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中山間地域 農業の複合経営魅力物語 渡邉桂太さん

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中山間地域農業の複合経営魅力物語

08

鹿児島県

有限会社 屋久島八万寿茶園

渡邉桂太さん

渡邉桂太さん
PROFILE 人物紹介PROFILE 人物紹介

栽培作物

耕作面積

茶畑6.5ha

経営規模

本人

移住形態

Uターン

前職

イベント音響会社

農地の取得

父から継承・所有

就農までの期間

5年

移住した年

2017年

農業

×

加工

×

店舗

  • 有機JAS認証
  • ASIAGAP認証
  • EUオーガニック認証
  • 加工
  • 店舗
  • Uターン

一度は島を出るも、「父の代で終わってしまうのはもったいない」という気持ちから、2017年に屋久島へ帰島し、父や家族とともに茶の栽培や製茶、販売に勤しむ渡邉桂太さん。海外展開や、パッケージの刷新、さまざまなコラボ商品の開発などにも注目が集まる。

〝屋久島茶〟のブランド化を目指す、若き茶農家。

屋久島茶業振興会の会長としても屋久島のお茶を広げたい

屋久島茶業振興会の会長としても屋久島のお茶を広げたい

移住を考えたのはいつごろですか?

創業は1985年。父をはじめ、屋久島に生まれ、一度は島を出た屋久島高校の同級生ら3人が帰島し、「島のためになにか産業をつくりたい」という想いを胸に始まったのが八万寿茶園です。父たちは開園当初から無農薬、有機栽培を実践し、「人に自然に正直なお茶づくり」を心がけてきました。

若い方にも手に取ってもらいやすいデザインを

若い方にも手に取ってもらいやすいデザインを

父の代で終わってしまうのはもったいないという気持ちから、お茶の世界へ

島外の高校へ進学し、その後音響技術を学ぶ学校へ

すぐには帰島せず、「東京で、屋久島のお茶のことを伝えることはできないか」と、日本茶カフェで働いたり、日本茶インストラクターの資格を取得したり、まずはお茶にまつわる知識や経験を深めました。東京・新中野で『八万寿茶舗』という店舗も営業。

定期的に屋久島のイベントを開催

店を切り盛りしながら、忙しい新茶の時期は実家の農園を手伝うということを続けていましたが、2017年の春、農園のスタッフが事故に遭ってしまい、それをきっかけに、島に帰ることを決心しました。

工場の脇にある直売所兼カフェのようなお店

工場の脇にある直売所兼カフェのようなお店

 

無農薬、有機栽培で大変なこと

帰島後は、親元就農で、すぐに農業を

うちでは7品種を育てていて、早い年では3月終わりころから収穫が始まります。4月が収穫のピークで早朝から夜遅くまで作業が続きます。無農薬、有機栽培なので、収穫期以外の作業は、草刈りが中心で、冬場以外は延々とやっていますね。

できる限り自然に近いかたちで栽培したい

農法で工夫している点では、刈り取った道路脇の草を、農園の中に敷き込んで活用しています。これらは雑草抑制や、のちには肥料にもなるといった効果があるそうです。
お茶の販売について、大きいのは静岡にある茶問屋への出荷です。荒茶(生茶葉から蒸し、乾燥の工程のみを経た半製品)の状態でお渡しし、そこから海外に行くこともあれば、ペットボトルのお茶になることもあるようです。だいたい1番茶の4分の1、2番茶や3番茶に関してはほとんどをそこに出荷します。これは売上のベースのようなものだと考えています。

結構取扱量が多いのが、海外への輸出

2012年に輸出を開始し、2014年から本格的にEUの有機茶問屋へ輸出しています。それに合わせて、もともとの有機JAS認証に加え、ASIAGAP認証やEUオーガニック認証も取得しました。

ベースとなる売上を確保しつつ、海外にも販売

海外に関連しては、欧州に存在する〝本当のお茶好き〟向けに、白茶も新たに作るようになりました。緑茶や紅茶のような伝統的なお茶の一ジャンルであり、より茶葉本来の味を楽しめるもの。屋久島の自然のイメージをダイレクトに伝えたいと、僕が製造に踏み切りました。

屋久島では2017年から、農業生産額の第一位がお茶に

このコラボした商品は売り切れになるほどの大ヒット

このコラボした商品は売り切れになるほどの大ヒット

〝屋久島のお茶〟というものをどうブランディングしていくか

そのことを島民でさえも知らない人もいます。ましてや、観光客が屋久島でお茶に触れる機会があまりにも少ないので、より手にとってもらうようにすることですね。そういった意味合いもあり、パッケージを新しくしたり、コラボ商品をつくっている部分は大きいです。

新規就農者へのメッセージ

やっぱり、周囲と違うことをやってみるっていうか、その道から1回外れてみるっていうのは、結構大事かなと思っています。あとは、お客さんをよく観察すること。売り先である、お客さんのことをまずは考えるべき。意外な答えになるきっかけが見つかると思います。

取材・文=乾祐綺 写真=乾祐綺 編集=養父信夫

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