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企業との協業で汎用性の高い取り組みを

CHAPTER 5 AGRI+からの提言

企業との協業で汎用性の高い取り組みを
企業と連携し、
地域課題の解決を
念頭に置いた、
共同研究や実証実験を実施。

自動飛行で30cm間隔で播種を行うなど、精度の高い直播ができるドローン

生産現場のニーズを捉えた製品開発や製品導入を進めるにあたっては、自治体・JAと事業者による共同開発や連携協定締結というアプローチも考えられます。地域全体に目配りができる自治体・JAなら、広範な地域での利用を前提に、汎用性の高いテーマで研究や実証実験に取り組める点が強みといえます。

県と企業でドローンによる高精度直播技術を共同開発

石川県は、2007年に、農業への参入意向を持つ企業に対応するワンストップ相談窓口を設けました。「石川県は以前から企業との共同研究による新たな農業技術の創出に積極的で、スマート農業とも親和性が高い」と話すのは、石川県農林総合研究センター所長の島田義明さんです。
同センターでは2019年度から3年計画で株式会社オプティムと協力し、自動操縦ドローンによる高精度の水稲直播栽培技術、AIの画像解析、除草剤のピンポイント散布による雑草防除技術の確立を目指しています。
同社取締役ビジネス統括本部本部長の休坂健志さんは、「直播によくある鳥害や苗立ちの悪さへの対策として、今回は種子を一定の深さまで打ち込む技術を開発しました。これには同センターの研究で適切な種子深度が分かったことも大いに寄与しています」
2021年度は実用化に移行予定。島田さんは、「スマート農業技術を多くの生産者に使ってもらうことが目標。それにはドローン操作のトレーニングや操作代行人材の養成なども考慮する必要があります」と、実用化に至る支援も含めて自治体で検討していくことを考えています。

営農で負担が大きい水位管理をICTで省力化

茨城県つくばみらい市は、農林水産省の「人・農地プラン」をもとに、意欲ある農業の担い手に農地を集積し、地域農業の持続的な発展を図ってきました。
しかし、規模の拡大による農作業の負担増大、労働力不足などが顕著になり、これらの課題解決に向けて、井関農機株式会社と先端技術活用による農業推進の連携協定を締結。つくばみらい市内にある協力農家のほ場で、水田センサーなどの水管理システム、人工衛星などを活用したセンシングによる生育分析、井関農機のスマート農機である収量コンバイン、可変施肥田植機などの先端技術の実証を行っています。
つくばみらい市役所(市民経済部係長)の佐藤利文さんは、「今回は10軒の生産者の協力を得て、営農で多くの時間を割く水回り管理の負担を軽減するシステムを導入しました」と話します。これはリアルタイムでの水位測定データが水田の画像とともに確認でき、生産者間で共有可能な仕組みです。
こうした成果を地域で共有してスマート農業への理解を促すと同時に、同市の農地面積の7割を占める水田の有効利用にも期待を寄せています。

つくばみらい市と井関農機の協定調印式

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