防草シートってどんな物?
畑の畝やその周辺、家の玄関周り、庭、ウッドデッキの下など、雑草を生やしたくない場所は意外と多くあるもの。また、そうした場所に限って日頃の手入れが行き届かず、気付いた時には雑草が伸び放題になっている……。雑草は根こそぎ引き抜かないと、すぐまた伸びてきますから、その度に手間がかかってしまいます。
そんな手間を省いてくれるのが防草シートです。多くの製品は遮光性が非常に高く、シートを地面に敷いておくことで雑草の光合成を防ぎ、成長させません。つまり防草シートは、日光をカットすることで雑草の成長を抑えるという、とても便利なアイテムなのです。
防草シートのメリットとデメリット
防草シートは便利である一方、デメリットもあります。これらのバランスを考え、よく検討してから使用するようにしましょう。
防草シートのメリット
第一のメリットは、雑草の手入れから解放されることです。日常的な手入れが難しい別荘や空き家などではうれしいメリットでしょう。また、蚊や蛇、農作物を荒らす害虫・害獣が雑草にすみ着くのを防げます。
防草シートのデメリット
防草シートは経年劣化しますから、数年から10年ほどで敷き替えが必要になることがほとんどです。
また、これから防草シートを敷こうという場合、平坦な土地ならいいのですが、すでに雑草が生い茂っていたり石が転がっていたりすると、事前準備にも手間がかかります。
また、シートの継ぎ目などの隙間(すきま)をきちんと処理しなかったために、隙間から雑草が伸び、せっかくのシートの効果が半減してしまうことがあります。
製品によって違う、防草シートの特性
防草シートはいくつものメーカーからさまざまなタイプの製品が販売されていますが、使い方を間違えると期待どおりの効果が得られません。シートの構造や強度などによって性質が違い、どんな使い方が適しているのかが異なるためです。
ですから、「どこに、どのように使うか」が決まったら、それに合ったシートを選ぶことが大切です。
織布か、不織布か
防草シートには、繊維を織って作られた織布と、フェルトのような不織布の2種類があります。
織布は安価で、引っ張った場合の強度に優れていますが、穴ができるとほつれやすくなります。また、突き抜け性の強い強害雑草だと、織布シートの隙間から芽を出してしまうため、完全防草は難しい面があります。
不織布はある程度の厚みがあれば強害雑草の成長を防げます。しかし、織布に比べてかなり高価です。
コスト重視なら織布、効果優先なら不織布というように考えましょう。
透水性はどうか
ほとんどの防草シートは透水性があり、水をよく通します。水をまったく通さない不透水性の物も一部ありますが、これは用途が限られており、畑や庭に使うことはまずないでしょう。
ただし、透水性のシートを使うにしても、元々水はけの悪い土壌ではシートの上に水たまりができてしまいます。ですから、場合によってはシートを敷く前に、整地や土壌の改善が必要になるかもしれません。
防草シートの敷き方
それでは、防草シートの敷き方について、順を追ってご説明しましょう。
1.事前準備
まず防草シートを敷く範囲の雑草を処理し、地面を平らに整地します。今生えている雑草は根こそぎ処理しないと、シートを突き破って生えてくることがありますし、地面に凹凸が多いとシートに隙間ができやすく、日光が当たりやすくなったり、雑草の種が入り込んだりすることにもつながります。
2.シート敷設
続いて、防草シートを平らに敷いていきます。シートが重なり合う部分は最低でも10センチは重ねるようにし、接着剤やテープでしっかり貼り合わせましょう。重なり合う部分が狭すぎると雑草が出てきてしまいます。
シートを敷き終えたら、シートのめくれを防ぐため、シートピンを等間隔に必要な数だけ打っていき、地面に固定します。また、打ったシートピンはテープで覆い、そこから雑草が伸びてくるのを防ぎます。
周囲に縁石や塀などの構造物があれば、そこにかぶせるようにシートを張り、接着剤やピンで固定します。構造物がコンクリートやアスファルトの場合は、専用の特殊ピンを使いましょう。
用途に合った防草シートで雑草にサヨナラ!
防草シートの敷設は、なかなか手間がかかります。広い面積を処理するとなると、プロの手を借りなくてはならないかもしれません。ですが、きちんとシートを敷けば、雑草の心配をすることはありません。経年劣化のためにやがて敷き替えなくてはならないとしても、定期的に草取りをする手間を考えれば、はるかに楽でしょう。
「抜いても抜いても雑草が生えてくる……」とお悩みの人は、ぜひ防草シートを試してみてはいかがでしょうか。