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『第八回 やまなしオンライン就農座談会』開催レポート

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

『やまなしオンライン就農座談会』
ARTICLE 08
11/11開催
イベントレポート

2023年11月11日(土)、本年度2回目となる「やまなしオンライン就農座談会」が開催されました。県の担当者から山梨県の農業と就農・移住制度の案内がされたのち、先輩就農者と中継を繋いで畑や農場の様子を拝見しながら、就農のリアルに迫るオンライン座談会が実施されました。その模様をダイジェストで紹介します。

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畑・農場から生中継、先輩就農者の農業ライフ紹介

1人目の先輩就農者は、甲府市のナス畑から、野菜・果樹農家の菅沼祐介さんです。移住9年目、就農8年目になる菅沼さんは、圃場面積を当初の25aから約10倍の2haへ拡大。ナスのほか、トウモロコシ、スモモ、カボチャ、水稲など、約15品目を栽培しています。今回はナスの収穫を実演して鮮度を保つ豆知識を伝授。アウトドアが趣味でオフタイムにはスキー、キャンプ、釣りを楽しみ、温泉で英気を養っているそうです。

    

2人目は、北杜市の山裾の農場から、養鶏農家の徳光康平さんです。就農8年目の徳光さんは、約600羽のニワトリを鶏舎で放し飼いにして採卵しています。東京でアパレル店員をしていましたが、有機農業協力隊として山梨県へ。北杜市内で養鶏の研修を受け、有機農業と畜産の農畜複合農業を目指して独立。ジャガイモや水稲などの作物にもチャレンジし、体験イベントを開くなど、地域の農業にふれる人を増やす取り組みをしています。

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トークセッションでお金のリアルも質問

先輩就農者とのトークセッションでは、参加者の投票で選ばれた質問で、就農のリアルに迫ります。まず、最も投票数が多かった「就農から現在までの収入・支出の変化」を聞きました。「就農当初は地域との関係づくりが優先で自分の農業に時間を割けなかった」と話す菅沼さんは、生産が軌道に乗った今では当時と比べて3、4倍の収入に。スタート時には研修先から機械を借りて支出を抑える工夫をしたそうです。
「収入と支出の両方が下がった」と話すのは徳光さんです。生活コストは明らかに都内よりも低く済んでいて、野菜や食料品のお裾分けも多いそうです。菅沼さんと同様に、就農当初は地域の方々と良好なコミュニケーションを築くことが大事だったとのこと。後に販路を開拓した個人向けの定期便が安定的な収入になっているそうです。

次の質問は、就農にはいくら貯金が必要か。徳光さんはいくらかの貯金があり、自己資金と日本政策金融公庫が扱う無利子の青年等就農資金をもとに開業。返済が終わり、次の融資も検討中。菅沼さんは、新卒で貯金がない状態で就農。資金は研修先の農家に相談して、就農準備資金・経営開始資金があることを知り、活用したそうです。

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チャットで飛び入り質問、農地の確保や苦労話も聞いてみた

ここで、参加者からチャットで菅沼さんへ農地の確保について質問です。「最初は研修先の農家さんしか貸してくれなかったけど、一生懸命やっている姿を見て貸したいという人が増えた」と菅沼さん。農地は買うより借りたほうが安いとアドバイスしてくれました。
最後の質問は、一番大変だったこと。徳光さんは「天候と体調」との答え。就農した最初の年に-15℃の寒波が到来。水道が凍ってニワトリに水をあげられなくて、近くの沢からバケツで水を汲んで鶏舎に運んだことや、自分が発熱して苦しくてもニワトリの世話は休めないことなどを挙げてくれました。

菅沼さんは、「断るのが苦手で苦労した」と言います。頼まれごとを上手に断って自分の農業ができるように適度な距離感も必要と話してくれました。苦労は精神力で乗り越えるものではなく、「その仕事が好きという気持ちがあれば乗り越えられる」と徳光さん。就農を希望している参加者の皆さんもこの言葉に納得です。農業を始めるために大事なことは「全部を詰め込みすぎず余裕を持つこと」と菅沼さん。徳光さんが「なぜ農業をしたいのかを自分自身にずっと問いかけることが必要なんじゃないかな」と締めくくってくれました。

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参加者の声

今回の座談会には、東京をはじめ首都圏を中心に、関西や沖縄、山梨県内からも就農希望者35人が参加しました。子どものいるご家庭が約38%と、移住就農への関心の高さがうかがわれました。座談会後のアンケートでは、「先輩就農者のいきいきとした姿を見て、山梨が好きで仕事をしていることに憧れを感じた」「農業が好きでやることが大事だとわかった」など、先輩就農者の農業への姿勢を賞賛する声が目立ちました。また、「農業を始めた頃の話を聞けて参考になった」「多くの支援があることがわかった」など、新規就農をイメージできる座談会となりました。山梨での就農志望度が高まって、「オンラインだけでなく就農・移住のイベントにも足を運びたい」など、次のアクションにつながりそうです。
山梨での就農に興味のある方は、ぜひ相談窓口の山梨県就農支援センターへ。オンラインでも相談を受け付けています。

お問い合わせ

農業に興味がある方、山梨県に移住したい方はこちらよりお問い合わせください(山梨県HPにジャンプします)。

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