匠の手 自動農機編 過酷な農作業を多角的に省力化、効率化。
CHAPTER 2 「使える」スマート農業。
過酷な農作業を
多角的に省力化、効率化。
「匠の手」のスマート化とは、自動運転トラクタ、コンバイン、自動運転田植機や、モニタリング・農薬散布・肥料散布ができるドローンなど、まさにスマート農業の代表選手を指しています。自動運転トラクタを例に挙げると、AIによって耕す深さを場所ごと作物ごとに最適かつ自動で変えられるので、コシヒカリの代掻き(田んぼに水を張って、土を細かく砕き、かき混ぜて、土の表面を平らにする作業)の直後にあきたこまちの代掻きにも対応できます。無人にして1人で3~5台を動かすことも理論的には可能です。また、後方に散布機をセットすれば肥料を撒くこともでき、配合の調整も農家ごとに遠隔コントロールで変更が可能。 さらに稲作の後にニンジン畑を耕すといったことも可能です。高価な機械ですが、地域のインフラ的な価値を持ちますので、JAなどが所有して地域で共有する方法も考えられます。こうした農機シェアリングに対しては、「農業競争力強化支援法」に基づいて農業資材事業者の事業参入を促進する支援を行うなど、農林水産省のサポート体制も整ってきています。
他にも自動除草ロボットは、長時間にわたり肉体的負担がかかる除草作業を楽にしてくれますし、比較的低価格の製品も登場しつつあります。このように、機能を絞ったロボットを賢く使うことも、スマート農業活用のポイントです。