滋賀もりづくりアカデミー 琵琶湖を育む滋賀の地で林業を学ぶ



滋賀の森林と琵琶湖の特徴
滋賀の森林は日本最大の湖である琵琶湖と一体となり、豊かな四季折々の風景をつくりだしています。
同時に森・川・里・湖が一体となった生態系、自然界の循環によって育まれた琵琶湖は、人々の暮らしと切り離すことのできない、何ものにも代えがたい貴重な財産です。


滋賀県提供
滋賀の林業の
「これまで」と「これから」
戦後、滋賀県は荒廃した国土の保全や拡大する木材需要に対応するため、スギ・ヒノキなどの植林を推進しました。その後、下刈りや間伐などの森林の育成に取り組み、森林資源は「利用期」を迎えています。
しかし、高度経済成長期の外国産木材の輸入増加や薪炭から化石燃料への転換、生活様式の変化により、森林・林業に対する人々の意識や関心は離れてしまいました。

昭和初期森林荒廃状況
一丈野国有林(大正2年)
出展:近畿中国森林管理局webサイト

現在の復旧状況
一条の国有林(平成30年)
出展:近畿中国森林管理局webサイト
滋賀の森林は、琵琶湖の水源地という位置づけだけでなく、木材資源の供給・県土の保全・地球温暖化の防止など、大切な役割を果たしています。
また、森林資源が充実し、その多くが伐採期を迎えるなか、伐採などの作業にあたる林業の担い手は年々高齢化し減少しています。
私たちは、長期的な展望でこれらの課題に対応し、県産材の利活用を通じて持続可能な社会の構築に寄与する森林づくりを進めること。さらに琵琶湖と人々の暮らしを支える、かけがえのない滋賀の森林を健全な姿で未来に引き継ぐことが求められています。

緑豊かな滋賀の森林
滋賀県提供

滋賀もりづくりアカデミーとは?






- 新しい林業の担い手づくりと
滋賀もりづくりアカデミーの設立 -
滋賀の森林は県土の約半分の面積を占めています。
充実した人工林をはじめとする森林資源を背景に、
主伐・再造林などの森林づくりを積極的に進めていく必要があります。
森林を支える林業の担い手を確保し育成していくこと。
さらにICTなどの新たな知識や技術への適応や、高度なスキルの獲得が求められています。
これらの課題に対応するため、令和元年6月に森林・林業人材の育成を図る
「滋賀もりづくりアカデミー」を開講しました。


アカデミーが掲げる
4つの理念
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安全
二度と悲劇を
繰り返さないため、
森林で働くすべての人に新たに林業に参入されるみなさんが「安心」して「安全」に作業ができる人づくりをめざします。
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効率
林業の現場にも
働き方改革の導入をこれまでの経験を踏まえ、快適に作業ができる新たな技術や考え方をもった人づくりをめざします。
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活力
バイタリティーをもった
人づくりで「やま」を健康に山村で暮らし働くことで「やま」を健康にする、そんなバイタリティーを持った人づくりをめざします。
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改善
アカデミーが変える!
林業を変える人づくりをICT技術革新により、林業の世界が大きく変わろうとしています。だから、アカデミーで林業を変える人づくりをめざします。
アカデミーの特徴・学習内容

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新たに林業への就業を目指す方へ
新規就業者コースは、新たに林業に参入されるみなさんを対象とした研修を行います。森林での作業を安全に行うために、森林・林業についての基本的な知識や技術を習得できます。身につけた知識・技術を生かして、滋賀の山村に活力を与えてくださる方をお待ちしております。
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滋賀もりづくりアカデミーの特色
短期間(約6ヶ月)で、林業の基本的な技術と知識の習得を目指します。
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短期間で習得できるの???
講義による一般的な知識習得のほか、木材市場等への視察研修、チェーンソーやバックホウの基本的な技術習得できるカリキュラムです。大工、農業、森林・山村の3つのコースより選択し、10日間の研修を受ける田舎暮らし編では、多様な技術や暮らしの知恵を学びます。研修の最後の仕上げとして、2ヶ月程度、実際の林業の現場で職業体験をして、実践的な技術を学ぶ林業インターン編があります。
-
アカデミーで取得できる資格
「新規就業者コース」を受講すると、次の資格等が取得できます。
① 伐木等の業務にかかる特別教育 ② 刈払機作業の従事者安全衛生教育 ③ 小型車両系建設機械特別教育(3トン未満) ④ 車両系木材伐出機械(走行集材機械)運転業務特別教育 ⑤ 車両系木材伐出機械(伐木等機械)運転業務特別教育 ⑥ 普通救命講習

