マイナビ農業TOP > 幸福度No.1の福井県で暮らそう【福井県】 > ブドウ農家 佐々木 祐治さん

ブドウ農家 佐々木 祐治さん

先輩就農者
インタビュー

INTERVIEW-02

佐々木 祐治さん
そらとこまめ葡萄農園代表
ふくい園芸カレッジ修了生(平成28年度入校)

人物紹介

  • 年齢
    50歳
  • 就農年数
    5年目
  • 出身地
    福井県坂井市
  • 営農地域
    福井県坂井市
  • 規模
    81a
  • 営農形態
    独立就農
  • 生産品目
    ブドウ(シャインマスカット、他13品種)
  • 家族構成
    本人、妻、柴犬
  • 趣味
    バイクでツーリング
  • 前職
    郵便局員

年間スケジュール

ブドウ

消費者に選ばれる
ブドウを作り、
産地の活性化と後継者育成に
貢献したい

福井県で就農するまでの
経緯を教えてください。

前職は郵便局に勤めていましたが、民営化してからは雰囲気が変わり、第二の人生を考えるようになりました。農業にはもともと興味があり、心機一転で農家を目指して「ふくい園芸カレッジ」に入校したのが平成28年です。その翌年から坂井北部丘陵地の里親農家さんのもとで1年間研修させてもらい、ブドウ栽培を学びました。

ブドウ農家になったのは、ブドウが私の一番好きな食べ物だからです。他の作物が儲かると言われても好きな物でないと長続きしないと思い、カレッジに入った時からブドウを作ると決めていました。ブドウで独立するとなると初期投資がかかり、また、すぐに収穫できる作物でもないので最初の数年は赤字の覚悟が必要でした。新規就農のハードルが高いと言われていましたが、それでもできたのは前職で貯めた資金があったからです。
年齢的には農業を第二の人生にするなら定年退職してからでは遅いと思い、40代でのシフトチェンジが必要だと判断しました。カレッジには私のように定年を待たずに早期退職して入ってきた人が他にも複数名いましたね。

栽培技術はどのようにして習得しましたか。

基本的なことは坂井北部丘陵地の里親農家さんのもとで学びました。他にも県の農林総合事務所の講習会や先進農家さんの研修に参加してヒントを得て、自分にできる方法を探っていきました。教科書だけが正解ではないので、YouTubeで他の農家さんのやり方も見て参考にすることもあります。失敗することも多かったですが、いろいろな情報を得ながら模索し、ようやく自分なりのやり方が確立してきた感じです。

栽培のこだわりを
教えてください。

私の農園で育てているブドウの約9割はシャインマスカットです。観光農園ではないので、市場のお客さんに買ってもらうことをベースに考え、市場で求められる知名度のある品種を作りたいと思い、シャインマスカットを選びました。
また、自分で販売する程度しか作っていませんが、「クイーンニーナ」「BKシードレス」等13品種も試験的に栽培しています。
この5年間で、ブドウはやり方によっては省力化できる作物だとわかってきました。今は、アルバイトさんにもわかりやすく、効率的に行える栽培方法にこだわっています。摘粒の時は一回で作業が終わるように、またアルバイトさんでもプロ並みの成果を得られるように、仕事のやり方を伝えることに注力しています。

苦しかった経験や
嬉しかったエピソードを
教えてください。

新規就農ですから、やはり最初は圃場を確保することが課題でした。里親農家さんに通っている間に候補地をいくつか教えていただきましたが、ブドウはハウスを建てなければできないので、その条件で貸していただける方に巡り合うまでが大変でした。この場所は土壌が良くないということで放棄地に近い状態でしたが、草刈りなどしてくれるなら良いという条件で借りることができました。その後は少しずつ地域の信頼を獲得し、周囲の地主さんも貸してくださるようになって規模拡大ができました。

ブドウの実ができるまでの最初の1〜2年は、里親農家さんが「スイカでも作ったらどうだ?」と薦めてくれたのでスイカを作ってみましたが、仕事は大変でした。というのも、屈んでする作業が自分には全く合わなかったんです。自分は立ってする仕事が向いているのだと気づき、スイカはもう作っていません。
経営面では最初の3〜4年は赤字でしたが、妻が定期収入のある仕事をしているので生活面での不安はなかったです。妻は農業を始めることに対して全く反対はなく、応援してもらえて嬉しかったですね。

オフシーズンの過ごし方を教えてください。

ブドウ農家になってからは12月〜2月中旬まではオフシーズンでゆっくりできます。本当に忙しいのは4月〜9月までで、この半年の間に集中して稼ぎます。
毎年収穫が終わって一段落つくと、骨休めに妻と旅行に出かけることが何よりの楽しみ。共通の趣味は、バイクでのツーリングで、去年は富士山周辺と浜名湖一周に出かけました。こういった楽しみがないと、農業で1年間ずっと働き続けるのは体がこたえると思います。
年間を通して働き続ける農家さんもいますが、自分は集中的に働き、その後しっかり休む、という働き方が性に合うと感じています。とりわけブドウはオンとオフをしっかり区別できる作物なので、オフシーズンの冬は遅くまで寝ています。サラリーマン時代は雪が降っても出勤していましたが、今は雪が降る日もゆっくりできて嬉しいです(笑)。

農業経営主としての
今後の目標や展望を
教えてください。

経営面では前職時代の年収を超えるレベルまで到達できましたので、今後も楽しくできればそれで良いと思っています。チャンスがあれば面積の拡大はするかもしれませんが、経営規模を拡大するというよりも、将来ブドウを作りたいという人のための場所づくりをしたいと思います。ブドウは、やってみたくても資金がなければできないのが課題です。多くの人がそこで挫折してしまうので、うちの畑を使ってもらって模擬的にやってみてから判断してもらうような流れができればと考えています。そうしないと産地としても活性化できませんよね。将来的に産地の後継者を育てる取り組みができればと思っています。

就農希望者への
メッセージをお願いします。

就農するなら、ある程度の資金を用意してから始めることをオススメします。どんな作物であれ経営が安定するまでの生活費はあったほうがいいですし、心に余裕があるほうが良い仕事もできると思います。また、個人的には好きでないと長続きしないと思うので、ぜひ自分の好きな作物に挑戦してみてください。
農業は、頭で考えると難しそうに感じるかもしれませんが、自然の中で働くのはとても気持ちが良いものですよ。

お問合わせ

福井県農林水産部園芸振興課
TEL:0776-20-0433

「個人情報の取り扱いについて」の同意

2023年4月3日に「個人情報の取り扱いについて」が改訂されました。
マイナビ農業をご利用いただくには「個人情報の取り扱いについて」の内容をご確認いただき、同意いただく必要がございます。

■変更内容
個人情報の利用目的の以下の項目を追加
(7)行動履歴を会員情報と紐づけて分析した上で以下に活用。

内容に同意してサービスを利用する