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匠の眼 センサー編 24時間365日見つめて『解』を出す。

CHAPTER 2 「使える」スマート農業。

24時間365日
見つめて『解』を出す。

農業向けITセンサー ほ場データ(水位、水温、地温、気温、湿度)を確認し、クラウド上でグラフ化したり、設定に従って各種アラート通知を行う『MIHARAS』(写真提供:ニシム電子工業株式会社)

匠の技術の継承で極めて重要なのが「匠の眼」です。ベテラン生産者(匠)は作物と向き合い、その観察眼や五感で感じ取ったことに経験と知識を掛け合わせることで、最適と思われる作業を行ってきました。スマート農業では、この眼の部分を農業用センサーに代替することから実用化が進み、多くの事業者が製品やサービスを提供しています。その上、ほ場で感じた気象の変化を農業用センサーで24時間いつでも把握できるようになり、人工衛星やドローンの画像分析をもとに、栽培状況、土壌の水分量、タンパク質の含有量、もしくは病気発生・病害虫発生の有無などを判別できるようになってきています。さらに農業用センサーには、人の眼では確認できない範囲を可視化できるメリットがあります。ドローンによる高所視点での撮影、赤外線撮影などによる農作物や土壌内部の確認、土壌のph測定などです。
センサーで常に耕作地や作物を観察し続け、データ化した生産記録として蓄積していけば、次の世代へ継承していくことが可能になります。さらに、匠が感じたポイントや判断内容に専門家による分析を加えることで、長年継承されてきた貴重なノウハウを、営農データとして地域に残すことができます。

環境管理センサーを軸にした農業支援サービス

ハウス内のセンサーで取得した温度、湿度のデータをリアルタイムで把握し、スマートフォン、タブレットなどで遠隔操作できる『farm watch』(写真提供:大崎電気工業株式会社)

AI(人工知能)・マルチスペクトルによる検知
画像解析写真

ドローンで撮影した画像をAIで画像解析。病害虫発生地点をピンポイントで把握して農薬を散布するなど、農薬使用量の削減に寄与しています(写真提供:株式会社オプティム)

ベテラン生産者の栽培ノウハウをデータ化・見える化して地域で共有する場合、ノウハウを提供した匠には、敬意や感謝と共に具体的な報酬の提供など、さまざまなかたちで労に報いる仕組みが必要です。そのルール作りも、地域の中軸である自治体やJAの役割ではないでしょうか。
先行する試みとして、農林水産省が提唱し2019年4月から本格運用が始まった農業データ連携基盤「WAGRI」があります。農業従事者がデータをもとに判断し活動できるデータ駆動型農業を標榜し、いずれは日本中の農家とつながってデータ量も増やし、気象、地図、農地、肥料、農薬、市況などの多種多様なデータの活用を可能にする予定です。

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