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農業を、ビジネスに。

農業活性化に向けたマイナビ の挑戦
農業を、
ビジネスに。

2019年6月、宮崎県は株式会社マイナビと、次世代を担う農業人材の確保と育成を目指し協定を締結しました。これに基づき本誌『AGRI+(アグリプラス)』での宮崎特集の実施、マッチングアプリ『農mers(ノウマーズ)』の実証実験など、地方創生につながる試みがすでにスタートしています。同社の今後の展開について、農業活性事業部 事業部長の池本博則に聞きました。

株式会社マイナビ
執行役員
農業活性事業部 事業部長

池本博則Hironori Ikemoto

2003年 株式会社マイナビ入社。以来、就職情報事業本部で国内外大手企業の採用活動の支援を担当。2016年12月執行役員に。マイナビの地域活性を担う事業部を創設し、2017年8月より農業情報総合サイト『マイナビ農業』をスタート。日々、農業、地域の活性化に向けた取り組みを実現するために奔走中。

『アグリプラス』を地域活性化のアイデア集に

…本誌『アグリプラス』の創刊の狙いを教えてください。

2017年8月、私たちは農業関係者の「いちばん大きな寄合所になりたい」という思いを胸に事業を立ち上げました。生産者の方はもちろん、加工や販売に関わる方、農業支援を行う企業、団体、行政、そして消費者の皆様を「情報でつなぐ存在」になるべく、サービスをスタート。以後2年間、各地の農業の課題解決に向けたさまざまな取り組みと向き合った結果、自分たちのソリューションメニューをより充実すべきだとの考えに至りました。そこで日本最大級の農業総合情報サイト『マイナビ農業』の拡充を図る一方で、自治体の皆様に向けた『アグリプラス』を創刊。マッチングアプリ『ノウマーズ』のサービスインや、人形町オフィスに新たな情報発信・交流スペースとなる『農mers Cafe(ノウマーズカフェ)』の設置などの新しい取り組みを始めています。
『アグリプラス』は「農業を起点に、地域活性化のソリューションを提案」をコンセプトに、自治体様や企業・団体様の、農業分野での先進的な取り組みをご紹介するメディアです。特に自治体職員の皆様に地域活性化のアイデア集としてご活用いただくことを狙いとしています。

…事例共有のメディアですね。

地域で農業振興を担っている方たちの課題の一つとして、自治体間で良い事例の共有があまり進んでいないと感じることがあります。また、民間企業では、農業分野の新しいソリューションを開発しても、なかなか認知が広がらないということがあります。そこで自治体同士や、自治体と企業を結び付け、地域活性化や農業振興にぜひ役立てていただきたいというのが本誌創刊の志です。

『マイナビ農業』を2020年に大幅刷新

ソリューションの核となるのはWEBサイトの『マイナビ農業』です。読者は一般消費者、就農希望者、生産者(生産法人)、農業関連の企業・団体の方などで、ユニークユーザー数(2019年5月時点)は月間で88万人。ユーザーの滞在時間も長く、しっかりと記事が読まれていることが特徴です。掲載記事は、編集部オリジナルを中心に、月平均80本、累計3200本を超えるコンテンツを提供しています。農業関係者の多種多様な情報が発信・集積される「寄合所」というコンセプトは今後も変えず、さらに「最速で欲しい情報が得られる情報メディア」へとリニューアルを図っていきます。

『マイナビ就農FEST』会場風景

当社が主催するイベントの『マイナビ就農FEST』は、担い手を求める自治体や農業法人などと、就農希望者との出会いの場を提供しています。当社が人材業界で培ってきたリソースを生かし、情報収集や対話の機会として活用されています。2018年度は年間29回開催し、20~40代の方を中心にご来場いただきました。2019年10月からの1年は、40回に開催を増やす予定です。さらに、就職活動中の学生を対象とした『マイナビ就農FEST』も開催予定です。
このほか、「明日の日本農業を語る活性化会議」として、半期に一度のペースで、農業や食に関するあらゆる方々が集い、先進事例の発表や、パネルディスカッション、ブース展示などで情報交換や人材交流を図るイベント『NEXT AGRI PROJECT(ネクストアグリプロジェクト)』も開催しています。

『ノウマーズ』の開発で人の問題にも着手

『農mers』は2019年度グッドデザイン賞を受賞

…『ノウマーズ』とはどんなアプリサービスですか?

