行政のソリューションとしてのスマート農業 地域の悩みに応える。
CHAPTER 2 「使える」スマート農業。
行政のソリューションとしてのスマート農業地域の悩みに応える。
スマート農業の代表的製品である農業用ロボットの中には、月額2万円程度でレンタルできる多機能型の搬送ロボットもあります。それでも農家にとって月額数万円の負担は、軽くはありません。生産性を高めるための生産管理システムの購入にも決断が必要です。
だからこそ地域農業を支える自治体やJAには大きな期待がかかります。実績のある技術や地域の実情に合った農機を見極めて生産者に推奨したり、スマート農業普及の窓口として農家のさまざまな相談を受けながら、事業者と農家とのハブになろうとする自治体やJAが現れています。また、各地の農業試験場でも、積極的に新しいスマート農機を使い、その体験を踏まえて製品を推奨する事例も出てきています。日本総研の三輪さんは次のように語ります。
「これからの農業は、スマート農機をみんなで買ってみんなで使い、みんなで儲けようという時代です。スマート農機はシェアリングして、地域や農業法人のインフラにすべきです。あるいは農業サービスを提供するサービス事業者が仕組みを考えて、有料サービスとして提供する方法もあります」
スマート農機を購入するコスト、スマート農機を活用するリテラシー、農の匠の知恵の標準化などがスマート農業普及の課題として挙げられますが、地域でシェアするという発想は「使えるスマート農業」への有効なアプローチの一つかもしれません。ここでカギになるのは、自治体やJAが地域課題解決の手段として、スマート農業を活用するスタンスであること。この観点からスマート農業を捉えていくことができれば、スマート農業の普及に向けた条件は、すでに揃いつつあると言っていいでしょう。
農業における課題と、解決策としてのスマート農業


- 直進・自動運転トラクタ
- ロボットコンバイン(収量センサー)
- 自動田植機
- ドローン(農薬散布)
- 可変施肥システム
- ほ場水管理システム
- 養液土耕システム
- 施設野菜収穫ロボット
- 汎用自律走行ロボット
- クラウドサービス
- リモコン式草刈り機・ロボット草刈り機
- パワーアシストスーツ
- 自動農機等による省力化

- ドローン(モニタリング)
- 農業センサー(気温、水温、湿度など)
- ほ場管理システム
- 営農管理システム
- スマートフォンによる遠隔操作・情報共有
- ハウス自動開閉システム
- 植物工場の環境制御
- 暗視カメラ、獣害防止柵
- 気象ロボット
- AI選果システム

- 生産管理システム
- 営農管理システム
- 農業支援システム
- 学習支援システム(技能の継承)
- AI活用型画像診断による病害虫被害予防
- 牛群管理システム
- IT活用による収益力向上
- データ活用による技術支援
- データ活用による技術継承
- IT活用による森林の保全・資源活用