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様々な仕事を経験し たどり着いた農業

テーマ:移住&就農

Profile

立松 季久江(たてまつ・きくえ)さん

作っているもの
働いている場所


農業女子PJ

移住&就農20kgダイエットで食に目覚め
食の大切さを伝える農業女子

立松 季久江(たてまつ・きくえ)さん

研究職、ソムリエ見習い、音響スタッフ、英会話教室の講師など様々な職を経験し、30代で出身地の名古屋から京都に移住し農業に飛び込んだ、食のエキスパート。栽培も販路開拓も持ち前のバイタリティで乗り越えてきました。農業や食の魅力を伝えようと、2016年には電子書籍も出版。マルチな才能を生かして、食のセミナーや2冊目の本の執筆も進めています。

作っているもの
黒豆・米・人参など、旬の野菜多品種
働いている場所
ともときファーム丹波
  • Q1就農のきっかけを教えてください。

    過去に食事を工夫することで20kgのダイエットに成功したことがあり、食に興味を持ちました。食品のことを調べに調べ、独学で栄養の知識をつけた私は「この知識や経験を伝えたい」と、さらに勉強して栄養士になりました。一方で添加物や農薬のことも知り、無農薬の野菜や食品が手に入りにくい状況に疑問を感じてもいました。そんな時、友人から農業体験に誘われ出会ったのが現在働くともときファーム丹波です。当時の社長の「世の中の食を変えたい。薬や化学的なものを使わない本来の野菜を作っていきたい」との思いに共感し、当時住んでいた名古屋から農業体験に通うように。通っていた4年ほどの間にファームの農地が増えたことから、名古屋から移住し本格的に農業に取り組み始めました。

  • Q2移住し農業を始めることで苦労されたことをお聞かせください。

    思いだけで飛び込んだ農業の世界。土も触ったことのなかった自分には分からないことだらけでした。名古屋以外に住んだこともなかったので、あまりに静かな環境と夜中に響く動物の声で最初は眠れない日も……。ファームも規模が拡大している途中でしたので、最初の3年間は農機具も十分になく、土づくりもこれから。葉野菜を作れば虫で食べられ全滅、人参は発芽せず、やっと芽が出ても短いものしかできないという日々が続きました。移住して2年ほどは農作業後に夜はアルバイトという体力的にも大変な時期でした。ようやく栽培が安定し、大阪や名古屋、神戸などの知り合いにお願いしてマルシェでの販売をスタート。その後宅配も始めました。栽培も販売も教えてくれる人が少なく、素人から叩き上げでここまで来ましたが、今はリピーターさんもたくさんでき、ありがたいです。

  • Q3これまで様々なお仕事を経験されているとのこと。農業に役立っている経験はありますか?

    好奇心旺盛な性格で、研究職、ソムリエ見習い、介護士、寺院手伝い、音響スタッフ、英会話教室のペアティーチャーなど様々な職種を経験しました。音響は18年ほど勤めましたが、イベントや結婚式など会場が毎回変わることもあり、どんな状況でも1人で冷静に対応すること、全体を見て効率よくまわせるよう段取りするという技術が身につきました。イベント慣れしているのもあり、農業体験イベントや食関連のセミナーの企画や、当日の役割分担と段取りも得意です。京都は外国人が多いので農業体験に来た方の案内などに英会話も役立てたらと思っています。野菜の味や香りに対する感性は食品企業での研究職やソムリエの時に磨かれ、地域の中での高齢者との関係づくりは介護の現場から学びました。

  • Q4栄養士の資格もお持ちの立松さん。食や農業の魅力とは?

    農業を始めた当初は低血圧、低体温、冷え性で疲れやすく、血行が悪すぎて冬は足の指全部がしもやけでパンパンに腫れるような超不健康な身体でしたが、農業を続けることで体調も良くタフになりました。健康診断へ行っても健康体そのもの。40代の今でも骨密度は20代です(笑)大自然の中、太陽の下で体を動かしていることと食事の内容が大きな要因だと思っています。普段の食事は野菜が中心で、厚生労働省が推進する目標摂取量の350g以上は毎日食べています。さらに新鮮な野菜はビタミンやミネラルの量も豊富。野菜のビタミンやミネラルが、こんなにも自分の身体を健康にするということが実体験できたのは、農業を始めてからの大きな気づきでした。


  • Q5農業を「やっていて良かった」と思う瞬間は? また、今後の夢や展望も教えてください。

    農業を始めた頃は、想像していた以上のハードな作業となかなか収穫という結果が伴わないことに苦労したので、野菜が出来た時には本当に嬉しかったのを覚えています。安心安全な食物を自分で作れるようになったことは、農業の醍醐味です。これからは作るだけではなく、食の大切さについての情報発信をしていこうと、食のセミナーや2冊目の本の出版の準備もしています。身体のもとになる食を見直せば、体も心も健康な人が増えるはず。食を大切にする人が増え、ヨーロッパのように無農薬やオーガニックの野菜・食品を扱う店舗が日本にも増えること、そして病気やアレルギーの少ない社会にしていくことが夢です。

    1日のスケジュール

  • 農業女子あるある

    チームワークを大事にしている。全国から様々な人が手伝いや農業体験にいらっしゃるので、一日の農作業で良いチームワークが築けるよう、ベテランも初めての方も溶け込める雰囲気作りを心がけています。

  • 特技

    作業の担当者決め、作業の段取りやスケジュール作りです。

  • 必須アイテム

    カメラと携帯。作物の生育状況の瞬間瞬間を撮るのが習慣です。あとは虫によく刺されるので虫除けグッズ(帽子につける網)です。

  • 私の癒し

    ファームで飼っている猫さんたちです。野良猫出身の2匹ですが、休憩の時にはなぜか顔を出してみんなを癒してくれます。

温暖化対応で工夫していることはありますか?

温暖化などの環境に対応した作付けや品種選びについて、工夫していることがあればお聞きしたいです。

群馬の農家 山口さんからのお答え

排水・渇水対策を考えながら、土地に合う品種の栽培技術を磨いています。

この土地に合う品種、例えば群馬生まれのお米の栽培や、種を自家採取し栽培に取り組んでいます。最近の気候、特に降雨量や激しい変化に対応できるよう排水や渇水対策を考慮した栽培技術の確立を目指しています。

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