新・農業人フェア

農業学校

2年間の学びで、お金に悩まない農業経営を実現する

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行政・JA・民間企業・教育機関が連携し、”稼げる農業”の実現を支援する鶴岡市立農業経営者育成学校「SEADS」(シーズ)。どんなことが学べるのか、サポートはどのようなものがあるのか、お伝えする。

新規就農しやすい地域を選ぶ

2021年5月から2022年5月にかけて、山形県では新たに358人が就農した。7年連続で東北でトップの人数だ。

多くの人が山形県で就農する理由の一つは、県で行っている補助のおかげで、費用の負担が軽減されているからである。
非農家出身かつ山形県内で独立自営就農を目指す人であれば、就農準備資金として年間最大150万円を受給しながら、先進農家などで栽培技術や経営手法を学ぶ新規就農者育成総合対策や、60万円以内であれば営農費用を助成してくれる新規就農定着サポート事業などが例としてあげられる。

同県のなかでも特に注目すべきは鶴岡市。鶴岡市の新規就農者数は2021年5月から2022年5月までの5年間で54人となり、山形県の7年連続東北トップの座を支えている。つるおか新規就農者育成プロジェクト支援事業や住宅・農地の斡旋(あっせん)など農業振興事業に力をいれている。

人口およそ13万人の鶴岡市には日本有数の穀倉地帯、庄内平野が広がる
人口およそ13万人の鶴岡市には日本有数の穀倉地帯、庄内平野が広がる

また、鶴岡市は1400年以上にわたり信仰を集める山岳修験の聖地「出羽三山(でわさんざん)」で栄えた精進料理や、だだちゃ豆や温海(あつみ)カブなど約50種類もの在来作物が継承されているため、「ユネスコ食文化創造都市」に登録された。国内ではじめて認定された都市である。

新規就農者へのサポートにも力を入れ、食文化も豊かな鶴岡市で2020年に市立農業経営者育成学校「SEADS」が開校した。入学金は0円、年間の学費は12万円と良心的な金額だ。

SEADS外観
SEADS外観

やはり1番気になるのはサポート

行政・JA・民間企業・教育機関が協力し合って運営していることもあり、サポートは手厚い。

1. 申請書類をできるだけ通しやすく

行政に勤めていたSEADSのスタッフが、提出する内容がより良くなるようにアドバイスしてくれる。

資金調達の一つである補助金申請など重要な場面で役立つ。
また、就農後も栽培技術や申請書類の手続きなどについてSEADSのスタッフが引き続きサポートしてくれることも特徴のひとつ。

2. 宿舎使用料は研修生の負担を抑えた月額10000円

2020年に旅館をリノベーションして、農業学校の校舎、宿舎にした。宿舎使用料は、水道光熱費として月額10,000円、月曜日から金曜日の夕食費として月額 6,000円。

宿舎の一人部屋。リノベーションしたばかりの清潔感のある部屋
宿舎の一人部屋。リノベーションしたばかりの清潔感のある部屋

ひとり部屋にはトイレや洗面台もついている。農業の資料が置いてあるライブラリやキッチン、ランドリーなど共用の設備も充実している。

3. 官民が協力して研修生をサポート

JAから農地や農機具の情報を受け取ることができたり、鶴岡市から定住支援や農地の斡旋を受けることができる。

農業人財育成・確保に関する確定

営農開始後の栽培技術の相談や人手の不足についても、行政・JA・教育機関・民間企業がそれぞれの得意分野を生かしたサポートがある。

カリキュラムが充実した学校を選ぼう

SEADSは、行政・JA・民間企業・教育機関が連携して運営している。研修生が「稼げる農業」を実現することが目的だ。
稼げる農業を実現するためには、学ぶ中身が重要になってくる。SEADSのカリキュラムの特徴は3つある。

1. 基礎の基礎から教えてもらえる

そもそも農業を始めるにあたって何が必要なのか、農業で覚えておくべき言葉とその意味といった、基本的な知識からスタート。

例えば、営農計画とは何なのか、なぜ必要なのか、ということを教わったうえで、計画の立て方や申請書類の書き方を学校がレクチャーしてくれる。

座学研修の講義の様子
座学研修の講義の様子

他にも、植物の生長の仕組みやトラクターの運転方法などの基礎を学ぶ座学や実習がある。有機農業について学べる点も、SEADSならではといえる。

2. 近隣の農家・農業関係者との連携が盛ん

学校の周りには、圃場が多く存在する。実習受け入れ農家で、現場の栽培技術を学べるわけだ。

視察研修の様子
視察研修の様子

視察研修も多く取り入れ、先進農業者の圃場や施設をはじめとして、試験研究機関、食品加工施設、市場もみられる。

農業者と研修生の交流会。研修生が積極的に質問している
農業者と研修生の交流会。研修生が積極的に質問している

他にも、学校が農業者との交流会を開催し、研修生の営農に関する疑問に対してアドバイスをもらえる場を用意している。

農業アルバイトを通じてネットワークをつくれるようカリキュラムを組んでいる。

3. 就農後にそのまま使える学び

山形大学の元教授の講義もある。内容は、どういう養分を補填(ほてん)してあげれば収量があがるのか、あるいは栽培中のトラブルを避けることができるのか、など就農後に役立てられるものばかりだ。同大学の「食と農のビジネス塾」にも参加して、知識を増やす。

研修生のスケジュール一例(季節によって変動あり)
研修生のスケジュール一例(季節によって変動あり)
学校敷地内圃場
学校敷地内圃場

農家のもとで直接指導を受けられる実習以外にも、学校敷地内にある圃場でさまざまな作物をどの時期でも試験的に栽培することができる。少量多品目栽培も可能だ。

鶴岡市での就農は、本気で農業でしたい人にピッタリだ

研修生からは、研修先では聞けなかったことを先生に質問し、教科書での方法と実際の方法を比べることができる点がとても魅力的なカリキュラムという声がよせられ、好評だ。

修了生は、雇用就農したり、トマト、だだちゃ豆、サツマイモ、サトイモを栽培する独立自営農家になるなど、それぞれビジョンを持って農業経営に取り組んでいる。SEADSで学び、鶴岡市での就農は、本気で農業でしたい人にピッタリだ。

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