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野菜農家 関野夢歩さん 塩島和誌さん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 21
野菜農家
関野 夢歩さん
塩島 和誌さん
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山梨県に就農したきっかけ、経緯は?

関野さん:山梨県立農林大学校(以下、農大)に進学して生産をメインに学んできました。卒業後は農業職の公務員として勤めていましたが、生産を離れて改めて自分がやりたいのは畑仕事だと気づきました。農大でお世話になった先生から紹介していただいたアグリ甲斐が、市川三郷町で担い手を育成していることを知り、すごい会社があると思って転職を決めました。夫から猛反対されましたが、振り切る形で入社しました。今では前の職場より元気そうだねと言ってくれています。
塩島さん:山梨県内で通信系の企業に就職しましたが、東京転勤で仕事がデスクワークに変わり、パソコンの中で数字を扱うよりも、個人で何かを作り、売ってお金にする仕事をしたいと思うようになりました。地元の市川三郷町に帰って何かできないかと考えたとき、スイートコーン(甘々娘(かんかんむすめ))の産地で農業者が多く、若い移住者もそれで生計を立てているので、農業という選択肢が浮かんできました。 JA西八代や市川三郷町などが出資して設立された法人で、非農家からの独立就農を支援している株式会社アグリ甲斐が実家の近くにあり、働きながら勉強させてもらえば、独立しても自分で作れるようになるだろうと考え、2年間の雇用就農を経て独立就農しました。

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栽培品目は?

関野さん:市川三郷町では通年で露地栽培ができます。アグリ甲斐でも地域の作型どおり、6月に特産品のスイートコーン(甘々娘)の収穫を終えた畑で、抑制ナス、野沢菜、水稲、大塚ニンジン、キウイフルーツなど約20品目を生産しています。担当する作物は決めずに、先輩社員に教わりながらその時々に応じた作物の管理を行いますが、独立後の栽培品目が決まっている人は、その作物の管理をメインに担当するなど、フレキシブルに対応できます。
塩島さん:地域の作型に合わせて、スイートコーン(甘々娘)、抑制ナス、野沢菜を栽培しています。夏に果樹を栽培する人もいますが、自分は栽培していません。アグリ甲斐と同じサイクルで1年の動きがわかっていたので、初年度も大きな失敗なく無事に収穫できました。スイートコーンとナスは全量JA出荷、野沢菜は漬物製造会社に卸しています。

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農地や機械について

関野さん:アグリ甲斐の卒業生は、相談をすれば独立するときに会社で使っていた圃場を借りることができます。圃場は場所によって水はけや日照などの条件が異なりますが、社員として管理してきた畑なので、その特性を理解して取り組むことができます。アグリ甲斐では地域の空いた農地が荒廃農地にならないように借り受け、数年かけて土壌を改良してから独立する人に貸し出すので条件の悪い圃場で苦労することもありません。機械も借りたり、譲り受けたりできるので、独立を検討している人にはとても良いと思います。
塩島さん:実家にも農地がありますが、農業は行わずに貸しているので、ほとんどの畑をアグリ甲斐から分けてもらい、そこをメインで使っています。機械などは、実家に小型トラクターや動力耕うん機のほか、使っていない軽トラックもあったので、それを整備して利用しています。

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農業をするうえで困りごとはありますか?

関野さん:生産方法でわからないことは誰かに聞くこともできますが、スイートコーンの収穫のタイミングは、自分の感覚として掴まなければならず、言葉で教えてもらうだけでは難しい部分があります。中身が見えないので皮の上から触って張り具合を確認することを何度も繰り返しやってみるという感じです。お金の面では給料をもらっているので困りごとはないです。
塩島さん:技術的に困ったことがあまりないのは、アグリ甲斐で基礎ができたからだと思います。独立後もアグリ甲斐と交流があり、相談も気軽にできます。機械が急に止まってしまったときに借りたり、自分の作業がない時期はアルバイトをさせてもらうなど金銭的にも助かりました。お互いに持ちつ持たれつのいい関係が築けています。

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農業を始めて生活に変化はありましたか?

関野さん:自分で作った野菜が食卓に並ぶようになったのは大きな変化です。アグリ甲斐に入って甘々娘を初めて食べたらすごくおいしくて、シーズン中は毎日いろいろなレシピを試しました。
塩島さん:車が趣味で整備も全部自分でしますが、東京では場所がなくて不便を感じていました。その点も含めて、市川三郷町に帰ってきたのはよかったと思います。経済的には、今は実家で両親と暮らしているので、家に入れる分はあるにしても、東京で独り暮らしをするよりは生活費などの出費は少ないです。家を借りたとしても、家賃はかなり抑えられると思います。独立してよかったことは、暑い盛りに日中に行っていた農作業を夜行うことができるなど、自分で時間を融通できることです。

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農業のやりがい、今後の目標は?

関野さん:JA全農やまなしの直売所「たべるJA(じゃ)んやまなし」のECサイトで、当社から出荷している甘々娘が野菜部門で第1位になったとき、クチコミを検索してみると「すごくおいしかったです」とか「来年も頼みます」と書いてくれる方がたくさんいたことがうれしかったです。やはり食べてくれた方に評価してもらえることが一番農業のやりがいを感じます。すぐに独立は考えていませんが、元気に毎日仕事ができることが目標です。
塩島さん:自分で作ったものがお金になって返ってくるのはやりがいになります。直売では「おいしい」や「また頼みたい」と言ってくれる人が結構いて、品質で喜ばれているのは頑張りがいがあります。目標は収入を上げること。独立した初年度は赤字で、2年目の今年はやっと儲けが出るかどうか。機械の買い替えが発生しても、普通に生活できる収入が得られるように収量を上げたいので、古巣のアグリ甲斐に相談しながら取り組んでいきます。

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就農を希望される方へメッセージ

関野さん:農業をやりたいと思っている方は、自分一人で始める前に、いろいろな人に相談してみるといいと思います。悩んでいる方はぜひ、アグリ甲斐にご相談ください。
塩島さん:この先、地域では高齢化で農業を辞めていく人が多くなると思うので、離農者が増えて産地としての力が弱くならないように、自分たち若い世代が生産量を減らさないように頑張っていきたいです。そのためにも、この地域にアグリ甲斐があってよかったと思います。いろいろなスタイルの農業があるので、自分に合うものを見つけてください。
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【取材協力】
株式会社アグリ甲斐(山梨県西八代郡市川三郷町上野2889)
TEL:055-230-3200

お問い合わせ

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