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農場を襲った大きなピンチに立ち向かうべく選んだのは、何かをあきらめるのではなく、果敢に挑戦すること

農場を襲った大きなピンチに立ち向かうべく選んだのは、
何かをあきらめるのではなく、果敢に挑戦すること

新規就農
05
酪農/飼料作物
木村 日香さん
新規就農 木村さん

夫婦二人だけで飼養頭数130頭の牧場を営んでいた木村家。飼料も近隣と協力して二毛作で生産。ただ、それでは全頭分の飼料をまかなえず、輸入飼料にも頼っていました。そこにコロナ禍とロシアのウクライナ侵攻という世界情勢が大きな影を落とします。物流が混乱し、為替は円安に。輸入飼料は大幅に値上がりし、経営が急激に悪化したのです。「生育に手がかかり乳量の少ないジャージーを手放し、ホルスタインに集約して経営を立て直そう」という父親の苦渋の決断に、猛然と反対したのが、木村家の次女・日香さんでした。

今日の笑顔は、たくさんの人に支えてもらえた証

「ジャージー牛を手放すなんて、絶対にダメ!」と、頑として譲らなかった木村さん。自分と共に育ったジャージー牛にとても思い入れがあったと話します。 「私を覚えていて、牛舎に行くと寄ってくる。そんな人なつこい牛たちが大好きです。本州一の生乳生産量をプライドのひとつとしている那須塩原の酪農にとって、ジャージー牛乳は代表ブランド。経営を立て直すためとは言え、手放すわけにはいかないと思ったんです。」木村さんは両親とじっくり話し合いました。出した結論は「あきらめるのではなく、挑戦する」。

新規就農 木村さん

今の経営を立て直すには、両親だけでは手が足りません。家族の結論を実現するため、木村さんは会社を退職して家業を手伝うと決断しました。 木村さんが参入し、3年経った今では搾乳を任されるように。経営は徐々に回復。牧場は、栄養価の高いデントコーンの作付面積拡大に挑戦。現在は飼料の大半を自家生産でまかなっています。「酪農は自分たちだけでは成り立たない。たくさんの人のおかげ。感謝を忘れないように。母はいつも言うんです。本当にそのとおり。今日、私が笑顔でいられるのは、たくさんの人に支えてもらえているから。」

木村さんは酪農協の青年部に加入し、たくさんの先輩たちから歓迎され、相談に乗ってもらっています。牛の健康や安全な出産は、獣医師の方のおかげ。家族で一緒に過ごせる日があるのは、酪農ヘルパーの方のおかげ。多くの人が木村さんの決断を後押しし、それが経営の回復にもつながっていったのです。「おかげで牛たちの健康を維持でき、自分たちが飲みたい、みんなに飲んでもらいたい牛乳を生産できています。」昨年は、質の良い生乳の継続生産を達成し、表彰も受けました。いつかは自分も誰かの力になりたいと、木村さんはより多くの仕事を覚え、日々成長しています。「機械の運転を覚え、経理や経営も学んでいます。まずは両親を安心させたいですね。大切な家族と牛たちと、ずっと笑顔で過ごせるよう、頑張りたいと思っています。」

新規就農 木村さん