林業|先輩就業者インタビュー
どうして「林業」を仕事に?
服飾の専門学校を卒業後、12年間にわたり歌舞伎の舞台衣装の仕事をしていました。そんな私を林業の仕事へと導いたのが、妻の古里である大阪の神社の境内にそびえ立つ一本の巨木です。
およそ1000年の樹齢を誇る雄大で美しいクスノキの佇まいは、一瞬にして私を魅了して、木や木に関わる仕事への関心が沸き立ちます。「常に自分が面白いと思うことに挑み、極める」という自身の信条もあり、変化を恐れずに林業への転身を模索することにしました。
タイミングよく、舞台の空き時間で参加ができる「森林の仕事ガイダンス(大阪)」を見つけ、そこで(一財)やまぐち森林担い手財団の方から林業の仕事や山口県の林業の状況などを詳しく聞くことができました。以後、たくさんの相談を重ね、まずは製材・木材加工を行う山口県内の会社に就職します。そして約1年半前に林業の川上にあたる生産の仕事に就くために森林組合に転職。
現在は間伐、主伐、集材などを行う作業班の一員として、木材生産を担当しています。この仕事のやりがいは、間伐などによって森に光が差し込む瞬間を目の当たりにできること。昨日まで薄暗かった山林が明るく生まれ変わる…つまり人の手が加わることで森の環境を守っているのです。
林業で叶えたい私の夢は「100年、200年…1000年と生長した木々が生い茂る壮麗な森を、未来の子供たちに残したい」ということ。今後は、その土台作りとして「森に触れ、森を育む」機会を作っていきたいと考えています。
「林業」を仕事にする上で大切なことは?
現場での仕事でまず直面したのが「体力不足」です。就業当初は歩けなくなるほど体力を消耗し、疲労と不安の毎日でした。しかし、1年も経てば業務とともに山の環境にも慣れて、今では体力面の不安もなく仕事に取り組めるようになりました。
さまざまな「林業技術」は、現場で働きながら身に着けることができます。国の「緑の雇用」事業(8カ月/年)に加え、山口県ではプラス4カ月の1年を通じたOJT研修をサポートしてくれるので、機械の資格など12種類を取得しています。「林業技術」のスキルアップは、目の前の作業を安全かつ効率的に進めるためにも非常に重要で、それがハードな仕事をそつなくこなせるコツなのです。また、林業の仕事は想像以上にハードなので、「ある程度の覚悟」も必要だと思います。
- 安全で効率的な林業へ
- 高い技術力はもちろん、チームワークが鍵に
- チェーンソー防護衣の着用や高性能林業機械の導入など、安全対策が進められていますが、危険を伴う作業が林業にはたくさん存在します。そんな林業現場では、技術力とともに作業員同士のチームワークが欠かせません。
- 林業従事者の生活リズム
- 暮らしの変化で子どもと向き合う時間が増加
- 8時ごろから山に入り、16時半には下山して17時に終業というのが基本的なスケジュール。休日が少なかった舞台衣装の仕事と比べ、オフの時間が増え、子どもと過ごす時間が持てました。