「担い手支援日本一」が旗印―山口県の農林漁業の就業支援策
「担い手支援日本一」が旗印
山口県の
農林漁業の就業支援策
これまで山口県の農林漁業を支えてきた方々の高齢化が進み、その担い手不足が喫緊の課題です。三方が海に開かれ、豊かな森林と自然環境に恵まれた山口県。その農林漁業は多様性に富み、大きな可能性を秘めています。今、山口県では「担い手支援日本一」を旗印に、県・市町・団体などが一体となって農林漁業の担い手確保と育成に力を入れています。農業・林業・漁業の仕事に関心がある方、自然環境を重視して移住先を探されている方は、
ぜひ山口県にご相談ください。
- 自営就農も法人就業も、手厚い支援で
毎年100名以上が農業に! - 山口県でも農業従事者の減少と高齢化は深刻な課題です。中でも高齢化は、平均年齢70.3歳(全国2位)と待ったなし。そこで、「担い手支援日本一」を旗印に新規就農者を県内外から募り、農業未経験者を育成し、定着を図っています。
誰もが不安なお金の面は、バックアップを強化。新規就農者には国の給付金制度がありますが、県独自の支援策も整備しています。例えば、国の制度では賄えない50歳以上の方への研修支援や、農業法人に就職して農業を始める方のスキルアップのために、雇用する法人に対して、最長5年間(年間最大120万円)の研修費用の助成も行っています。
就農を成功させるポイントは、しっかりと時間をかけて検討し、自分に合った具体的な計画を立てること。就農を考える方への情報提供の機会として、山口県では県内や首都圏などで「セミナーや相談会」を開催しています。その他にも、先輩就農者や農業法人をバスで回って話を聞く「見学ツアー」や、農作業の「お試し体験」、営農技術を学べる「やまぐち就農支援塾」など、県・市町・団体などが一体となり、イメージを具体化させる機会や研修も整えており、相談者にとってのベストな道筋を一緒になって考えています。
どこで・どんな農業に取り組むのかが決まったら、師匠となるような指導農業士を紹介。実践的な技術や経営指導はもちろん、この指導者との繋がりが農業への定着や地域への定住をスムーズなものにしています。


- 就業前から就業後まで、一貫した支援を実施!
若手リーダーの育成に注力! - 森林内での林業の仕事は、ハードかつ危険も伴いますが、環境保全に貢献ができる仕事です。山口県では、就業までを段階的に支援しており、情報提供の機会として「就業ガイダンス」や現地での「仕事見学ツアー」で、高性能林業機械を使用した仕事の見学やチェーンソーなどにも実際に触れることができます。また、「林業のインターンシップ」などを開催し、林業に興味を持った方と就業先とのマッチングをサポートしています。
また、県独自の取り組みとして就業前に木材生産に必要な資格や知識・技術を5カ月間で取得できる「林業即戦力短期育成塾(YAMA JOB!)」を開講し、就業後に即戦力として活躍できるように支援しています。そこでは、研修施設でチェーンソーなどの基礎的な技術と、高性能林業機械の操作技術を集中的に受講できるカリキュラムを準備しており、初心者でも取りかかりやすい操作シミュレーターを使って学べるほか、実際の作業現場での現地実習も行います。期間中は一定の要件がありますが月額12万5000円の給付金も受けられるので、就業前の方でも安心して受講できます。
さらに、就業後の3年間は、国の「緑の雇用」事業の研修生として、林業の基本から応用技術まで、現場で働きながらオールラウンドな技術を学ぶことができます。国の「緑の雇用」事業の研修は年間8カ月ですが、山口県では独自に4カ月を追加し、1年間を通じてOJT研修を実施する体制を整え、林業を次代へと繋ぐ若手リーダーの育成に力を入れています。


- 漁村とのマッチングを重視。
長期漁業技術研修後の高い就業率の理由がそこに! - 新規漁業就業者の確保や育成については、約20年前から山口県独自の漁業研修制度を設け、窓口の「山口県漁業就業者確保育成センター」に在籍する県内全域の漁業や事情に精通した「漁業就業促進支援コーディネーター」を中心に、情報提供や相談、漁業体験・長期研修・就業後のフォローまで、きめ細やかなサポートを行っています。
漁師になるには、漁業を営むために必要な漁業技術の習得だけでなく、船に乗る以上は誰もが経験する船酔いや、人付き合いを大切にする漁村の生活スタイルなどへの適性の確認が重要です。漁業就業希望者は、例年8月頃に県内で開催される「山口県漁業就業支援フェア」に参加し、研修指導者となる現役漁師とその場で面談。その後、短期の漁業研修(最大1週間)で船酔いや研修指導者との相性などの適性をしっかり確認したうえで、就業に向けて技術や知識の習得を行うための2年間の長期漁業技術研修に入ります。長期研修期間中には、漁船を操縦するうえで必要な小型船舶操縦士免許や海上無線免許をほぼ無償で取得することができます。
この他にも、山口県では県独自に長期漁業技術研修を修了し漁業を始める方に対し、3年間360万円の給付金を行う支援や、漁船や漁具をリースする際は400万円まで支援するなど、山口県で独立して漁師になる方をサポートしています。

