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生産者の農業IT活用力の向上

CHAPTER 5 AGRI+からの提言

生産者の農業IT活用力の向上
生産者の
ITリテラシー向上の
機会を提供
する。

「利点が見えにくい」「使うのが難しそう」。スマート農業が普及しない背景には、生産者がスマート農業の導入に熱心でない場合もあります。そうした消極姿勢の裏には、IT活用の知識やスキルに対する不安が潜んでいることも多く、農業経営にITを生かす学習機会の提供も必要です。

スマート農業指導員による個別指導も進む岐阜県

全国初の「スマート農業推進計画」を策定した岐阜県で、農業普及指導員などが、生産者に対するIT活用教育の役割を担っている事例があります。これは農業普及指導員とJAの営農指導員の一部が専門的な研修を受けて〝スマート農業推進員〟に位置付けられ、生産者に指導を行うものです。
また、全国の農業高校、大学農学部、農業大学校等では、企業との連携や自治体の支援のもと、スマート農業の教育プログラムも始まっています。

岐阜県では農業普及指導員などが、生産者に対するIT活用教育を実施。写真はハウス内でのデモ風景

各自の経営課題に即したIT活用力の習得が必要

アグリコネクトでは、農業経営者育成のために自治体と協力し、農業経営塾を開催しています

一方、IT活用の前提として農業を経営という観点で捉えることの重要性を指摘するのは、農業関連のコンサルティングを行うアグリコネクト株式会社の木原透光さんです。木原さんは「多くの生産者はIT導入以前に農業経営の方向が定まっていません」と語ります。「まず各自の経営理念の確認、目標設定と経営課題の抽出を行うことが重要で、その上で、課題によってはIT活用が一つのソリューションになると言います。
同社は自治体と協力し、農業経営者育成を目的に農業経営塾を開催しており、時に受講者とスマート農業の導入についても話が及ぶケースがあるそうです。
「農業経営の習得に意欲的な生産者はスマート農業に興味を持つ人も多く、講座で事例紹介したIT企業にコンタクトを取るなど、スマート農業の導入に積極的です」
このように木原さんは、経営規模や目指す農業に応じてIT導入を検討すべきだと語ります。
「例えば海外進出を視野に成長を目指す〝成長産業型〟の生産者であれば、規模を拡大しながら品質を維持した生産を具体化するなど、経営計画や生産計画へのIT活用力が求められます。また、中山間地域の農業の安定的な維持が主目的なら、自治体やJAと連携した作付け状況のリモート監視、作業効率化や出荷管理など、地域ぐるみの取り組みをITで支援するケースもあります」
自治体やJAは、各生産者の農業経営の方針、ニーズやレベルを把握し、それに必要なソリューションを提供する企業を紹介する、IT知識習得の機会を提供するなど、地域の課題や状況を踏まえたサポートが求められます。

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