マイナビ農業TOP > AGRI+(アグリプラス) > AGRI+ VOL.01 > ハリウッドセレブ御用達。

ハリウッドセレブ御用達。

特集1 宮崎式ブランド創出力 CASE.3 宮崎牛

「日本一」を世界に発信! 『宮崎牛』・県産牛肉のプロモーション対策
ハリウッドセレブ御用達。

史上初 内閣総理大臣賞を3大会連続で受賞の『宮崎牛』(左)。宮崎県農政水産部 畜産振興課 溝邊悠さん(右)

『宮崎牛』が快進撃を続けています。生産者の全国大会で、3大会連続の内閣総理大臣賞を受賞。海外では、ここ7年で輸出量が約23倍に拡大しています。宮崎県とJA宮崎経済連、株式会社ミヤチクなどが一体となって取り組む多角的なプロモーション活動について、宮崎県農政水産部畜産振興課の溝邊悠さんにお話を伺いました。

和牛オリンピックで3大会連続の日本一を獲得

5年に一度、全国の優秀な和牛を集め、体型や肉質を各部門で競い合うのが「全国和牛能力共進会」です。この「和牛のオリンピック」で2007年、2012年、2017年と3大会連続して最高位となる内閣総理大臣賞を受賞しているのが『宮崎牛』。これは史上初の快挙です。実は、『宮崎牛』のブランド化の歴史は、1986年に始まります。この年、県の農政水産部やJA宮崎経済連など、生産から流通、消費に関わる県内の関係機関が一体となり「より良き宮崎牛づくり対策協議会」が発足。官民一体となった生産とブランド化への取り組みが始まります。3大会連続日本一の陰には長期間にわたって県が種雄牛を一元管理し、生産者とともに懸命に改良に取り組む姿がありました。
一方、プロモーション活動では、大相撲九州場所の優勝力士に『宮崎牛』を贈呈する他、県内で行われるゴルフトーナメントの優勝副賞でも贈られています。海外の選手が優勝することもあり、『宮崎牛』の名を国内外に広めています。こうした積極的なプロモーション活動により、その知名度は2011年度の52.2%から2016年度には68.1%まで上昇しています。

食をテーマとしたイベントなどでも『宮崎牛』のプロモーションを展開

『宮崎牛』を使ったフードアート「宮崎牛赤富士」によるプロモーションが話題に

東京オリンピック・パラリンピックで『宮崎牛』を内外にアピール

東京都中央卸売市場食肉市場で毎年開かれる「東京食肉市場まつり」での販促活動

「全国和牛能力共進会」での連続受賞を受け、2018年度からは、プロモーションをさらに強化。「日本一を世界に発信!」と銘打った活動を展開しています。特に重視しているのは、首都圏。宮崎県農政水産部畜産振興課の溝邊悠さんは、「『東京2020オリンピック・パラリンピック』がありますから、首都圏で食べられる場所や機会を増やし、『宮崎牛』をアピールしたい」と語ります。
その取り組みの一つが、東京都中央卸売市場食肉市場で毎年開かれる「東京食肉市場まつり」です。2018年度は『宮崎牛』が目玉となり、多くの来場者に振る舞われました。同市場では、食肉の屠畜(とちく)も行っており、『宮崎牛』も定期的に出荷。東京で解体した新鮮な肉を首都圏のバイヤーに直接提供しています。
「より良き宮崎牛づくり対策協議会」では、『宮崎牛』を一定量以上取り扱う精肉店やレストランなどの指定店制度を導入。全国の指定店数が2016年度の496店舗から2018年度には555店舗に増えており、知名度の広がりを感じさせます。

ハリウッドのシェフも絶賛。EUへの輸出も今後本格化

海外ではハリウッドセレブが『宮崎牛』の味に魅了されています。アカデミー賞のアフターパーティーでは、2018年、2019年と連続して『宮崎牛』を使った料理が提供され、シェフからも「最高の牛肉に出会うことができた」と高く評価されました。
JA宮崎経済連グループの県産牛肉の加工・販売会社である『ミヤチク』の工場は、すでに1990年に対米食肉輸出工場の認定を取得。現在では香港や台湾との取引も増えています。欧州連合(EU)向けの認定も取得し、これから本格化する計画です。
このような取り組みにより、県産牛肉の輸出量は2011年の20tに対し、2016年は280t、2018年が470tと急成長しています。世界にも認められる実力を持つ『宮崎牛』。多角的なプロモーション活動を通じ、その存在感が着実に高まっています。

宮崎県産牛肉輸出量の推移

ブランドアピールのため、海外出張も多い溝邊さん

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する