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漁業|先輩就業者インタビュー

転職がきっかけで漁師に転身。独立併用型の制度を活用し、採介藻と小型定置網漁の二刀流!

山口県阿武郡阿武町(採介藻・小型定置網漁業) 松田 穣さん

子供の頃から「大好きな海で仕事がしたい」と夢見てきた松田さん。話で聞く「漁師を仕事にする難しさ」に一時は諦めていましたが、引っ越し先で後に師匠となる漁師と出会うことで事態は好転。家族の応援と県や町の手厚い支援を受けて、40代半ばから漁師に転身しました。

どうして「漁業」を仕事に?

どうして「漁業」を仕事に?

出身は瀬戸内側の山口県宇部市で、首都圏の大学を卒業後は幾つかの職種を経験し、一時は沖縄県や静岡県に住んでいました。ホテルに勤務していましたが、2011年に萩市内で転職することになり、そのタイミングで阿武町奈古に家族とともに移住することになりました。実は、母方の祖父が広島県尾道市の島で「漁師」を生業としていたこともあり、小さな頃から海に親しみ、将来は海に関わる仕事に就きたいという思いを漠然と抱えていました。大学でダイビング部に所属していたのも「海が好き、ほっとする」という感覚があったからだと思います。

「漁師」になることは何度も考えて、情報収集はしていました。沖縄県で働いていた時も、地元の漁師に漁業のスタイルや実情などを聞き、船や漁具などに大きな初期投資が必要なことや、軌道に乗るまで年数がかかることなど、夢の実現はかなり難しいというイメージを持っていました。

その後、奈古で生活するうちに近所に住む「海士(あま・素潜り漁)」をしている漁師の高橋さんとお祭りで話をする機会があり、「採介藻(さいかいそう・素潜りでアワビ、サザエなどを漁獲する漁業)」と「小型定置網漁」の乗組員の仕事で生計を立てていることを知って、俄然興味を持ちました。更に山口県には手厚い研修制度があることも知り、2017年7月に「山口県漁業就業支援フェア」に早速参加。指導漁師とのマッチングを経て、10月から2年間の「長期漁業技術研修」を開始し、2019年10月に独立を果たしました。

「漁業」を仕事にする上で大切なことは?

「漁業」を仕事にする上で大切なことは?

漁師は「食を支える社会的意義のある仕事」なので、とてもやりがいを感じています。現在、野島水産という網元の小型定置網漁のグループに所属し、年間で300日ほど出船して主にイカ、ブリ、ヒラマサなどを水揚げしています。海士の方は、海の状況を見ながらなので操業できるのは年間で50日ほど。ウニの他、アワビやサザエ、時期によっては高級食材の黒ナマコを獲る時もあります。イメージとしては、小型定置網漁が「固定給」で、採介藻がすき間時間に稼ぐ「歩合給」といった感じの二刀流です。海士の水揚げは、磯焼けの影響もあって昔よりも少なくなっていますが、今後は手が回っていない加工品なども手掛けていきたいと考えています。

私が漁師の仕事で大事だと思っているのは「人付き合い」ですね。年上だろうが年下だろうが、この業界で先に活躍されている方は誰もが先輩なので、「素直になって、言われたことを学ぶ」のが、一番重要だと思います。小型定置網漁の船上では、時には怒号が飛びますが、それもこちらの「身の安全」を思ってのこと。最初はビックリしますが、危険と隣り合わせの海の上ではそのようなものだと思えるようになりました。仕事が終わっても引きずることはありませんし、こちらは反省材料として受け止めればいいだけですから。

小型定置網漁は特にチームワークが重要で、網を上げるタイミングなどはきっちり合わせないといけません。時には潮が影響したり海藻が絡んだりするといったトラブルも発生するので、周囲を気遣いながら作業するのはとても大切なことです。海士の仕事でもコミュニケーションは不可欠です。こちらも漁港のメンバー間で「あそこは最近行っていないからどうだ?」といった情報交換を行います。いざという時のため、海に出る際は自分の判断だけでなく、仲間の意見も聞いて決して一人では漁に出ないよう心掛けています。

1トンの漁船を無理なく入手
県や町が船などの初期投資をサポート
漁をするためには船や漁具は欠かせません。総トン数1トンほどの中古の小型船ですが、山口県と阿武町からの補助金を活用して半分を捻出。残り半分はリース契約にすることで貯蓄を切り崩すことなく入手できたといいます。
1トンの漁船を無理なく入手
町議会議員に当選
漁師と二足のわらじで地域振興にも挑戦
2021年4月、松田さんは町議会議員に当選。移住して間もないながらも初出馬で見事に選ばれました。周囲の方からは「朗らかで話上手」、「物腰の柔らかい方」という人物評。移住者が当選するのは初めてのことだそうです。
町議会議員に当選