マイナビが、本格的に開発に取り組んだ農業分野の人材サービスです。農繁期や労働力不足などで、一時的に農作業の人手を探している農家と、農作業を手伝いたい方をつなぐマッチングアプリで、農業人口の裾野を広げることが狙いの一つです。
現在、宮崎県で実証実験を行っており、導入に当たり県やJAの職員の方向けに、受け入れ側の心構えなどの勉強会を開催。2019年10月からは生産法人などの方々に『ノウマーズ』を紹介して登録を促進しています。今後はPRを強化し、働き手の登録と『農mer(ノウマー)』という働き方を定着させていきます。
『ノウマーズ』が画期的な点は、働き手と農家・農業法人がお互いを評価する制度を取り入れた点です。農家側の評価が高ければ、それだけ働きやすい環境ということが言えますし、働き手はポイントが蓄積していくと農業に適した人材という評価につながり、農家からダイレクトにスカウトされるかもしれません。こうなると農家や農業法人は必然的に自分たちの労働環境を意識するようになり、労働時間の適正化など、民間企業のような就労環境の整備につながっていくと考えています。
『ノウマーズ』をきっかけに、農家の皆様には「農業だから」と自分たちの環境を特別視するのではなく、ビジネスとして農業を捉え直し、雇用する従業員の働き方についても考えてみてほしいと思います。

地域に合わせた解決策をオーダーメイドで提供

…マイナビの強みはどこに?

本誌では「宮崎の超農力。」と題して宮崎県の取り組みを紹介していますが、当社では2019年6月に宮崎県と農業人材の確保・育成に関する連携協定を結び、前述した実証実験などに取り組んでいます。
また、埼玉県深谷市では高齢化や耕作放棄地の増加などを解決するため、優れた技術とアイデアを持つ「アグリテック企業」の誘致・集積を目指すビジネスコンテスト『ディープバレーアグリテック アワード2019』の推進パートナーとして運営協力を行っています。
このように就農や農業の高度化など、農業振興に関する課題に対し、地域ごとにオーダーメイドでソリューションを提供していけることが、当社の強みだと考えています。直近の取り組みとしては、結婚相談所とのコラボレートで農家の婚活支援に取り組んだり、後継者育成が課題となっている北海道や九州の酪農家に特化したコミュニティづくりにも挑戦しています。また、人形町オフィスのカフェやダイニングスペースを活用し、地域の特産品の試食会を開催するなど、サービスメニューにとらわれないソリューションの提供にも着手しています。

宮崎県と農業人材の確保・育成に関する連携協定を締結

人形町オフィスの『農mers Cafe』

挑戦しないことがリスクになる時代

…自治体関係者にメッセージを。

今、地方自治や農業をめぐる環境は劇的に変化しています。自治体の方々が課題に取り組む際、過去の経験則や情報不足などで、固定観念から抜け出せないケースもあると思います。そういう時こそ、本誌や『マイナビ農業』をご活用いただいて、「こういうやり方もあるんだな」とか、「こういう取り組みをうちでもやってみようかな」という形での検討材料になれば幸いです。
そうは言っても「うちの自治体では無理」とリスクを避ける自治体の方もおられます。しかし、今の時代はリスクを考えて動かないよりも、リスクを把握した上で挑戦している場合の方が、結果的には大きなリスクを減らせるのではないでしょうか。
当社は本気で、農業や日本の未来を変えるようなサービスを提供したいと思っています。自治体との一つ一つの取り組みは、私たちにとっても挑戦です。一緒に試行錯誤しながら地域を盛り上げ、そういう取り組みを本誌を通してお伝えしていきたいと願っています。

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