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梅農家 伏見勇希さん 

先輩就農者
インタビュー

INTERVIEW-01

伏見 勇希さん
伏見梅園代表・梅農家

人物紹介

  • 年齢
    40歳
  • 就農年数
    5年目
  • 出身地
    宮城県
  • 営農地域
    若狭町
  • 規模
    1.9ha
  • 営農形態
    独立就農
  • 生産品目
    ウメ(剣先、紅サシ、福太夫、新平太夫)
  • 家族構成
    本人、妻
  • 趣味
    ゲーム、アニメ鑑賞
  • 前職
    システムエンジニア

年間スケジュール

ウメ

福井梅を”フルーツ”に
6次化と食べ方提案で
魅力を発信します

福井県で就農するまでの
経緯を教えてください。

前職は東京のIT企業でシステムエンジニアをしていました。ものづくりが好きだったことからソフトウェアを作る職業に就き、仕事には満足していました。しかし、キャリアを重ねて中間管理職の立場になると、人的管理と利益管理がメインになり、ものづくりの現場から離れていくことに違和感を覚えていました。

そんな時に農業もものづくりの一つだと気づき、東京で開催されていた「新・農業人フェア」に参加したところ、福井県の若狭町がウメの担い手を探しており、未経験者でも受け入れてくれることを知りました。また、「地域おこし協力隊」として給料を貰いながら農業のノウハウを学べることが魅力的に映りましたね。それまで福井県のことはあまり知らず、場所さえもよく知らなかったのですが、福井でウメを食べたところ自分がそれまで食べていたものとは全く違い、ふっくらとした実とふくよかな味わいに感動しました。こんなに美味しいウメなら自分も作ってみたいと思い、梅農家を目指すことを決めました。

福井梅の魅力を
教えてください。

私が栽培しているのは、福井県が育成した「剣先」「紅サシ」「福太夫」「新平太夫」の4品種です。ウメは加工しなければ食べられない果実ですが、だからこそ加工で付加価値を高められることが魅力です。塩漬けにすれば梅干しに、砂糖と一緒に煮詰めれば梅ジャムに、余計なものを入れずに無添加で加工品が作れます。伏見梅園で育てたウメのほとんどは青梅で出荷していますが、残りは梅干しや梅ジャムに加工して販売しています。

ウメは捨てるものがほとんどなく、秋から冬にかけて剪定した枝は薪ストーブの薪として、新芽のついた細い枝は花きとしての商品価値もあります。何より「福井梅」の美味しさと魅力をもっと多くの人に知っていただけるように新しい加工方法を考えたり、食べ方を提案したり、新たな商品開発を考えることがとても楽しいです。ものづくりが好きなので自分のアイデアで試作したり、販売したりすることも自分にすごく合っていると感じますね。

栽培技術は
どのように習得しましたか。

2016年に地域おこし協力隊としてこの町を訪れ、2年間若狭町の梅農家さんのもとで栽培技術の基本を学びました。周囲の多くの生産者さんに何かと助けていただき、使わなくなった道具を譲っていただいたり、収穫期の選別作業のコツも教えていただいたりして、本当に良くしていただいています。わからないことがあった時には、県の普及指導員さんに質問し、すぐに的確な回答をいただけていたこともありがたかったです。みなさんのサポートのおかげで比較的順調に軌道に乗せることができました。

苦しかった経験と
嬉しかった思い出を教えてください。

やはり力仕事の面では最初は苦労しました。ハンマーを持ってくいをさすのも一苦労で、全然力がありませんでしたね。周りの農家さんに「そんなんじゃできねぇぞ」とお叱りを受けたこともありました(笑)。
でも、1年ほど地道に続けていると力もついてきますし、コツもわかるようになったので、苦労というほどでもなかったのかもしれません。
生活面では、地域の方が良くしてくださったことと新規就農者支援制度がありがたかったです。年間150万円を5年間受給することができたので、軌道に乗せていくまでの生活費の不安を軽減することができました。

福井県での暮らしについて
教えてください。

若狭町は日本海と三方五湖に囲まれた場所にあり、湖と梅林が続く景色は本当に素晴らしいと思います。
自然しかない町かもしれませんが、私の場合は以前から買い物はネット購入が多かったですし、自分のリズムをあまり変えることなく暮らせています。

福井県に移住して農業をすると決めた時点では宮城県の両親も心配していたのですが、妻が栃木県の兼業農家出身で元々農業への理解があり、とても心強かったです。妻は農家の人付き合いには慣れているので、例えば近所の人から何かいただいた時は「美味しかったよ」と欠かさず伝えたり、お返しに何か渡したりして、すごくうまくやってくれているのがありがたいですね。もともと地域おこし協力隊としてこちらの「梅ケ原」集落に移り住むプログラムだったのですが、近所のおばちゃんがすごく仲良くしてくださって、その方と親しくなれたことで地域にスムーズに入っていけました。
元々介護士をしていた妻はこちらに来てもしばらく介護の仕事をしていましたが、腰を傷めたのを機に今は一緒に農業をしています。夫婦二人三脚で四六時中一緒にいる生活になり、会話する時間がぐっと増えました。働き方は、会社勤めの時と違って人に指示されて仕事をするのではなく、自分で計画を立てて進めていきます。そのやり方が性に合っているようで、こちらに来てからストレスが随分減りました。

今後の目標や展望を
教えてください。

今のところ、これ以上栽培面積を拡大することは考えていません。今は安全安心で美味しく、きれいなウメを安定してつくることと、これまで以上にウメの食べ方の提案をしていきたいと考えています。梅干しや梅酒のほかにも、ウメのフルーツとしての側面を引き立てる商品の開発や提案を行いたいですね。ウメは和歌山の南高梅が一強というイメージですが、福井梅も決して負けていません。特に紅サシという品種は他の品種と比べて遊離アミノ酸の含有量が多く、旨み成分が高いですし、新平太夫という品種は桃のようなフルーティな香りが特徴的です。そういった際立つ個性を持つ福井梅の魅力を全国に広く発信していきたいですね。

新規就農者へのメッセージをお願いします。

農業は大変なこともありますが、その分楽しいこともたくさんあります。就農後まもなくは、特にお金のことに頭を悩ませることがあると思います。そんなときはぜひ行政の方を頼ってみてください。なんとかなることも多いです。ぜひ周りの人を頼って積極的に相談してみてくださいね。

お問合わせ

福井県農林水産部園芸振興課
TEL:0776-20-0433

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