ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】
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生産者の試み
栃木

ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】

ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】
最終更新日:2018年10月02日

主要国内航空会社の国際線ファーストクラスや、九州沖縄、北海道洞爺湖サミットで提供され、国内外にファンを持つココ・ファーム・ワイナリー(栃木県足利市)。自社畑でのブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでの作業を、ここで暮らす知的障害者の園生(えんせい)が手作業で行います。「福祉ワインとして同情で買ってもらうのではなく、美味しさで選んでもらう」。そんな気概のもと、手間ひまを惜しまず造られたワインの美味しさの秘密を探りました。

「適地適品種」で自然体の栽培を

ココ・ファームでのボランティアがきっかけで、消防士から栽培スタッフになった桒原一斗(くわばら・かずと)さん。次シーズンの出来を左右する剪定作業などを担当します。木に鋏を入れるのは桒原さんらスタッフの役目ですが、切った枝に虫が集まらないよう運び出すのは園生の役目です。どちらもブドウ栽培には大切な仕事。桒原さんは、「畑にいるときの園生は、いい意味でギラギラしている」と、眼差しを送ります。

ココ・ファームのブドウ栽培は、量より質を追求しています。房自体を間引きする「摘房」、房の粒を間引く「摘粒」でブドウを全体の4分の1まで厳選し、栄養を凝縮させます。「4分の1程度」(桒原さん)といいます。

県内では佐野市にも自社畑を持ち、マスカット・ベーリーA、リースリング・リオン、小公子など日本固有の品種や、カベルネ・ソーヴィニョン、プティ・マンサン、ノートン、タナ、ヴィニョールなどの世界で愛される品種を栽培しています。

最も大切なのは収穫のタイミングです。ココ・ファームでは、ワイナリーと畑が隣り合わせているため、完熟のピークを見極め、粒を傷めずに手摘みしたブドウを醸造所に送り込むことができます。丁寧な手仕事のほかに、栽培・醸造現場の密接な距離も上質なワインの秘密でもあります。

ただ、自社畑のブドウに固執することはありません。降水量が多く湿潤な足利で作れるブドウの品種には限りがあります。品種ごとに最適な土地で育てれば、自然と良いブドウが育つという「適地適品種」の考え方で、ココ・ファームの理念に共感する北海道、山形、山梨など12軒の契約農家が、計10haの畑で気候や土壌に合った品種を栽培。100%日本産ブドウを使ったワイン造りを支えています。

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