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果樹農家 増田 浩也さん・志保さん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 08
果樹農家
増田 浩也さん・志保さん
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山梨県に移住就農したきっかけ、経緯は?

浩也:元々は食品会社に勤めていました。業務の一環でレポートを書くためのテーマとして、たまたま山梨県農業大学校の週末農業塾を見つけて「モモコース」に参加しました。講師の方がとても温かく迎えてくださり、山梨に惹かれました。モモが好きで栽培したいという思いが強くなり、就農することを決めました。

志保:主人は歴史が好きで山梨は史跡めぐりドライブでよく訪れていたので親近感がありました。勝沼の一面に広がるブドウ棚やモモの花の素晴らしい風景を見たとき、この景色の中で暮らせたらいいなと胸が熱くなりました。その思いが私にとってのきっかけです。甲州市のお試し住宅制度で、実際に宿泊して生活の雰囲気や環境がとても良く、ここに住もうと決めました。子どもは現在10歳、6歳、4歳ですが、一番上の子が小学校に上がるタイミングで甲州市に移住しました。

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移住就農するにあたり、不安はありませんでしたか?

志保:夫婦間で山梨に行く・行かないで揉めたことはなかったですね。不安もなく”行って頑張ればなんとかなる”という感じでむしろ面白そうだと思いました。

浩也:やはりお金の面は不安でした。就農前は実家に住んでいたので若干貯金はありましたが、いざ会社を辞めるとお金は出ていく一方でした。まだ農業の収入がないうちに前年の収入に応じた年金、保険金、住民税などの支払いがあり、数十万円の請求書を見て言葉を失ったのを覚えています(笑)。新規就農は農業機材を揃えるにもお金がいるので、ある程度の貯金はしておいたほうがいいと思います。

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栽培技術はどのように習得しましたか?

浩也:2018年に甲州市へ引っ越して、山梨県立農業大学校の職業訓練農業科に4月から翌年1月まで通い、同年の3月から翌年3月まで、農業次世代人材投資資金(準備型)を利用してもう一年間、農家さんのところで研修させてもらいました。

志保:私は2019年1月から1年間、甲州市の就農定着総合支援制度で、市内3軒のモモ農家さんで準備研修を受けさせていただき、必要な技術や農家さんの時間の使い方を学ばせてもらいました。

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農地はどう探しましたか?

浩也:研修先の方と現在の畑の園主さんとのつながりで、40aの研修畑を就農時に継続してお借りすることができました。研修時に収穫以外の管理をほぼ任せてもらって翌年この畑を自分がやることをイメージできました。他の圃場は、自分が入っている地域の「組」の方から斡旋していただき、現在は75aでモモ約10品種。ブドウはピオーネと巨峰を栽培しています。

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果樹栽培のやりがい、嬉しかったエピソードは?

浩也:果樹は1年1回成績がでるところですね。天候に左右されるので難しく、2020年は長雨の影響で、朝、圃場に来てみるとほとんどの実が落ちていたこともありました。成績の良い農家さんに技術的なコツを教えてもらったり、同じ品種をつくっている農家さんを参考にしながら試行錯誤しています。

あとは一から十まで自分たちでできることも面白いです。出荷はJAがメインですが、親戚知人で送ってほしいという人に年間60~70件対応しています。自分たちがつくったモモを食べて喜んでもらえるのは、やっぱり嬉しいですね。

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山梨県での生活、子育て環境はどうですか?

志保:懐に入ると世話をやいてくれる方が、山梨にはすごく多いです。都会では隣に誰が住んでいて、何の仕事をしているかわからないけど、こちらではどこの誰さんかわかるので、子どもを育てるには安心な環境だと思っています。

商業施設ではなく山や公園など遊ぶ場所がたくさんあります。家の庭でバーベキューをしたり、畑にシートを敷いて持ってきたおにぎりを食べたり、もらった竹で流しそうめんをしようとか、規格品外のモモでジュースをつくってみようとか、素材はあるので子どもが工夫する心を持ち想像力が豊かになると思います。

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今後の目標をお聞かせください

志保:農業で子どもを学校に行かせて大きくするという目標は、ここへ来ると決めたときから持っていました。新たにモモの苗木を植えた圃場もあり、子どもの成長とともに育つのが楽しみです。

浩也: 3年目は年間の収支をトントンにしたいです。夫婦二人三脚で頑張っていければと思っています。

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就農希望者へメッセージ

志保:移住するにも、就農するにも、地域の方とのつながりが大切です。私たちもたくさんのご縁があって、移住でき、農地を見つけ、就農することができました。いろいろな支援制度を通してできるご縁もあるので、ぜひ活用をおすすめしたいです。

浩也:農業は、計画を立てたり、課題に気づくなど、自己管理できる人に向いていると思います。地域に馴染むことも大事です。わからないことがあれば自分から相手の懐に飛び込んでいくと親身に教えてくれます。
農地に関して言うと、地方には耕作放棄地が多いと報道されていますが、甲州市は果樹栽培が盛んなので、むしろ借りられる農地は限られています。地域の方と情報交換すれば畑がまわってくると思います。

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