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トウモロコシ・キュウリ農家 近藤慎吾さん・かおりさん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 03
トウモロコシ・キュウリ農家
近藤慎吾さん・かおりさん
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山梨県に就農したきっかけ、経緯は?

かおり:二人とも販売職で同じ会社に勤めていましたが、色々と先行が不安でした。祖父母が兼業農家で、父がその土地でやっている家庭菜園を夫婦で手伝って、農業は自分たちの力でできる仕事かなと思いました。
慎吾:収穫したニンジンやジャガイモは直売所に持って行き、お客さんが手に取っていくのをずっと見ていました。自分で育てた農産物の販売もやってみたいと思いました。
かおり:移住先は山梨県の一択でした。旅行でよく訪れていて、星空がすごくキレイで山に囲まれる自然が感動的だったので移住したいと思っていました。農業をやろうと決めてから移住するまでは半年ぐらいでした。ただ、知らない土地にいきなり行くのはさすがに不安だったので、夫は農業求人サイトを使って有機農業支援隊として農家に1カ月勤め、私は山梨県立農業大学校で研修を受講した後、2016年に農業次世代人材投資資金(経営開始型)を活用して二人で独立就農しました。

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作物・農地はどのようにして決めましたか?

かおり:山梨県立農業大学校の臨時教師が中央市で出張講義をしてくれた際、市の農業振興公社の方から土地があると紹介がありました。ちょうど農地を探していたので、せっかくなのでここでやろうと決めました。
慎吾:作物は中央市の特産品がトウモロコシなので、そのままやろうと思いました。キュウリの畑5畝(約5a)も借りられることになり、土地に合ったものを作るのが確実だと思って始めました。トウモロコシは6月に収穫が終わる作型なので、8月半ばから10月半ばまでキュウリで収入を得ています。トウモロコシとキュウリは、主にJAに出荷。ECサイトや道の駅、対面販売もしています。 トウモロコシの農地は、初年度2反(約20a)で始めて、2年目は5反(約50 a)で、増やしたいと思っていたところに地域の人から声がかり、3、4年目は使ってと言われるままに借りて5年目の現在は9.5反(95a)になりました。

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就農する際に困ったことは何ですか?

慎吾:初年度は収入がないので貯金がどんどん減っていき、宅配便の配送センターでアルバイトをしなければならず、農業にかける時間が減ってしまうというジレンマがありました。
かおり:私も短期でバレンタインのチョコレート販売のアルバイトをしました。住まいを探すのも大変でした。不動産会社には農家仕様の作業場のある物件がほとんどないんですよね。最終的に地域の農業の師匠が紹介してくれました。それまでは30分かけて畑に通っていました。

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農業をするうえでのこだわり、心がけていることは?

かおり:こだわりを持ちすぎず、素直に話を聞くことを心がけています。そうすると、周囲の人がいろいろ教えてくれます。栽培は地区の人が丁寧に細かくやっている畝立てや消毒などを可能な限り取り入れています。
慎吾:接客業をしていたので、お客様に対面販売するときは丁寧な応対を心がけています。知り合いのサクランボ観光農園の駐車場でトウモロコシを軽トラいっぱいに積んで売らせてもらっています。看板やチラシを作り、レシピを付けて販売するなど、「しゃんと畑」という農園の名前を売っていきたいです。トウモロコシは生でも食べられるゴールドラッシュという品種で、その場で切ってお客様に試食してもらっています。お客様に目の前で「とっても甘い」とか「おいしい」と言ってもらえるのはうれしいです。

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山梨に移住就農してからの生活はどうですか?

慎吾:3匹の猫を飼いました。日の出から働く日もあれば、ぜんぜん働かない日もあって、前職でショッピングモールの店舗で働いていたときよりも自然な生活リズムがつくれています。昔は自然を見るために旅行していましたが、遠出をしなくなりました。温泉にはよく行きます。趣味の写真はいつでも撮れると思うと撮らなくなりました。紅葉は近くにあるし、家から見る星が一番キレイなので。会社員時代と比べてストレスはないです。
かおり:農業は一人ではできないと痛感しています。二人でやる作業が多く、夫婦であれば距離が近くてやりやすいと思います。機械作業や営農計画は夫、紐を結ぶ作業や経理は私、苦手な作業を補い合えるのがうまくいく秘訣です。農林水産省の農業女子プロジェクトややまなし農業女子などで同世代の仲間がいて、大先輩もいるし、補い合える夫もいて、人に恵まれて農業をしています。

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今後の目標をお聞かせください

慎吾:5年間の農業次世代人材投資資金(経営開始型)の給付金が今年で終了し、自分たちの力でどれだけ稼げるか来年からが本番です。トウモロコシの規模は、二人で収穫できる限界に達したので、獲り残さないように計画的に作り、単価を上げる工夫をしていこうと考えています。地域では高齢で農業をやめてしまう人も多く、若手として期待されているからには、トウモロコシで一時代を築いた地域をもう一度盛り上げていきたいですね。

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就農希望者へメッセージ

慎吾:面積に応じた収入の指標はありますが、新規でいきなり大きく稼ごうと思わないほうがいいです。気候や土の状態、技術が揃って初めてそれだけの金額が稼げます。地域の先輩の話を聞いていけば確実に収入も増え、栽培技術がどんどん上がって楽しく農業ができるようになると思います。
かおり:山梨は盆地で日本一の日照量。寒暖の差が大きく、山に囲まれて災害があまりなく、条件がいいので農業がやりやすいと思います。新規就農者のサポートや実体験の共有などできればとも思っています。

お問い合わせ

農業に興味がある方、山梨県に移住したい方はこちらよりお問い合わせください(山梨県HPにジャンプします)。

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