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水稲農家 名執雅之さん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 13
水稲農家
名執 雅之さん
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山梨県に就農したきっかけ、経緯は?

生まれも育ちも富士川町です。まさか自分が農業をやるとは思いませんでした。山梨県立農業大学校(現:農林大学校)を卒業後、JAに就職して営農指導員として地域をまわっているときに、富士川町で230年続く酒蔵、萬屋酒造店の社長から生産者の高齢化で酒米の作り手がいなくなるという悩みを聞いて、それなら自分がやろうとJAを退職。離農する方から田んぼを引き継いで酒米作りを始めました。
冬期は蔵人として、その酒蔵にうちの社員と二人で勤務しています。仕込みの手伝いをしていますが、酒は一滴も飲めません。

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栽培作物と販路は?

約14haの圃場の内訳は、酒米10ha、飼料米3ha、食用米1haです。酒米(酒造好適米)は、山田錦、美山錦、玉栄、吟のさとを栽培しています。生産した酒米はすべて萬屋酒造店へ卸しています。バイヤーの話によると、酒を稲から醸造まで手がける人はあまりいないそうで、生産者の顔が見える商品を売らないかと声を掛けられることもありますが、自分から発信することはあえてしません。
飼料米は県や関東農政局を経由して地元の養鶏場で使用。食用米は一般市場には出していないので、販路は完全にBtoBですね。

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農業を始めて苦労したことは?

雑草との戦いです。元々の所有者が高齢で管理しきれなくなった圃場を引き継いだので、最初はヒエだらけ。春に耕してすき込むこと5年、ようやくきれいな田んぼになりました。
栽培面ではスケジュール管理に苦労しています。酒米は心白(中心の白い部分)が必ず入るように施肥や水管理をします。特に穂が出てからの管理が重要で、積算温度を計算して緻密に刈り取りのスケジュールを立てることが必要で、食用米よりも気を遣うことが多いです。

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農業のやりがいは?

楽しいですよ。果樹農家だった祖父は毎日忙しそうで、自分は絶対にやりたくないと思っていましたが、機械化されている米作りは性分に合っていました。点在する田んぼは趣味のバイクで見回りしています。
4年前に社員が入って事業が広がりました。弟も手伝ってくれていて、田植えや稲刈りは、同級生の果樹農家が機械のオペレーターとして入ってくれます。彼らがいなければ、今の面積(14ha)はできなかったでしょう。

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今後の抱負をお聞かせください

受託作業も増え、水田を耕作放棄地にしない取り組みと酒米作りの活性化で、山梨日日新聞社等が主催する山日YBS農業賞のチャレンジ賞をいただきました。
畑もやらないかという話もあるので、地域の特産品として地産地消でミニマムに需要のあるものを供給するサプライチェーンを目指しています。

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地域の環境はどうですか?

周囲を見ると、結構クセの強い人が多いかもしれません。でも、顔見知りになれば、困りごとがあるときに相談や手助けしてくれる人がたくさんいます。生活の不便はないし、市街地から少し行けば山や峡谷などの自然も豊かで温泉もあります。仕事終わりや休憩時間にサウナに行けるのが気に入っています。

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資金面でアドバイスできることは?

米農家は機械の導入に多額のコストがかかりますが、悩むぐらいなら新規就農者への支援制度を上手に使ってやってみたほうがいいと思います。旧青年就農給付金(現:新規就農者育成総合対策)は、私も活用しました。農業に必要な機械は新品を買って大切に使うこと。中古は長く使えないし、故障したら部品がないことが多々あります。備品などは勢いで買ってしまうことがなくもないですが、来年のことはわからないので、今必要だと思ったものは買います。

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就農を希望される方へメッセージ

自然を相手にのんびり農業をするスタイルもありますが、適当な人には無理な仕事です。特に経営は適当にはできません。
何か新しいことをやりたいと思ったときは、県に相談すればいろいろな形で支援してくれます。例えば、試験栽培をさせてもらって新たな酒米品種の導入につながることもあります。山梨県、生産者、酒蔵で「峡南地域銘酒づくり協議会」を立ち上げて酒米生産と酒造を推進するなど、県と関わりを持つことでビジネスが広がっていきます。山梨で農業にチャレンジしませんか?

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