募集概要
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新規就業者コースでは、
新たに林業への就業を目指す方を対象に研修を行います。
森林や林業についての基本的な知識や技術を習得し、
山村に活力を与える人材を育成することを目的としています。
- 募集定員
- 前期・後期 各3名程度
- 受講経費
-
無料
テキスト、服装・装備、保険料、資格取得等にかかる費用は実費負担となります。
※資格取得および宿泊を伴う研修にかかる経費については助成制度があります。詳しくは滋賀もりづくりアカデミー事務局にご確認ください。
- 応募資格
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申込時点の年齢が50歳未満の方
林業への就業の意志のある方
- 研修期間
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後期:令和5年9月4日(月)~令和6年2月22日(木)
※日程は都合により変更になることがあります
- 応募期間
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後期:令和5年4月3日(月)~令和5年8月10日(木)
※当期の募集は、お蔭を持ちまして定員に達し終了しました
新規就業者コースでできること
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- 林業編
- 森林や林業に関する基本的な講習のほか、チェーンソーなどを使った基礎的な実習を行います( 労働安全、林業経営、造林など)。
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- 田舎暮らし編
- 地域に根差した職業体験や田舎暮らしを実践し、多様な技術や暮らしの知恵を学びます( 1 農業 2 大工 3 森林・山村 の3コースから選択 )。
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- インターン編
- 林業会社などの受け入れ先に受講生を派遣し、実際の林業の現場で2か月程度の職業体験を行います。

講師メッセージ

滋賀もりづくりアカデミー
講師田中 崇弘
安全第一で重機やチェーンソーなど誤った使い方をしないよう、基本的な操作を繰り返し行うことに重きを置いています。山の仕事は多岐にわたるので、アカデミーの研修で興味を持った道に進んでもらえればと思います。
滋賀での暮らしを
イメージするには?
-
滋賀県へ移住した人々のインタビューや
イベントのレポート、移住支援制度の紹介など、
移住に関することならここ!
移住ポータルサイト「滋賀ぐらし」へ!

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知事メッセージ
この特設ページを
お読みのあなたへ

滋賀県知事の三日月大造です。この文章に目を通してくださり、ありがとうございます。きっと、ご興味があってこの冊子をご覧になっているのだと思います。これも何かのご縁だと思いますので、あなたの貴重な時間を少しいただいて、これを読み進めてくださると幸いです。
さっそく本県の森林・林業の話題に入りますが、本県の森林は、資源がどんどん充実しており、伐採適期を迎える森林が増えてきています。このため、今後は木材生産量もさらなる増加が見込まれます。
また、近年の台風などの自然災害では、強風によって発生する風倒木処理の対応が求められるとともに、放置林対策や県産材利用などを進めていく必要があります。これらのことから、本県の森林・林業における事業量はより一層増加していく見込みです。その一方で、これらの業務に対応する林業従事者の方々は、年々減少と高齢化が進んでおりますし、ひとりが1日に行う業務量である労働生産性は、低い状態にあります。
これらの課題を解決するために、令和元年6月に「既就業者」、「新規就業者」、「市町職員」を対象とした新たな森林・林業人材育成機関として、『滋賀もりづくりアカデミー』を開講しました。このアカデミーにかける私の思いとして、3つのことを紹介します。
1つめは、滋賀ならではのことをやっていきたい。真ん中に琵琶湖のある本県は、周囲を山々に囲まれています。山と湖とは離れていますが、川や里とのつながりを通じて結びつきは比較的近いと感じられることから、「森~川~里~湖」を意識した森づくりをやっていきたいのです。
2つめは、『やまのこ』からの継続性・連続性を大事にしていきたい。
『やまのこ』は、本県独自の取組で、県内全ての小学4年生を対象としており、「やまのこ」、そして小学5年生で「うみのこ」とそれぞれの学習を行っています。この『やまのこ』で学んでもらったことが将来に繋がって欲しいと思っています。
3つめは、山村で暮らす生業づくりにチャレンジしていきたい。アカデミーでは、林業技術を身につけるだけでなく、山村での暮らしを通しての生活の知恵や技術をどんどん身につけていただき、生業づくりにチャレンジしていただきたいと思っています。本県の森林・林業、山村地域には課題があります。ただ同時に課題は可能性です。課題を問題だと捉えて尻込みをしてしまうのか、可能性だと捉えて一歩前に出るのか?私たちは、みんなで力を合わせて一歩前に出て、よりよい山にして次の世代に引き継いでいきたいと思います。ぜひ、一緒にやりましょう!

お問い合わせ
滋賀もりづくりアカデミー事務局
(滋賀県林業普及センター内)
〒520-2321 滋賀県野州市北桜978-95
TEL:077-584-4711 FAX:077-584-4755
E-mail:kenshu@shigamori.or.jp
