日本米でも海外のお米料理はおいしくなる【後編】

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日本米でも海外のお米料理はおいしくなる【後編】(2/3)

連載企画:お米ライターが行く!

日本米でも海外のお米料理はおいしくなる【後編】
最終更新日:2018年12月06日

パエリアの本場・スペインではボンバ米(バレンシア米)、リゾットの本場・イタリアではカルナローリ米など、それぞれ地場のお米が使われています。こうした料理に日本米、しかも、あえてパエリア向けやリゾット向けや炒飯向けに開発されたわけではない日本米でもおいしく仕上がるのでしょうか。日本米の可能性を探っていると、「ベータ化」というキーワードが浮かび上がってきました。

お米は硬めに炊いて水分を飛ばしてから冷蔵保存

「生米から作るリゾットよりも、どちらかというと一回炊いたお米で作るほうが好きです。生米から作るとじわじわと火が入るのでお米が崩れやすくもろっという食感になりますが、この方法だとお米の弾力が出て、歯を押し返すような食感になります。嫌みな硬さが残らずにアルデンテになるんですよ」(平山さん)

たしかに食べてみると、心地よい弾力で食べやすく、出汁とお米がなじんでいるように感じます。

お米は加熱や水分量の増加によってデンプンを「アルファ化」させると、ふっくらとやわらかくなり、消化しやすくなります。これがいわゆる炊飯。そして、この状態から冷却や乾燥によって硬い状態に戻ることを「ベータ化」と言います。常温では水が入り込むことができず、そのまま食べても消化が難しい状態。この店では「ベータ化」させたお米を最後に火入れすることで、絶妙な食感を保ちながら消化しやすい状態に戻しているというわけです。

「つや姫」で粒が際立つリゾット

山形県鶴岡市「井上農場」の「つや姫」を使ったリゾット

同じように、お米のデンプンのベータ化を利用してリゾットを作っているのは、東京・銀座のイタリア料理店「ヤマガタサンダンデロ」。程よい粘りとすっきりとした味わいが特徴の山形県産「つや姫」を使っています。

シェフの土田学(つちだ・まなぶ)さんによると、生米をオリーブオイルやニンニク、たまねぎなどで炒め、少なめのブイヨンで煮込みます。そして、200度のオーブンへ。15分ほど経つと、まだ硬めで芯のある状態です。「オリーブオイルの油膜のおかげで完全には炊きあがりません」と土田さん。バッドにあけて熱々のうちに塩胡椒をふり、扇風機で風をあててぱらぱらの状態にしていきます。そして、冷蔵庫へ。ここでデンプンがベータ化されるというわけです。提供直前にこのお米を使ってリゾットを完成させています。

「イタリアのお米の場合は生米から炒めて出汁を足していきますが、日本のお米で同じように作ると粘ってしまいます」(土田さん)。粘りがある日本のお米ならではの方法で調理されたリゾットは、粘りがなく一粒一粒が際立っています。ふぐの出汁と塩だけで味付けされたリゾットはお米の旨みも感じられます。

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