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野菜・水稲農家 杉山成江さん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 14
野菜・水稲農家
杉山 成江さん
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山梨県に就農したきっかけ、経緯は?

実家が市川三郷町で、甲府に住んでいます。実家は代々農家で祖父は養鶏や果樹栽培をしていました。父は野沢菜を中心に大規模な農業をしていましたが、休みがなかったので、子どもの頃は農業をやるつもりがありませんでした。
ところが、父が怪我で5年間仕事を休み、農業を再開しようとした矢先に急逝。母に農業をやめようと話をしましたが、絶対に首を縦に振りませんでした。私の仕事がちょうど転換期だったこともあり、山梨県立農業大学校(現:農林大学校)の職業訓練農業科に9カ月通って、母と一緒に身の丈に合った農業をやろうと思い、40aで直売所向けの野菜を作り始めました。

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作物はどのように決めましたか?

大規模にやるつもりではなかったのですが、母と一緒に農業を始めた翌年に夫が会社を退職したので、3人で農業をすることになりました。子どもがまだ小さく、甲府のアパートから通っているので毎月の家賃も払わなければなりません。年間を通して収入が得られるように考えて多品目の野菜を作り始めました。
トウモロコシ、ナス、大塚にんじん、ちぢみホウレンソウ、野沢菜、水稲を大きな柱にして、直売所やセット販売向けの野菜を少量ずつ通年で作っていますが、働きすぎだと言われることがあります(笑)

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農地や販路はどのように確保しましたか?

実家の農地と、あちこちから借りて合計で2haになりました。最初は町役場の紹介です。農地を探していることを地域の人に話すと、借りられそうな畑が出たときに声をかけてもらえるようになりました。
販路は、売上のうち農協出荷が6割、ネットと個人販売3割、直売所1割です。ネットや個人販売は自分で決めた価格で売れるので徐々に割合を増やしていきたいと思っています。

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就農する際に困ったエピソードは?

農業は手伝い程度の経験しかない状態で始めたので、最初はわからないことだらけでした。父が使っていたトラクターの使い方もわからず、地域に親しい知人がいないので、隣町に住む母の親戚に教えてもらいました。以降は見よう見まねでやっていると周囲の農家さんが見かねて教えてくれることもありました。わからないことは自分から飛び込んで聞ける環境があるのがありがたいですね。
機械と土地もあったので初期投資は少なかったのですが、就農2年目に大雪被害があった際、町外から通っているので補助金の対象外で資材費だけが膨らんでまるで自転車操業。翌年は倍稼いで資材費を返しました。

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地域の環境はどうですか?

市川三郷町は、土質がよく、冬も農業ができ、一年中いいものが作れます。トウモロコシの甘々娘(かんかんむすめ)や長さ1mにもなる大塚にんじんなど、地域の特産品があるのも強みです。
地域には果樹、水稲、野菜、いろいろな作物を作っている人がいます。ネットで調べれば作り方が書いてありますが、気候が違えば同じようにはできません。そういう時に地元で長く作っている人に話を聞けるのもいいと思います。
日本有数の山々に囲まれた地域で、高台にある畑から甲府盆地を見渡せます。絶景で知られる町内の「みはらしの丘みたまの湯」は、県外のお客さんも多く、併設された直売所もにぎわっていますね。

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営農で困ったときはどうしていますか?

県の農務事務所によく相談しています。10年農業をやってきて、今後どうしていこうかと悩んでいると、周りの方に農務事務所で経営相談ができることを教えていただきました。事務所でとてもいいアドバイスをもらって、今年は少し飛躍できそうだと思います。
農大に行ったことで、横のつながりができたことも大きかったです。補助金のことを紹介してくださる県の担当者の方とも知り合えたことで、就農後にも頼れる先ができました。

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就農を希望される方へメッセージ

地域(市川三郷町)には、県外から新規就農し、地域に根付いて実績を挙げている方が多いので入りやすい雰囲気があります。農作業は一人で気軽にできると言う人もいますが、人との繋がりがなければ売れないし、作り方も一人よがりになってしまうと思います。
私にとっては、好きなことができるのが農業です。自然が相手なので、必ず頑張っただけの成果が出るとは言えませんが、やる気があればいろいろなことができて面白いですよ。うまく計画してやれば自由な時間ができるので、何かやりたいことがある人にも楽しい仕事になると思います。

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