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中山間地域 農業の複合経営魅力物語 宮原ご夫妻

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中山間地域農業の複合経営魅力物語

01

北海道

Mt.ピッシリの森の国株式会社

宮原克弘さん・光恵さん

Mt.ピッシリの森の国株式会社の宮原さん
PROFILE 人物紹介PROFILE 人物紹介

栽培作物

そば、ジャガイモ、カボチャ、トマトなど

耕作面積

60ha

経営規模

本人

移住形態

Iターン

前職

貿易商社・植木職人

農地の取得

借地(一部購入)

就農までの期間

2年

移住した年

1995年

農業

×

農業

  • 多品目
  • 有機栽培
  • Iターン

アラスカでの生活を経て、大自然の中での自給自足の生活を目指すようになった宮原克弘さんと光恵さん。過酷な自然条件を有する北海道朱鞠内に移住し、60ヘクタールもの農地でそばと多品目の野菜を栽培する。朱鞠内では前例のない有機栽培に挑戦し、EM菌を様々な形で活用した独自農法を確立。

アラスカでの暮らしを活かし、極寒の地で前人未到の有機栽培を実現

朱鞠内は自然条件が北海道の中でも特に厳しい

朱鞠内は自然条件が北海道の中でも特に厳しい

移住を考えたのはいつごろですか?

夫と私の出会いはアラスカ。夫は人類としての暮らしは狩猟採集が基本と考え、先住民の村で冬の生活技術を学ぼうと村に入る直前でした。私は当時フリーのカメラマンでアラスカの自然と野生動物をライフワークにしていました。夫3冬、私は後半2冬を先住民の村で暮らし、自分たちの住みたいと思える場所をまずは日本で探すことに。

定期購入していた有機野菜がEM菌で。それから研究を

美味しくて安心安全な食べ物を子供たちにおなか一杯食べさせたい!

東京に戻り、夫は都内で植木職人をしていました。子育て中の私は子供たちに親として出来ることは何かを考えていて、健康な体を、そのためには食が大事なのではないかと自問自答していた時、夫が一冊の本を買ってきました。「わら一本の革命」。お前も読んでみて。読み終えたころ、夫は私に、農業はどうだ、と聞いてきました。

それぞれに考えていた方向が一致し、即農業をやろう、となり、具体的な移住地の条件を検討し始めました。下の子が生後3か月からキャンプしながらの移住地探しを開始。休日の度に関東、北陸、東北などを見て回り、本州には条件に合う土地がない、北海道になければ海外へと話し合いながら、2週間の北海道下見キャンプを決行。日本では唯一朱鞠内だけが私たちの住みたい場所でした。

有機JASを取得した畑も徐々に増えている

 

EM 菌を使いこなせたおかげで生き残れた

朱鞠内での農業は想像の10倍以上大変でした。農業研修を受けてはいても有機栽培農家がいない地域なので、慣行農法の技術がそのまま有機栽培で生かせることは多くはありませんでしたし、道内でも特に雪が多いため雪解けが遅く冬の訪れが早いという極端に夏が短いこの町では、商業栽培ができる作物も限られています。

土作りが何より重要な有機栽培で私たちは一番最初からEM菌を使いこなすことを模索してきました。私たちが取得した農地は町内北部地域で一番やせた土地。そんな土でも狭い限られた場所でしっかりEM菌を効かせると1年目でも良い作物が育ちました。EM菌は効くと確信を得た私たちは、どうやったら広い農地を有機栽培で使える土にしてゆくか、課題は明白でした。
けれどもそればかりに注力していては私たちの暮らしは土ができるまでに頓挫してしまう。慣行栽培で生活費を捻出し、有機栽培の土を少しづつ作ってゆく試行錯誤が続きました。
就農当初20haだった農地は離農する方の農地を引き受けることで現在60haになりました。そのうち56haは地域の特産である幌加内そばを栽培しています。6年前から有機栽培でのそばを作り始め、4年前から有機JAS認証圃場で育てたそばだけを使った十割乾麺の加工品の販売も始めました。

幌加内そばは町のブランド品で、収穫直後に施設に持ち込むだけ

現在、ジャガイモ、カボチャ、トマトなど、数10種類の有機野菜を栽培していて、2018年に有機JAS認証を取得。有機栽培への転換圃場も少しづつ増やしています。しかし、私たちの農地はダムのすぐ下にあるため、大雨のたびにダムの放水で畑が水没し、何百万と借金を抱えることになるので、正直生活はカツカツです。

朱鞠内の自然と深く関わって生きる。森の木々、大小さまざまな動物たち、山菜やキノコ、昆虫や膨大な数の微生物たち、動物も植物も皆逞しくひたむきにその生を生き抜いている姿に、私たちは感動し勇気をもらい、自らもまた精一杯知恵と勇気をもってこの地の自然と深く関わりながら生き抜く。そんな毎日を世界中の若者たちが興味をもって体験しにやってきます。

青年就農給付金は私たちが提案

EMたい肥を活用した独自の農法を確立

日本で一番厳しい環境で農業をやっている私たちが最低限必要な金額

2010年に当時の鳩山首相が「国民の皆さんと直接お話したい」ということで首相官邸でリアル鳩カフェという交流会が開かれました。そこに参加する際、内閣府とのやり取りの際に新規就農者への支援の必要性をメールでお伝えしました。月の生活費として10万円を12か月分、田舎での生活に必要な車の維持費と車検代として30万円を合わせた150万円を新規就農者への給付金として出すべきだと提案したんです。

強いこだわりがあるのなら、それは大切にすること。ビジネスとしての農業であれば、慣行栽培ならやりたい作物がある場合それに強い産地を選ぶ。有機農業なら有機農家さんがいる場所がいい。断然やりやすいです。

取材・文=乾祐綺 写真=乾祐綺 編集=養父信夫

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