ファイナリスト紹介 株式会社SUNYSIDE

News
お知らせ
ねぎテック テックをもっとかんたんに だれでもできる“IT×農業”
株式会社 SUNYSIDE 代表 河田晃範(かわた・あきのり)さん
インタビュー
2019.09.30

応募のきっかけを教えてください。
広告会社やエンターテインメント企業でITサービスの新規事業起ち上げなどを手掛けてきましたが、現在は独立してアグリテックやITマーケティングに特化した事業化を進めています。私自身深谷出身で、実家は父や兄がネギ農家を営んでいます。応募のきっかけは、やはり地元の農地が年々減っていくのを見るのが淋しかったことです。こういった状況で日本は将来大丈夫なのかという危機感もあります。農地が減少していく原因の1つは生産品質管理が難しく、特に初心者は収益化が容易ではないこと。そのために事業承継がスムーズにできていないことだと思います。そこで私は新規参入者でもスマートフォンで生産のPDCA(記録、評価、改善、実行)サイクルを最適な形で実践できるようにすることと、そこで蓄積された生産ノウハウを活かして事業承継をスムーズにする仕組みを提案します。
商品・サービスについて教えてください。
『ねぎテック』は生産PDCAサポートをメイン機能として、その先に事業承継サポートを見据えたアプリケーションです。しかし、農業はIT化が遅れている分野の1つです。その理由として農家のITリテラシーの問題、個人経営ではIT化予算に限界があること、従来のITサービスは操作が複雑といったことがありました。ですから今回のサービスのポイントは簡単で誰でもできる、ということです。農家でITサービスの利用経験のある人からは「始めてみたけど続かなかった」「入力が大変でおっくうになった」という声をよく聞きます。実際に作業をしている兄と相談し、本当に必要な情報は何かと現実的に毎日の入力が可能かを擦り合わせながら、入力画面の設計を行っています。このツールで栽培ノウハウがデータベース化できれば、親子で引き継ぐ際もスムーズですし、第三者に土地とセットで販売することも可能です。
思い描く農業のミライは?
例えばネギを作っている農家がいて、作物の情報などがすべてクラウド上で管理されていれば、公開情報を見た小売店などが直接アプローチしてくるかもしれません。将来的には「うちで扱うネギを作ってくれませんか」とか「うちで直接買い取らせてもらえませんか」という展開につながっていくはずです。ただ、そこを起点としてしまうと、販売先を探したい農家さんしか参加しなくなってしまう可能性があります。僕らはあくまでも生産を改善するところからスタートしたい。結果的にその出先として販売連携なども出てくると思います。生産管理をしっかりと行い、情報をストックし、ノウハウを見える化することで、誰もが指導者になれたり、販路が拡がったり、事業承継につなげたりすることができます。そんな形で、農家さんのマネタイズ、収益の獲得方法を多様化することができると考えています。