教育ファームとして経営の安定を目指す

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教育ファームとして経営の安定を目指す

その他畜産の仕事 - 九州の畜産で働こう!九州畜産特集 その他畜産の仕事 - 九州の畜産で働こう!九州畜産特集

教育ファームとして
経営の安定を目指す

人間の衣食住と深い関わり

肉用だけでなく乳用、毛用などさまざまな用途のあるヒツジとヤギ。古くから家畜として人間の衣食住と深い関わりを持ってきました。ヒツジは目的に応じて品種改良され1,000種類以上の品種があると言われています。国内で飼育されているヒツジの種類は、イギリス原産の肉用種・サフォーク種や、ニュージーランド原産の毛肉兼用種・コリデール種など。2013年の飼育頭数は約16,000頭、飼育戸数は900戸程度と近年やや減少傾向にあります。このうち約半数は北海道で飼育されており、長野、栃木、岩手と続きます。

コンパニオンアニマルとしても活用

丈夫で粗食にも耐えることから、搾乳や肉用として広く利用されてきたヤギ。家畜化は犬の次に古く、500種類以上の種類があると言われています。乳用種は世界各地で飼育されているザーネン、肉用種は日本在来種のシバヤギ、毛用種はアンゴラ、カシミアなどが代表的です。国内の総飼育頭数は19,000頭前後で、飼育戸数は3,900戸程度。1戸あたりの飼育頭数は平均5頭前後と少ないのが現状です(2013年)。小柄で扱いやすいという理由から、コンパニオンアニマルとしての役割も注目されています。

動物にとって最適な環境を作りつつ
教育牧場としての新しい可能性を探りたい

山田畜産総合ファーム 山田善光氏
山田畜産総合ファーム
山田善光氏
プロフィール
山田畜産総合ファーム代表。42歳。17年間の県立農業高校での教員経験を経て、3年前、諫早市内中心部から車で20分ほどの標高100mの丘陵地に農場を開設。約2,500㎡の草原にシバヤギ30頭、ヒツジ(コリデール)30頭を放牧飼育。現在、肉の生産を目指して、頭数を増やしている。動物の堆肥を使って野菜を栽培する循環型農業を目指すと共に、バジルを栽培し自家製バジルペーストを生産。近隣の道の駅などで販売されている。
飼育している動物についてお話ください
当牧場では現在、ヤギ(シバヤギ)とヒツジ(コリデール)をそれぞれ約30頭飼育しています。出産時以外は放牧がメインです。ヤギとヒツジだけを飼育している農場は、九州ではほとんどないと言っていいほど珍しいと思います。ヤギとヒツジは似たような動物だと思われがちですが、ヒツジはおとなしく群れで生活する動物なので、1頭との信頼関係ができればそのヒツジに皆ついてきます。これに対しヤギは少し活動的な動物で個別行動もします。120cmくらいの柵を平気で跳び越えるオスもいます。飼育する上ではやはり病気やケガをさせないこと。食べ過ぎや風邪、牛と同じく口蹄疫にも注意が必要です。
畜産の仕事に就こうと思った理由やきっかけについて
私は長崎県の県立高校で17年間、畜産を教えていました。農業高校には、様々な子供たちがおり、卒業後地元で動物関係の仕事が少ない状況にあります。動物に関する知識や意欲はすごいのに、他の教科はできないので、どうしても試験の点数が取れない子もいます。そのような子たちの仕事の受け皿を作れないかと考えた結果、この農場を始めたのが3年前です。ヤギとヒツジを飼育することにしたのは、大型の牛などに比べると小さくて、子どもたちが大ケガをするリスクが少ないからです。動物セラピー的な要素も兼ね備えた牧場にするのが夢です。
牧畜の仕事をする上で大変なことや抱えている課題は何ですか?
またその課題に対し、どのように向き合っていますか?
将来的には肉の生産に結びつけるため、今は頭数を増やしているところです。自然交配をしているので、ヤギのお産は年に2回、ヒツジは1回。肉の生産・流通に乗せるには80頭くらいまでにする必要がありますが、あと3年くらいはかかると思います。経営のことだけを考えれば人工交配というやり方もありますが、常日頃、子どもたちに季節繁殖の話をしているので、人工交配にはどうしても抵抗があります。アニマルウェルフェア(動物福祉)との考え方を大切に、教育ファームとしての機能も果たしていきたいと思っています。
牧畜の仕事をする上で、いちばんやりがいを感じることはどんなことですか?
頑張って育てたヤギやヒツジが出産をしてくれると、いちばんやりがいを感じます。堆肥を使ってバジルなどの野菜を育て、ファーム内の加工場で作ったバジルペーストと共に、近くの道の駅やネットで販売していますが、生産物を消費者の方が買ってくださることも励みになっています。また、動物との交流学習で笑顔になる子どもたちをそばで見られることも、いい息抜きです。動物と触れ合いは、子どもたちにとって情操教育にもつながります。
これからの目標と、就農希望者へのアドバイスやメッセージをお願いします。
まずは頭数を増やして、障がいのある子どもたちが働ける施設を作りたいですね。家畜の飼育だけでなく、野菜づくりや加工など、その子に合った仕事を組み合わせながら、大きくしていきたい。教育牧場として動物を使った教育でも収入を得ながら、新しい牧場の形を作り、収益を上げていければと思います。
畜産というと「汚い」「キツい」「臭い」ということばかり思われがちですが、そういうところだけではありません。確かに汚れるようにすれば汚れますが、大切なのは、その動物たちにとっての最適な環境を考えながら作ってあげることです。ヤギやヒツジには、他の牧畜とは違った可能性もあります。興味のある人は、ぜひ一度牧場を訪ねてもらいたいですね。

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