ひなたの恵みで完熟100%。

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ひなたの恵みで完熟100%。

特集1 宮崎式ブランド創出力 CASE.2 みやざき完熟マンゴー

『太陽のタマゴ』が全国区になった理由
ひなたの恵みで完熟100%。

河野知事への贈呈式を実施して、「みやざきマンゴーの日」を各メディアなどへアピール

宮崎県で収穫される完熟マンゴーのうち、最上級ブランド『太陽のタマゴ』として全国に流通するのは、例年わずか13~14%。自然落果したものを専用ネットでキャッチ。厳しい基準をクリアしたものだけが店頭に並びます。2019年の初競りでは2個入り1箱に50万円もの値が付きました。

JA宮崎経済連 園芸部・販売流通課の白方孝行さん(右)と
宮崎県農政水産部農産園芸課の濵砂裕則さん(左)

「宮崎は一つ」を合言葉にオール宮崎でブランド化

宮崎県でマンゴーの栽培が始まったのは今から30年以上も前。1985年にJA西都の指導員が中心となり、数戸の農家と共に手探りでマンゴーの栽培がスタートしました。しかし、当時はマンゴーの認知度が低く、売れ行きは芳しくありませんでした。そんな中、ある偶然が宮崎のマンゴーを飛躍させるブレークスルーとなります。
「JA西都の指導員が農家から『大きな実が落ちて、売り物にならない』と相談され、その落ちた実を食べてみたところ、驚くほど甘く、ジューシーだったんです。そこから完熟マンゴーを商品化する取り組みが始まり、3~4年の月日と大きな開発費をかけて専用ネットを開発。落果するまで完熟させることが可能になりました」と、JA宮崎経済連 園芸部・販売流通課の白方孝行さんは語ります。
1993年には「宮崎は一つ」を合言葉に県内のマンゴー栽培農家で構成する「宮崎県果樹振興協議会亜熱帯果樹部会」が発足。生産者、JA、県が一体となり、ブランド構築の動きが加速していきます。

「みやざき完熟マンゴー」は樹上で熟し自然に落果したものだけ

『太陽のタマゴ』の商品ブランド認証基準

5月25日を「みやざきマンゴーの日」に制定

2019年は『太陽のタマゴ』の化粧箱を一新し、完熟マンゴーのスリーブを作成

亜熱帯果樹部会発足から5年後の1998年、冷暖房設備の設置などで環境を整備し、改良を重ねた結果、理想に近い「みやざき完熟マンゴー」が完成。ブランド名を一般公募し『太陽のタマゴ』が誕生しました。その後、東国原英夫前知事のトップセールスなどにより、『太陽のタマゴ』は全国区のブランドに成長し、市場での価格も右肩上がりになっていきました。
ここ数年、「みやざき完熟マンゴー」の生産量は約1000t前後で推移しています。『太陽のタマゴ』は贈答用などのニーズが底堅いものの、課題は一般の完熟マンゴーの消費を広げること。このため、「母の日」や「お中元」の時期に合わせてテレビCMを流したり、空港で観光客に試食を振る舞うなど、積極的なPRを続けています。2014年には、5月後半の出荷最盛期に合わせて、5月25日を「みやざきマンゴーの日」に制定。前後2週間を「みやざきマンゴーウィーク」として、量販店でマンゴーフェアを実施するなど、売場拡大に取り組んでいます。

2018年には『太陽のタマゴ』の20周年イベントとして、『宮崎牛』のギフトが当たるキャンペーンを実施

マンゴーの樹の計画的な改植も実施

生産者の高齢化、後継者不足、資材の高騰といった農業界の課題は、マンゴーにおいても共通しています。今後、マンゴー栽培の担い手の減少が予想される中で、いかに1000tレベルの生産を維持していくかが問われています。
「生産者の中でも、利益を上げているか否かは明確に差が表れます。利益が上がらなければ離農してしまうのは当然。ですから県の普及員やJAの指導員らが連携し、出荷実績や栽培管理から課題を明確化し、収量・品質の底上げを図っています。マンゴーの樹は植えてから20~30年経つと、加齢が原因で収穫量が安定しなくなる場合もあるので、計画的に改植も行っています」と宮崎県農政水産部農産園芸課の濵砂裕則さんは語ります。
県ではJAと連携し、病害虫の発生を防ぐため、剪定方法や園内環境を適正に維持するノウハウを伝える研修会も地域別に開催。圃場環境の把握や環境制御を正確に行うために、スマート農業の活用も模索しています。完熟マンゴーが成長し続けるため、現場では今日も懸命な努力が続きます。

「みやざき完熟マンゴー」の取り組み