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【漁業】先輩インタビュー

先輩インタビュー
漁業

野田村が誇る日本の宝
「荒海ホタテ」を絶やさぬために

養殖業 安藤正樹(あんどう・まさき)さん

全国初のGI登録ホタテは
わたしたちの誇り

 外洋で育てる「荒海ホタテ」は、荒海に揉まれることで身が筋肉質になり、1~2年をかけて肉厚を増しておいしくなります。貝の表面に付着物が少ないのはカゴで育てること、そして成長過程で何度も丁寧に汚れを落としきめ細やかな成長管理をしているからです。弾力のあるプリプリ食感がもたらすおいしさと美しい見た目は2017年にホタテでは全国初のGI(地理的表示保護制度)に登録されました。地域の宝である「荒海ホタテ」をわたしたち野田村の漁師は心から大切に育んでいます。

安藤正樹さん画像

「荒海ホタテ」生産や販売に従事する仲間を「荒海団」と呼び、学校給食への提供やさまざまなイベントを通して普及活動を行っています。東日本大震災で壊滅的な被害を受けた野田村の水産業ですが、奇跡的に残った1隻の船に漁師みんなが乗り込み、ホタテの種苗を収穫したことで、今につながっています。全国からの支援や「荒海ホタテ」の熱烈なファンの応援に応えるためにも、野田村の魅力とともに、「荒海ホタテ」を守り、伝えていくことがわたしたちの使命です。しかし、高齢化による担い手不足はわたしたちが抱える深刻な問題。野田村の美しい自然をフィールドに、わたしたちと共に活動する仲間を待っています!

住めばきっと好きになる、育てあいの心が宿る野田村

 ホタテ生産の仕事は朝早く、3時半には出港し、ホタテの水揚げをします。7時に朝食と休憩をとったら8時からは水揚げしたホタテを丁寧に洗う作業を行います。昼食をはさみ、午後からは養殖カゴやネットの洗浄、沖に浮き玉を設置するなどの日常的な作業をこなし、日没とともに1日の仕事を終えるのがルーティンです。

安藤正樹さん画像

1~3月を除くほぼ1年を通して出荷される養殖業の楽しさは、なんといっても「荒海ホタテ」の収穫時。荒海団の直売イベントなどで「おいしい!」と言ってもらえることが何よりの励みになっています。休みがないと思われがちなホタテ漁師ですが、朝が早い分、夕方以降は自分の時間として使うことができ、冠婚葬祭や家族の行事があるときは仲間がしっかりサポートしてくれます。

野田村には都市部のような派手さはありません。なんでもそろう都会と比べて不便を感じることもあるかもしれません。しかし、それ以上に魅力なのが海、山、川がもたらす自然のめぐみと人々のやさしさです。村のテーマ「育てあう」は言葉だけでなく、住むことで実感できるはず。まずは気軽に遊びにきてください。きっと野田村が好きになりますよ。

そもそも漁師ってどうやってなるの?

これまで漁師は家業を継ぐのがセオリーでした。しかし、後継者不足から担い手確保が困難となり、近年では地域おこし協力隊などを通した担い手募集を行っています。未経験者の場合はまず、漁協の組合員になるか、地域おこし協力隊になり、漁家(ぎょか)のもとで漁師の仕事を学びます。まずは3年を修行期間とし、そこで自分に向いているか、やっていけるかを判断すると良いでしょう。一人前の漁師になるには10年はかかると感じています。自然相手の漁は経験を積むことがとても重要です。10年を長く感じるか、短いと感じるかは人それぞれ。その間、しっかりと技術を磨くことが成功の秘訣です。

資金面のお話

漁家として独立するには、船や漁のための道具などが必要になるため、初期投資はかかります。当面の生活費のことも考える必要がありますので、いきなり船を持つのではなく、漁協の定置網船の乗組員として働きつつ、他の漁家から少しずつ養殖技術を学ぶと良いでしょう。今後は、高齢や後継者不足により引退する漁家から船や資材を引き継ぐこともできるかもしれません。そのマッチングをするのも荒海団の大きな役目。漁師の仕事はカレンダーどおりではなく、海の状況で決まるハードな仕事ですが、その分やりがいを感じながら収入を得ることができますよ。

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