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人生丸ごと支援する。

特集2 宮崎式就農支援力 PART.3 宮崎県の就農支援体制や取り組み

就農希望者に寄り添う切れ目ない対策を
人生丸ごと支援する。

『マイナビ就農FEST』の宮崎ブースでは県内の各自治体が出展。
小島さんも一期一会の気持ちで、来場者一人一人に親身な対応を心掛けています

宮崎県の新規就農者数は、2013年の290人から2018年には402人と右肩上がりで増加しています。それを支えているのが、県内外での就農相談会や就農トレーニング施設での研修などの取り組みです。宮崎県農業経営支援課農業担い手対策室の小島慶太さんに、その取り組みと課題について伺いました。

相談会やトライアルなどさまざまな間口を用意

新規就農へのアプローチとしては、自分で農業を始める自営就農と農業法人に就職する法人就農の二つあります。法人就農は、2013年の117人から2018年には238人へと大幅に増えています。一般企業に就職するように、農業法人も就職先の一つに選ばれるようになりつつあります。
「多くの方が農業法人と接点を持てるのも、県内外で就農相談会を頻繁に開いているからだと思います。2018年は東京で相談会を4回開き、のべ139名が参加。県内の相談会でも30名が相談に来られています」
まずは相談会で宮崎県と県の農業を知ってもらう。次のステップとしては、就農経験者や移住者の話が聞ける『みやざき就農講座』や県内の農業法人での『お試し就農』があります。2017年に首都圏で開催した就農講座には、全9講座にのべ295名が参加し、19名が実際に宮崎県に移住。宮崎県への移住・就農を本気で考えている方が出席していることが分かります。
県内の取り組みで成果が出ているのは『お試し就農』です。農業法人への派遣型の研修で、就農希望者と法人双方の希望を照らし合わせ、マッチングした先で1カ月間就労します。実際に働いて、感触を確かめ、お試し期間終了後は直接雇用となるケースも。こちらも2018年は17法人で30名が参画し、13名が直接雇用となり、他3名は自営就農の予定です。

新規就農者の確保のため、首都圏での『みやざき就農講座』や県内外での就農相談会の実施、県内農業法人への派遣型研修である『お試し就農』などの取り組みにより、2018年は402人の新規就農者を確保しました

相就農希望者の目線でリスクを軽減

「多くの方が宮崎の農業に関心を持ち、そんな新しい方が現場に入っていくと、新たな課題も見えてきました」と小島さん。
その一つが県内の地域間の差です。作物や場所によって就農者が多い地域とそうでない地域が見られるようになったため、県内一律ではなく、地域別の相談会にも取り組んでいます。また、異業種からの就農や宮崎県への移住となると、就農者の住居や生活まで対応すべきことが広がります。今後は就農と生活に関する情報のパッケージ化が課題です。
「人の人生に関わることなので、『宮崎なら安心して農業ができる』と思ってもらえるよう切れ目なく対策を提供したい。でも、人それぞれ求めることは違うので、その人に合った支援を考えて、就農希望者目線で相談に乗ることを心掛けています」(小島さん)
宮崎県では高齢で離農した方の農地やハウスを新規就農者に引き継ぐ承継事業も始めており、今後はこれらの情報も活用し、より一層、就農しやすい環境づくりに取り組んでいきます。

労働力の安定確保も幅広く、積極的に

もう一つ、宮崎県がJA中央会やJA経済連、農業振興公社などと共に取り組んでいるのが、労働力の安定確保の対策です。2015年に『農の雇用・労力支援推進協議会』を立ち上げ、現在は、学生や主婦によるアルバイト・パートや、繁忙期が異なる他の産業との連携、農業法人間の連携により、宮崎県の農業労働力の安定確保を目指しています。
「学生や主婦、定年退職者の方などに農業と接点を持ってもらい、地域の潜在的な労働力の掘り起こしになれば、と考えています」と事務局を担当する宮崎県農業経営支援課農業担い手対策室の竹松由貴さん。
2019年4月からは、外国人労働者の新たな受け入れ制度が始まり、柔軟な人材活用の道が開けています。こちらも現場の需要に合った体制を整備し、労働力確保につなげたいとしています。

協議会の推進役を務める竹松由貴さん

若手中心で数多くのミッションをこなす農業経営支援課
農業担い手対策室のメンバーたち。
リーダーは農学博士の水田隆史さん(手前中央)

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