日もたくさんの家庭に“おいしい笑顔”を届けています。

おなかすいた

  • LINE
  • twitter
  • facebook
  • Google+
  • Hatena
  • Pocket

関連記事

カテゴリー一覧

マイナビ農業 コンテンツ