ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】

マイナビ農業TOP > 生産者の試み > ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】

生産者の試み
栃木

ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】

ファーストクラスで愛される、障害者のワイン―美味しさの秘密とは【前編】
最終更新日:2018年10月02日

主要国内航空会社の国際線ファーストクラスや、九州沖縄、北海道洞爺湖サミットで提供され、国内外にファンを持つココ・ファーム・ワイナリー(栃木県足利市)。自社畑でのブドウ栽培から醸造、瓶詰めまでの作業を、ここで暮らす知的障害者の園生(えんせい)が手作業で行います。「福祉ワインとして同情で買ってもらうのではなく、美味しさで選んでもらう」。そんな気概のもと、手間ひまを惜しまず造られたワインの美味しさの秘密を探りました。

「またやろうね」のひと言が銘柄に


園生たちは、栽培だけではなく醸造や瓶詰も行います。ここでも、膨大な作業に向き合う根気が要求されます。

たとえば、シャンパンに代表される「瓶内二次発酵法」で造るスパークリングワインの場合、発酵の過程で溜まるオリを瓶の口へ集めるため、毎日45度ずつボトルを回転させる「ルミュアージュ(動瓶)」と呼ばれる作業をします。毎日朝と晩の2回ずつ、長いときは100日間回し続けます。

回す角度が分かるよう、瓶に印が付けられています

瓶詰めは、1時間に2,000本のペースで行います。園生の集中力とモチベーションは高く、作業後は「またやろうね」と言って帰っていく人もいます。この園生の言葉から、「MATAYARONNE(マタヤローネ)」という銘柄のデザートワインが生まれました。

ココ・ファームのワイン造りの骨子は、川田園長の「消えてなくなるものに渾身の力を注げ」という言葉に集約されます。ワイン造りを左右するのは、ブドウと微生物の力が大部分です。人智が及ばない領域の存在を理解しつつ、だからこそ人間に出来ることは労を惜しまず精一杯やる。ブドウの個性に従って環境を整え、出来るだけシンプルな工程でワインを造ることを大切にしています。人間の成長を目的にした“贅沢”な時間の掛け方が、世界に通用する日本ワインを造る秘訣でした。

後編では、ワイン造りの中心を担う醸造部長へのインタビューと、2日間で1万4千人が集まる、ココ・ファームの人気イベントを紹介します。

“ブドウがなりたいワイン”を造る、障害者のワイナリー 美味しさの秘密とは【後編】

ココ・ファーム・ワイナリー
〒326-0061 栃木県足利市田島町611
Tel:0284-42-1194

1 2 3

関連キーワード

シェアする

  • twitter
  • facebook
  • LINE

関連記事

タイアップ企画

カテゴリー一覧