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『第六回 やまなしオンライン就農座談会』開催レポート

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

『やまなしオンライン就農座談会』
ARTICLE 06
12/10開催
イベントレポート

2022年12月10日(土)、本年度3回目の『やまなしオンライン就農座談会』が開催されました。はじめに県の担当者から山梨県の農業と就農・移住制度の案内があり、今回は特別に5町村から地域農業の特色が紹介された後、先輩就農者の圃場と中継を繋いで就農のリアルに迫る座談会を実施。その模様をダイジェストで紹介します。

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収穫中の圃場から生中継!先輩就農者のプロフィール

雲ひとつない青空の下。北杜市の収獲真っ只中のキャベツ畑から、山梨県密着YouTuberのあさひまるさんがリポート。野菜農家の萬洲克彦さんが紹介されました。農業歴は雇用就農期間を含めて8年、独立就農して4年目になります。面積4haで20〜30万玉のキャベツを従業員と2人で栽培しています。寒さに耐えたキャベツは甘さとみずみずしさが特徴です。

    

続いて、南アルプス連峰を臨む市川三郷町から野菜・水稲農家の杉山成江さんです。畑では長さ1mにもなる大塚ニンジンを収獲中。火山灰土だからこそ栽培できる地域の特産物で、収獲時には重機で畝間を掘って手で引き抜きます。このほか、トウモロコシ、ナス、野沢菜、ちぢみほうれん草など少量多品目を通年で栽培し、圃場面積は田と畑で2.5ha。就農11年目で夫・母との家族経営です。

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トークセッションでお金のリアルに迫る

参加者の投票によって選ばれた質問の第1位は、収入と支出について。就農前後でどう変わったのかを聞いてみました。萬洲さんは農学部卒業後、新卒で農業法人に就職して給料は手取りで20万円前後。「独立就農して1、2年目は稼げなかった」そうですが、青年就農給付金(現・経営開始資金)を活用して乗り切りました。「3年目以降は安定するようになった」と明かしてくれました。
杉山さんは、夫が会社員だったので小規模に農業をスタート。就農3年目に夫が会社を辞めて一緒に農業をやるようになって当面は厳しく、安定するまで5年かかったそうです。

また、就農に向けて貯金はしていなかった杉山さん。農業をしていた父親の機械を譲り受け、県の補助金やリースでその他の機械を手に入れました。
萬洲さんも、ほぼ貯金はなし。新規認定就農者になり、日本政策金融公庫から無利子で借り入れた資金を元手に経営を始めました。「将来の仕事として収入や自分の時間を作るうえで魅力的に感じて、農業経営を選んだ」とも話してくれました。

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理想とのギャップも聞いてみたい

最後のテーマは恒例となった理想とのギャップ。萬洲さんは「学生時代は農業を甘くみていました」と言います。農業はのんびり田舎暮らしで人付き合いは少ないイメージがあったものの、実際はすごく忙しく、平均朝4時から仕事をし、早い時には午前1時に起床することもあるそうですが、「自分でなんでも決めて挑戦できる楽しさとやりがいを感じている」と答えてくれました。
杉山さんは、子どもの頃に父の畑を手伝って「農業は絶対にやるもんか」と思ったそうです。それが父の急逝で一転。さらに夫も就農したことで農業が収入の柱となり、大学に通う子どもがいるため規模を広げているとのこと。「結果、どっぷりと浸かっていますが、頑張れば収入を増やすチャンスがあり、自分で計画を立てて時間を使えるのは農業のいいところ」と語ってくれました。

参加者からは「農業で一人前に食べられるようになるまでどのくらいかかったか」との質問。萬洲さんは「一般家庭の平均年収400〜500万円に行くまでは4〜5年。それはビジネスとしての信頼を勝ち取るまでの時間で、畑を借りるのも、物を売るのも信頼です」と力強く答えてくれました。萬洲さんのキャベツは卸売会社への出荷で、大手のコンビニ、レストラン、ファストフードでも使われています。杉山さんは、JA出荷、直売所、近年はネット直販が伸びているとのこと。信頼の大切さに納得です。

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参加者の声

今回のイベントには、東京をはじめとする首都圏、中部・東海を中心に、東北から九州までの広域から38人の就農希望者が参加。子どものいる家庭からの参加が約半数と、移住への関心の高さがうかがわれます。座談会後のアンケートでは、「お金のことや農業の大変さも正直に話してくれた」ことが参考になったとの声が多数あり、「先輩農家さんが楽しそうに話していた」ことで就農意欲を高めた人も。「県の就農支援の手厚さ」にも関心が寄せられていました。参加者の約90%が「イベントに満足・とても満足」、約85%が「山梨県で就農したいと思う・すごく思う」と回答しました。山梨に足を運んだり、情報収集を進めるきっかけになったようです。
山梨での就農に興味のある方は、ぜひ相談窓口の山梨就農支援センターへ。オンラインでも相談を受け付けています。

お問い合わせ

農業に興味がある方、山梨県に移住したい方はこちらよりお問い合わせください(山梨県HPにジャンプします)。

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