お灸でウシの受胎率UP?東京都農林総合研究センターのお灸マニュアル

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お灸でウシの受胎率UP?東京都農林総合研究センターのお灸マニュアル(2/3)

お灸でウシの受胎率UP?東京都農林総合研究センターのお灸マニュアル
最終更新日:2018年10月09日

ウシを育てる畜産農家にとって、雌牛が妊娠し子牛を出産することは、経営向上のために必要不可欠なことでしょう。今回、ウシにお灸をすることで受胎率が上がったという研究結果を、公益財団法人 東京都農林水産振興財団農林総合研究センターが導き出し、「ウシのお灸マニュアル」を発表しました。お灸の詳しい施術方法や繁殖率の成果について、同センター畜産技術科の三山紗衣子(みやまさえこ)さんに、詳しくお聞きしました。

お灸で血行が促進され繁殖率アップ

お灸が気持ちいいと、よだれを垂らすウシもいるそうです。

お灸を始めて10分ほどで熱がじわじわと体に伝わり始めるので、ウシは次第にそわそわし始めます。しかし熱さに慣れてくると、排便、排尿、反芻(はんすう)などの反応が見られるようになるそうです。

お灸をしない場合は排尿率が2%、排便については7%なのに対して、お灸をした場合は排尿が22%、排便をしたウシは69%にもなりました。

「人の場合、お灸はリラックスしたときに働く副交感神経系を刺激するといわれています。家畜も人と同様に、お灸が副交感神経に作用したのではないかと考えられます」。

※お灸で乳牛の受胎率を上げるマニュアル(東京都農林総合研究センター)調べ
さらに受胎率に関しては、4回以上人工授精を繰り返しても受胎しない牛や空胎日数が300日を超える牛などに効果があると考えられます。一般的に受胎しにくいと言われるウシも、お灸によって高い確率で妊娠を確認できました。

さらに、お灸をした場合としなかった場合を比べると、受精卵が子宮に着床するのを助ける黄体ホルモンの値が高くなる傾向にあることも今回の研究で明らかになりました。

「お灸は血流を良くする働きがあるので、黄体への血流量が増加し、黄体ホルモンの分泌量も増加する可能性が考えられます。妊娠に結びついたことに関しても、お灸の温熱刺激によって血流量が増加し、黄体を刺激⇒黄体ホルモン値が上昇⇒受精卵(胚)が子宮に着床しやすくなる⇒受胎しやすくなった、というメカニズムではないかと考えています」。

ただし、なかなか受胎しないウシについては、健康なウシの場合ほど黄体ホルモン値は上昇しなかったそうです。この点については、さらに研究が必要だと三山さんは話しています。

また、人工授精後のお灸で受胎しなかったけれど次の発情が明瞭になったり、次の人工授精で受胎したという例もあったそうです。黄体への直接の作用以外にも、受胎率を改善させる作用がお灸にはあるのかもしれません。

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