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ポケットマルシェとマイファームが提携 新規就農者の経営を支援

ポケットマルシェとマイファームが提携 新規就農者の経営を支援

オンラインマルシェを運営する株式会社ポケットマルシェ(本社:岩手県花巻市)と農業ビジネスコンサルティングなどを手掛ける株式会社マイファーム(本社:京都府京都市)はこのほど、新規就農者の農業への定着と、就農後の経営支援を目的とした業務提携を結ぶ記者発表を行った。マイファームが運営する農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学校」の卒業生への「ポケットマルシェ」アプリを利用した販売・マーケティングノウハウの提供や、サイト利用者同士のコミュニティづくりを促進し、農業者として自立する方策を提示する。「農業経営」にフォーカスを当てた今回の取り組みについて、両者の代表が語った。

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農業の新領域を開拓する2社が提携

ポケットマルシェで扱う〝訳あり食材″にクローズアップした企画「ポケマル食堂」を期間限定(~2018年4月10日まで)で実施している東京都中央区のカフェ「Hama House」で行われた記者発表は、ポケットマルシェの高橋博之(たかはし ひろゆき)社長と、マイファームの西辻一真(にしつじ かずま)社長が登壇。両社による提携の骨子や、そのいきさつについての説明を行った。

それぞれのポジションで農業を活性化

都市型体験農園や農業ビジネスコンサルティングを行うマイファームは2011年から、関東と関西の2拠点で農業ビジネススクール「アグリイノベーション大学校」を展開。農業技術の基礎から応用まで実践的なカリキュラムを提供する同校の累計入学者は1000人を超え、卒業生の25%が実際に就農している。
ポケットマルシェは2016年にサービスを開始。生産者自らが出品した、旬の時期だけ、数量限定、規格外など、従来の流通に乗らなかった食材が並ぶ「オンライン上のマルシェ」は、生産者(出品者)も購入者もスマートフォンで気軽に売買できることが支持され、2018年4月時点で600名の生産者が利用するECサイト。利用生産者の74%が40代以下の若手かつ、約30%が就農3年以内の新規就農者という特徴を持つ。

目指すのは新規就農者の定着

今回の提携の狙いについて、高橋・西辻両氏は「新規就農者の離職率に歯止めをかけること」と口を揃える。2人は「それを実現するために、農産物がきちんと売れる仕組みを共有し、収入を確保することが今回の連携の骨子」と強調する。
2017年の農業就業人口は182万人(※1)。この数は過去5年で20%、30年で60%の減少を示しており、農業離れに歯止めがかからない状況にある。現在の農業生産額を維持するために必要な就業者数は90万人と言われており、2025年にはその数を割ることが予想されているのが我が国の農業の現状。
そういった中でも、毎年6万人(※2)が新たに農業にチャレンジする動きがあるが、その約30%が5年以内に離農してしまっている(※3)。そこには、志高く農業を始めるものの、生産活動に対し、収入が追い付かないという現実が横たわる。
※1、2:農林水産省「労働力に関する統計」
※3:農林水産省 平成26年度「食料・農業・農村白書」

伝えることで価値の認識を変えて行く

株式会社マイファーム 西辻一真社長

西辻氏はスクールの運営を通して、農業に関心を持つ人の熱意を感じる日々の中で、希望を持って新規就農する卒業生は「どうしても『よいものを作ること』に注力しがち」だと感じていた。「生産者であると同時に、農業経営者となるための手段を提示することが我々の役割」と話す同氏。スクールの授業では、農業の入り口である生産技術に偏ることなく、販路開拓などの出口戦略を提示しているが「消費者のアクションを促すためのラストワンマイルの工夫や取り組みの実践例として、ポケットマルシェは最適」と判断した。

株式会社ポケットマルシェ 高橋博之社長

「生産者だけでなく消費者も、食料生産の危機的状況を理解し、変化することが求められている」と言う高橋氏は、どこにでも食料、食材があふれる日常を「食べ物の価値が下がり続けている状況」と捉える。「ポケットマルシェの運営を通して、食べ物の生まれる背景、そのストーリーを伝えていくことの大切さを実感した」という。「食材の魅力を一番よく知る生産者が、その価値の一番の伝達者であるべき」という考えのもと、「ポケットマルシェ」を、生産者と消費者をつなげるコミュニケーションツールと位置づけ、生産者が手掛けた農産物と一緒に、その人となりや生産現場の物語を届けることで、「生産者の受け取るべき適正な収益」と「農産品の価値」その両方の向上を実践してきた。

農業を活性化する取り組み

今回の提携で両社が目指す、新規就農者の離職率に歯止めをかけること。それを実現するための「農産品が売れる仕組みを共有する」取り組み。その柱は、「データ連携と情報共有」「販売サポートとコミュニティ形成」の2つ。
・データ連携と情報共有
新規就農者による「ポケットマルシェ」サイト上での販売状況や、消費者とのコミュニケーション方法について分析し、その結果をマイファームへ提供する。売れる生産物の価格や内容、リピート購入者獲得への取り組み方法などの情報を蓄積、共有することで、スクール受講生や卒業生の経営サポートを行う。
・販売サポートとコミュニティ形成
両者が共同で新規就農者に向けたサポート施策を実施。商品設計支援や勉強会の開催、SNSコミュニティの組成、「ポケットマルシェ」サイト内の導線づくりやイベントなどの交流機会を通して、販売促進活動とファンづくりを行う。

それぞれの領域で「農業の活性化」に取り組んできた両社の提携は、これから就農を目指す若者一人一人を力強く支えていく。

 

株式会社ポケットマルシェ
岩手県花巻市藤沢町446-2
https://poke-m.com/

株式会社マイファーム
京都府京都市下京区朱雀正会町1-1 KYOCA会館3階
https://myfarm.co.jp/

【本件に関する問い合わせ先】
株式会社ポケットマルシェ:本間(ほんま) homma@poke-m.com
株式会社マイファーム:木本(きもと)、林(はやし) pr@myfarm.co.jp

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