中山間地域 農業の複合経営魅力物語 打越ご夫妻
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岩手県(東北)
つくしファーム
打越義之さん・美保子さん
栽培作物 ブルーベリー |
耕作面積 3ha |
経営規模 本人 |
移住形態 Iターン |
前職 会社員 |
農地の取得 購入 |
就農までの期間 1年 |
移住した年 2017年 |
農業
×観光農園
×農泊
×加工
×飲食業
- ブルーベリー
- 観光農園
- 農泊
- 加工
- 飲食業
つくしファームの打越義之さん、美保子さん夫妻は、憧れであった〝農的な暮らし〟を求めて関西での会社員生活から心機一転、東北・岩手で理想の物件と出会い、新規就農。東北で栽培が盛んな作物の一つであるブルーベリーの栽培を柱に、さまざまな事業を手掛けている。
ブルーベリー農業をメインに、多彩な〝スモールビジネス〟を展開。
“ブルーベリー 広大な土地 離農農家”検索で手に入れた人生第二の故郷
移住を考えたのはいつごろですか?
ある1本の映画がきっかけでした。中井貴一さん主演の『RAILWAYS』という、49歳で電車の運転士になる夢を叶えた男性の物語。ちょうど自分も49歳。そんなとき、昔読んだ本の中に北海道でアリス・ファームという農園をされ、ブルーベリーの栽培のことも書かれていて、こんな農業もいいなあ、と思って、田舎の物件を探し始めたのが最初です。
ブルーベリーは冷凍して二次加工品に
ブルーベリーの栽培のこと
初年度の収量は1300本で450キロ、現在は1トン越え
本格的な農業経験はまったくのゼロ。まずはブルーベリーに関するさまざまな本を読みました。それからYouTubeもたくさん見ました。ものすごい量のブルーベリーが一斉に成るので、二人でやっても追いつかない。摘み取りに関しては、その後は親しくさせてもらっている、近所のお母さんたちが手伝ってくれるようになり一気に解決しました。
ブルーベリー貯金
収穫の対価は、収穫したブルーベリーの3割をお渡しするやり方。持って帰らない方にはうちで冷凍しておいて、あとでジャムを作ってお渡しする「ブルーベリー貯金」という仕組みも。
選定で切った枝は毎年テニスコート一面くらいに
販売は、ほぼ全量が直販
教えは「農家は販路を考えないといけない!」
初年度は、元々の土地のオーナーさんからご紹介いただいた卸売会社にブルーベリーを販売していましたが、2年目は価値を認めてくれるところに売り出したいと。さらに売り先を模索しました。
「え、これブルーベリーなの? 大きい!」
まずは知り合いに、生のブルーベリーを直販で販売したらすごく好評で、これならいけると思い、メールなどで売り込んでいったら、徐々に毎年買ってくれるリピーターが増えていきました。
ここ遠野周辺では、生のブルーベリーはスーパーなどの売り場に並びますが、自分の出身地の関西では見たことがなかったんです。そこで、まずは知り合いに、生のブルーベリーを直販で販売したらと思い始めたんです。「え、これブルーベリなの? 大きい!」って、すごく好評に受入れていただけました。
まずは、ドックトレーナー時代のお客さんから
自分は関西でドッグトレーナーもしていたので、そのお客さん向けにメールなどで売り込んでいったら、徐々に毎年買ってくれるリピーターが増えていきました。
剪定の重要性を学び、実践する
剪定して実が大きくなれば、作業効率も、商品としての価格も上がります。とにかく剪定をすることが大事。「切って後悔することはない」という教えを守り、枝や花芽などを大胆にカットしています。
複数のスモールビジネスで稼ぐ
一日一組限定のお好み焼店を敷地内に開業
観光農園に、農家民泊も開業
最初は住宅宿泊業法の民泊、3年目には旅館業法の簡易宿所営業を取得しました。最初は、遠野市が進めているグリーンツーリズム(都市農村交流)の関係で、関東などの修学旅行生を受け入れることが多かったです。
コロナ禍で宿泊がダメならお好み焼店を!
コロナになってしまい、宿泊客がパタンといなくなってしまって…。そこで始めたのが飲食業です。関西出身ということで、1日1組限定のお好み焼き店を敷地内に開業。こちらは地元からの利用が多いです。
公式HP・SNS
取材・文=乾祐綺 写真=乾祐綺 編集=養父信夫