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『第七回 やまなしオンライン就農座談会』開催レポート

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

『やまなしオンライン就農座談会』
ARTICLE 07
10/7開催
イベントレポート

2023年10月7日(土)、本年度第1回目の「やまなしオンライン就農座談会」が開催されました。はじめに県の担当者から山梨県の農業と就農・移住制度の案内があり、先輩就農者の圃場と中継を繋いで就農のリアルに迫るオンライン座談会を実施。その模様をダイジェストで紹介します。

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畑から生中継、先輩就農者3人を紹介

甲府盆地の南に位置する市川三郷町からは、独立就農2年目の塩島和誌さん(左)と(株)アグリ甲斐入社2年目の関野夢歩さんです。 関野さんは農業高校・農林大学校を卒業し、公務員を経て同社に入社。スイートコーン(甘々娘)、ナス、ブロッコリー、キウイフルーツなどを生産する傍ら、広報も担当。 塩島さんは通信系の企業に就職し、東京勤務を経て市川三郷町にUターン。アグリ甲斐に入社して栽培技術を身につけて独立し、特産のスイートコーン(甘々娘)を中心に、今回の中継先の野沢菜、ナスを栽培しています。

    

続いて、巨峰の里、山梨市牧丘町からは、就農4年目の八重畑佑一さんです。出身は青森県で、大分県の果樹園で働いて栽培を学び、消費地に近い山梨県へ。農林大学校職業訓練科の果樹コースに通い就職後、独立して巨峰をメインにシャインマスカットなどを栽培。クイーンニーナ、マイハートの苗木も育てています。

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トークセッションで収支の実情に迫る

就農のリアルを先輩就農者に直撃。出席者の投票で上位3つの質問をしました。まずは、就農前後で収入と支出はどう変わったか。公務員からアグリ甲斐へ雇用就農した関野さんは「お給料をもらう立場なので変化はない」が、生産法人ではハネ出しがもらえて野菜を買う頻度は減ったとのこと。塩島さんは、会社員時代の安定収入から一変。「独立1年目は資材代などで赤字。2年目から少し儲けが出る見込み」。
農業に関わる前の八重畑さんは東京暮らしの学生でアルバイト収入のみ。食費などにお金が消えていましたが、「牧丘では野菜やジビエをもらえる上、家賃が高くないので生活費の支出は減った」とのこと。しかし「農業支出が多いので面積を増やして収入を上げたい」と奮闘中です。

参加者からもチャットで次々と質問が寄せられました。「機械の準備に使える補助金はありますか」との問いに、塩島さんは経営開始資金を活用して年間150万円の給付を受け、八重畑さんは補助金は使わなかったものの、2人とも「中古農機を安く譲り受けた」と地域や法人の支援に感謝。
「生活費はどのように確保しましたか」との問いに、八重畑さんは「最初の2年間は山梨県の果樹試験場と兼業」。塩島さんは「草刈りや溶接のアルバイトもして生活費に充てた」と明かします。関野さんへは将来設計の質問があり、「夫の実家へ親元就農で独立も考えている」とのこと。多様な就農スタイルも見えてきました。

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貯金はいくら必要か。実例に学ぶ

次の質問は、理想とギャップについて。八重畑さんは、農薬を使わない野菜の自給自足も考えましたが、収入を得る難しさを知り断念。縁があって訪れた牧丘町がぶどう産地だったことからぶどうで就農。「思い描いた暮らしではないが楽しい」と話してくれました。
「独立後のギャップはさほど感じていない」と言うのは塩島さんです。それもアグリ甲斐で農業の大変さも経験してきたからです。関野さんは、「農作業は高校や農大の実習で経験したけれど、生産現場での仕事は比にならないほど体力が必要でした」と振り返ります。2年目はサイクルもわかり、1年目よりもだいぶ楽に感じているそうです。

最後に、貯金はどれくらい必要か。独立就農した2人に聞きました。八重畑さんは貯金ゼロで大変だった経験から、「農業と生活の両方で貯金はあればあるほどいい」とアドバイス。塩島さんも「貯金はあるに越したことはない」と八重畑さんに同感。独立時、農業用口座に150万円を入れていましたが、1年目は経費が500万円かかって赤字。ぜんぜん足りずに貯金を切り崩し生活費から持ち出したそうです。他では聞けない先輩就農者との本音のトークセッションは、時間がいくらあっても足りないほど盛り上がりました。

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参加者の声

今回の座談会には、東京をはじめとする首都圏、関西、中部地方を中心に、東北から九州・沖縄までの広域から63人の就農希望者が参加。子どものいる家庭が4割を超え、移住への関心の高さもうかがわれました。
座談会後のアンケートでは「独立資金や収支などお金のことをリアルに話してもらえて参考になった」という声が多数。若手農家の奮闘ぶりに刺激を受けた人も。また「いろいろな就農パターンがあることがわかった」や「雇用就農や学校に通って就農するのがスムーズに思えた」など、自分に合った就農方法を考えるきっかけにもなったようです。「県の就農・移住の支援制度」にも関心が寄せられ、参加者の約80%が「イベントに満足・とても満足」、約85%が「山梨に就農したいと思う・とても思う」と回答。情報収集を進める、移住相談窓口を訪れるなど、アクションに繋がりそうです。
山梨での就農に興味のある方は、ぜひ相談窓口の山梨県就農支援センターへ。オンラインでも相談を受け付けています。

お問い合わせ

農業に興味がある方、山梨県に移住したい方はこちらよりお問い合わせください(山梨県HPにジャンプします)。

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