マーケットイン型農業へ。

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特集1 宮崎式ブランド創出力 CASE.1 みやざきブランド

みやざきのブランディング・ノウハウを探る
マーケットイン型農業へ。

ブランド戦略の舵取り役のJA宮崎経済連 総合企画室の福地浩二さん(右)と宮崎県農政水産部の吉野弘樹さん(左)

宮崎県は2001年、産地間競争に打ち勝ち、農家の所得確保を図るため、農畜産物のブランド認証制度を導入しました。農畜産物の価値を高め、生産者の利益に寄与するブランド戦略について、宮崎県農政水産部の吉野弘樹さんとJA宮崎経済連 総合企画室の福地浩二さんに伺いました。

基準を定め「生産目標」を明確化

みやざきブランドの重要な骨格を成すのが「商品ブランド認証制度」です。同制度は「みやざきブランド推進本部」が定めた基準を、対象となる商品・産地が満たしているか審査、認証していくもので、三つの「共通基準」と九つの「個別基準」で構成されます。必須要件の共通基準は、「信頼される産地づくり」の証です。そのため、県独自の検査システムによる残留農薬の分析やGAPの実施などを要件とし、生産・品質管理を徹底しています。
商品ごとの特長を保証する個別基準は「おいしさ」「鮮度」「オリジナリティ」などからなり、例えば「おいしさ認証」の完熟マンゴー『太陽のタマゴ』では糖度15度以上、階級2L以上で自然落果するまで樹上で完熟させるなど、厳しい基準があります。
「『宮崎牛』、『太陽のタマゴ』に続く商品として注目されるのが、完熟きんかん『たまたま』です。商品づくりからPR、販売までの取り組みが、全国25のメディアで取り上げられて知名度が向上し、出荷量の拡大につながりました」とJA宮崎経済連 総合企画室の福地浩二さん。2019年は柑橘類全般が安値基調の中、需要が堅調な『たまたま』は、安定した価格を維持することができたといいます。

商品ブランド認証基準

商品ブランド一覧

栄養・機能で差別化を図る『Karada Good Miyazaki』

かつては「良いものさえ作っていれば売れる」という考え方が、農業界を支配していました。しかし、国内の産地間競争に加え、農畜産物の輸入が増加する中で、農家の所得確保が大きな課題となりました。そこで1994年度から県や経済連、生産者が一体となって、「作ったものを売る」プロダクトアウト型から「売れるものを作る」マーケットイン型へと発想を180度転換。消費者のニーズを捉えた商品づくりや、販売への工夫がスタートしました。現在は39商品96産地を「みやざきブランド」として認証・認定しています。
最近では、世の中の健康志向の高まりに対応し、宮崎県産の農畜産物が、カラダの中から「健康」「カラダづくり」に役立つことをイメージとして分かりやすく伝える『Karada Good Miyazaki(カラダグッドミヤザキ)』を展開しています。「栄養機能食品」の表示がついた『みやざきビタミンピーマン』などの商品化に取り組み、栄養・機能性を前面に打ち出し、販売・PRに生かしています。
「ブランド戦略の必須条件は、品質と数量が安定していることです。時期や商品によって、味や鮮度、出荷量に大きなばらつきが出ないこと。そこはブレてはいけないと思っています」と宮崎県農政水産部の吉野弘樹さん。生産者のひたむきなもの作りと、マーケットインの発想による時代の変化に対応したマーケティング戦略の融合が、「みやざきブランド」を確固たるものにしています。

健康に着目したブランディング『カラダグッドミヤザキ』

栄養機能食品(ビタミンC・ビタミンE)として販売を開始した完熟きんかん『たまたま』

ビタミンCが標準値の約1.3倍を誇るピーマンの栄養機能食品(ビタミンC)