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『第九回 やまなしオンライン就農座談会』開催レポート

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

『やまなしオンライン就農座談会』
ARTICLE 09
6/22開催
イベントレポート

2024年6月22日(土)、本年度1回目の「やまなしオンライン就農座談会」が開催されました。県の担当者から山梨県の農業と就農・移住制度が案内されたのち、先輩就農者と中継をつないで畑の様子を拝見しながら話をうかがい、就農のリアルに迫る座談会が繰り広げられました。その模様をダイジェストで紹介します。

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畑・農場から生中継、先輩就農者の農業ライフ紹介

最初の中継は、笛吹市の甘い香りが漂うモモ畑から、就農7年目の青木祥子さんです。大阪出身の祥子さんは、以前は接客業に携わり、雇用就農で醸造用ブドウ栽培に従事することをきっかけに山梨県へ。その後、生食用ブドウとモモの栽培で独立就農していた夫の竜一さんと出会い、農園の手伝いを重ねるうちに結婚。夫婦二人で合同会社HOPE園を経営し、モモ20品種、ブドウ13品種を栽培し、JA出荷に加え、ネット直販や加工品の販売も手がけています。
今は、生後10か月の息子との3人暮らし。休日には、家族で富士河口湖方面や隣町の知人を訪ねるなどコミュニケーションを大切にしています。中継では、モモの収穫を実演してくれました。

    

続いては、中央市のトウモロコシ畑から、独立就農5年目を迎えた平野嘉朗さん(よしろーさんちの農園代表)です。地域の特産品であるスイートコーン「ゴールドラッシュ」をメインに、裏作にはキュウリのほか、新たにモモやキウイフルーツを加え、通年の出荷体制を整えています。埼玉県出身の平野さんは、大学卒業後に海外支援活動、会社員、小学校教師を経て、農業への思いを胸に中央市へ移住。県の制度を活用して2年間研修を受けて独立しました。
現在は、妻が2歳と3歳の子どもの育児中で、多くの農作業を一人でこなしながらも、子どもと公園やプールに出かけたり、農閑期には実家や知人の元を訪ねるなど、家族との時間を確保しています。

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なんでも質問OK、先輩就農者のトークセッション

トークセッションには、青木祥子さんの夫・竜一さんも合流。参加者からチャットで寄せられた質問に答えます。
まず、就農前後のギャップについて、祥子さんは「想像以上に体力勝負だった。モモは発送に神経を使い、出荷期は夜まで働くこともある」と話します。平野さんは「収入面の不安が大きかったけれど、次第に農業の形ができ、生活はそれなりに安定してきた」といい意味でのギャップを語り、「体力も必要ですが、農業やっているうちに自然と筋力がアップした」と話します。
関連して「一番大変だったことは?」との質問に、竜一さんは「農業大学校を卒業後、農業法人に勤めながら自分の畑も増やしていた時期。どちらも繁忙期が重なり、本当にきつかった」と回想。平野さんは「キュウリは早朝と夕方に収穫・出荷があり、その間にも管理があり、それが1カ月続くのは特にしんどい」と話しつつ、「大変だけど小面積かつ短期間で稼げる作物としての魅力はある」と現実的な面も語ってくれました。

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就農前後の収入のリアルも聞いてみた

就農初年度の収入について平野さんは、「就農初年度に良い作物ができれば一気に大きな収入がある反面、できなければ厳しいことを経験できた」と話し、「2年目は畑の拡大で資材費がかさみ、県の支援制度に助けられた」と振り返ります。祥子さんは「山梨ではJAの高単価なブドウの出荷価格に支えられている点も大きい」と話します。
就農に必要な貯金について、青木夫婦は「100万円あれば」という意見。祥子さんは雇用就農のため、貯金を意識せずスタートできたそうです。平野さんは「貯金は少なかったが、機械は先輩農家に借り、家賃も破格だったので初期投資は抑えられた」と言います。
「山梨で農業をうまく続けるには?」との問いに、祥子さんは「挨拶は基本。毎日畑に出て頑張る姿を見てもらうことが信頼につながる」と話し、平野さんも「技術は自然と身に付くので心配ない。地域の人との関わりが農地や家を見つけるきっかけになる」とアドバイスを送ってくれました。

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参加者の声

今回の座談会には、東京・神奈川・千葉・埼玉などの首都圏を中心に、東北、北陸、東海、近畿、中国、九州、そして山梨県内からも、就農を検討している38名が参加しました。そのうち約42%が子育て世帯であり、移住就農への関心の高さが窺われます。
座談会後のアンケートでは、「体験談がリアルでイメージしやすかった」「先輩農家と支え合う関係が印象的だった」「土地に合った作物選びの重要性がわかった」などの声が寄せられ、参加者の88%が「満足」または「とても満足」と回答。「情報収集を進めたい」「相談窓口を訪れたい」「農業体験に参加したい」などのコメントも多く見られました。
また、終了後の交流会(希望者のみ)では、「土質に合った作物の選び方」「旅行時の畑の管理」「規模拡大や加工販売の考え方」「注目の品種」、そして「当初のイメージ通りに進んでいるか」など、具体的な質問が多く寄せられ、参加者の熱意が伝わる場となりました。
山梨での就農に興味のある方は、ぜひ相談窓口の山梨県就農支援センターへ。オンラインでも相談を受け付けています。

お問い合わせ

農業に興味がある方、山梨県に移住したい方はこちらよりお問い合わせください(山梨県HPにジャンプします)。

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