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【農業】先輩インタビュー

先輩インタビュー
農業

自然とともに生き、
暮らす農業という生き方

山ぶどう農家・養豚業 佐藤嘉美(さとう・よしみ)さん

自分らしく、自分のペースで
仕事ができる楽しさ

 若い頃、海洋土木の仕事に就いていたわたしが生まれ育った野田村に戻ったのは、仕事の不安定さや大しけの怖さを知ったことが理由です。陸での仕事を探していたとき、当時、村内で盛んに行われていた養豚業に友人が誘ってくれたことを機に就農しました。生き物相手の仕事は過酷で休みがないと思われがちですが、それには大きな誤解があります。農業は会社勤めとは違って、作業内容も時間も、自分で決めることができる職業です。

佐藤嘉美さん画像

もちろん大変なこともありますが、がんばった分、そして手をかけた分だけ成果として返ってくる楽しさとやりがいがあります。何より、自然、そして生き物相手の農業は四季や命を間近に感じながら仕事ができる喜びを体感することができます。自分らしく、自分のペースでストレスなく仕事がしたい。そんな働き方を求める人にぴったりな仕事、それが農業だと思います。野田村での暮らしは最高ですよ。春は山菜採り、秋はキノコ採り、海の幸も山の幸もあります。自然を愛する人はぜひ、この雄大な自然を“わが家”に、暮らしてみませんか?

農業に楽しさを見いだすこと。
たとえば「山ぶどう」

 養豚のほか、2001年からは野田村の特産品である「山ぶどう」を約90aのほ場で栽培しています。岩手県は全国の約6割を占める山ぶどうの産地で、野田村は冷たい霧を含んだ冷涼な北東の風「やませ」によって、質が高く糖度の高い山ぶどうが育つ地域として知られています。養豚業の副業としてはじめた山ぶどう栽培ですが実は、はじめた頃は苦手でした。

佐藤嘉美さん画像

それが変わったのは、ぶどう畑の風景を美しいと感じることができたからです。季節ごとに表情を変える葉の色、可憐な花、そしてぶどうの実。 自然が織りなす豊かな移ろいの中で汗を流し、作業をする農業は、「なんて贅沢な仕事なんだろう」と、“楽しい”と思うことができました。夏の暑さや冬の寒さ、気候によって左右される収穫量。養豚同様、山ぶどう栽培も大変な面はあります。それを楽しさに変えるのは自分次第。品質向上のための研究やワインをはじめとした加工食品への挑戦など、その可能性は無限にあります。農業をやってみたいけれど経験がないから不安、という人も、野田村なら大丈夫。経験豊富なファーマーたちがしっかり指導しながら独立就農に向けたサポートをしますよ。

佐藤嘉美さん画像

山ぶどう栽培の大変さ・難しさ

山ぶどうは野山に自生する作物なので、放っておいても育つと思い栽培をはじめましたが、それが大きな間違いでした。栽培技術が確立するまでの2 〜3年は収量が安定せず、マイナスの年もありました。苦い経験を経て、生産者一人ひとりが努力を重ねたことで、現在は10アール=1 トンの収穫ができるまでに。この技術を伝え、担い手育成に尽力することがわたしたち生産者の次なるステージです。2016年に「涼海の丘ワイナリー(すずみのおかわいなりー)」が完成し、ワインとともに山ぶどうの価値も上がっています。収量が上がるとそれだけ収穫や調整・管理作業などの人件費がかかるため、このバランスが営農の難しさだと思います。

資金面のお話

野田村の山ぶどう栽培は休耕地対策として始まった経緯があります。そのため当時は資材や設備は行政の支援を受けることができました。現在は国や自治体の補助制度を受けながら営農をする方が多いようです。収入が安定するまでは他の圃場(ほじょう)を手伝いながらワイナリーでの醸造作業などで収入を得るといった方法もあります。また、農業従事者の高齢化により、離農する人が一定数いるのも事実です。離農した生産者から圃場や資材を借り受けることができれば、補助金と合わせて活用し初期投資を抑えることも可能です。

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