集え!農業維新の志士たち。

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特集2 宮崎式就農支援力 PART.2 みやざき次世代農業リーダー養成塾

明日の農業リーダー輩出機関
集え!農業維新の志士たち。

自ら手を挙げた30〜40代のリーダー候補たちが、最先端の農業経営を学ぶ『みやざき次世代農業リーダー養成塾』。ここで生まれる固い絆から、今後の宮崎の農業を変えるムーブメントが生まれるかもしれません。

  • 宮崎県 農政水産部
    農業経営支援課 副主幹
    田村公幸さん

  • 株式会社Hinata 代表取締役
    安達雄樹さん

攻める農業に必要な、新時代の農業人材を育成

担い手不足や高齢化が加速する中、県農業の生産基盤や生産力を維持・拡大していくためには、「守る農業から攻める農業」への転換・発展が急務となっています。『みやざき次世代農業リーダー養成塾』は、地域のリーダーとなる担い手の育成を目的としたもので、農林水産省が決定した「農業競争力強化プログラム」をきっかけに始まりました。宮崎県農政水産部農業経営支援課の田村公幸さんは養成塾の狙いを「現状、経営体の数では約2割の主業農家と法人経営体が、県の農業産出額の約8割を担っています。養成塾は農業経営の規模拡大や法人化のための人材育成が目的の一つです」と話します。
2015年に始まった養成塾は、7月から2月まで全11回のカリキュラムで、第一線で活躍する農業経営者や学識経験者が講義を担当。実際に経営計画書を作成し、発表することが卒塾の必須条件となります。過去4年間の卒塾生は57名、うち5名が法人化を実現しています。
「順調に経営規模を拡大している卒塾生もいますし、地域の若手農家のお手本として、周りに刺激を与える存在になっている方もいます」(田村さん)

熱量ある講座で志高き経営者仲間をつくる

担養成塾の企画・運営業務は、2019年度の第5期から、地元のコンサルティング企業のHinataが担当。代表取締役の安達雄樹さんは、大手コンサルティング会社で主に食品業界を担当した経験を生かし、みやざき6次産業化プランナー・農業経営指導士として活動する傍ら養成塾をコーディネートします。
「僕自身も講座をいくつか担当しますが、担当以外の講座も含めて塾生に届けたいメッセージに一貫性が持てるよう全体のサポートを行っています」(安達さん)
2019年度のカリキュラムは、全国で注目を集める農業経営者の講義はもちろん、宮崎で実績を残している農業者の講義も充実。約8カ月にわたり講義、グループワーク、ケーススタディ、視察が行われ、最後に塾生が自らの経営計画を発表します。安達さんによると運営のポイントは、講座内容にライブ感を持たせることだそう。
「参加する塾生には、今この瞬間にしか体感できない講座を届けたいと思っています。いつでも聞ける話では、塾生の経営に対するモチベーションは上がってこない。そこで必要になるのは、塾生と講師全員の“熱量”なんです。今の塾生の悩みを講師になる先輩農業経営者と事前に共有したり、塾生との懇親会で講座後の質疑応答の時間の使い方の話に花を咲かせたり。養成塾という限られた時間をみんなが精一杯過ごすことで生まれる一体感を大切にしたいですね。地元宮崎にある当社だからこそ、こだわれる部分だと思います」
また、農業経営に挑み続けるには、仲間作りがとても大事になると安達さんは言います。
「養成塾を通じて、お互いの経営を刺激し合える仲間を作って欲しい。志の高い経営者仲間は、卒塾後も大きな財産となります。そんな養成塾を続けることで『もっとチャレンジしてみようよ』という機運が宮崎県の農業界全体で更に高まればとても素敵ですね」

MESSAGE
農業と向き合う姿勢を変えるきっかけを与えてくれました

第4期卒塾生 桑原慎太郎さん(児湯郡高鍋町) 

入塾のきっかけは、先輩たちが目に見えて変化していくのがうらやましかったから。高鍋町からは養成塾の1~3期まで複数名の先輩が参加していました。その先輩たちが皆、養成塾から帰ってくると、講義で学んだ栽培テクニックを試したり、講義の内容を仲間に熱く語るようになりました。講義の回を追うごとに農業に取り組む姿勢が変わっていく先輩たちを見て、自分も養成塾に行けば変われるのではと思い入塾しました。
実際に講義を受けて気付いたことは、自分の見識の狭さ。講義で農業を含む幅広い業界の先進的な事例を聞くたびに、日本にはすごい担い手や経営者が大勢いることを知り、今まで自分がいかに狭い世界しか見ていなかったか、ということを思い知らされました。卒塾後も見識を広げるため、一緒に卒塾した仲間と全国の先進事例を視察しています。最近では飲食店と直接取引を始めるなど、新しい取り組みにも積極的に挑戦しています。