果樹農家 小笠原康晴さん

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果樹農家 小笠原康晴さん

山梨で生きる就農ライフ -Live in yamanashi-

INTERVIEW 06
果樹農家
小笠原 康晴さん
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山梨県に就農したきっかけ、経緯は?

自分のワインをつくることを目標に北杜市で農業法人を立ち上げました。前職はホテルマンでした。さまざまな仕事をしましたが、ソムリエの資格を得てワインに興味を持ったことが就農のきっかけです。山梨県を選んだ一番の理由は、首都圏から近いことですね。
2014年3月に退職して4月に移住。山梨県立農業大学校で果樹の研修を経て、2015年4月に農業次世代人材投資資金(経営開始型)を活用して独立就農しました。
現在、ブドウ醸造 90a(未成園)のほか、ブドウ生食 60a、モモ30a、西洋梨50aを栽培しています。北杜市は果樹の産地ではありませんが、市内の明野町では醸造用のブドウ畑が増え、大手・中堅ワイナリーが醸造所を建てはじめ、これからのワイン産地として注目されています。今後、私を含めた小規模事業者がワイナリーを建てようと動いているところです。

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就農するにあたって困ったことはありますか。

土地も販路もない中で、すべて自分で手探りの状態で始めたので、たくさん苦労はしました。果樹の産地ではないので作った果物は自分で売らなければなりません。生計を立てることが難しく、初年度は夜、アルバイトもしました。
特に苦労したのは、畑を借りることです。山梨県立農業大学校での研修が終わる頃になってもアテがなく、毎日研修を受けながら、どうやって生活していこうかと胃や頭が痛くなるほど思い悩みました。そんな時に新規就農の先輩に相談したら、「とりあえず動け」と。「自分は動かないでした後悔よりも、動いてした後悔の方を取る」と言われました。今もそれが私の座右の銘。新規就農者にも伝えたいですね。
わからないことは人に聞くようにしたり、技術の高いところで研修させてもらえるよう自ら動きました。自分の農業スタイルを自分で考え行動して作っていくことが私の性に合っていると思います。

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畑、作物はどのようにして決めましたか。

山梨県立農業大学校の研修先の農家から、明野町の生食用ブドウ20aと桃10a及び高根町の農家から西洋梨40aを引き継いで営農を始めました。農業の目的はワイン作りですが、生食の果樹を栽培しているのは、生活を成り立たせるためです。5人の子どもがいるので経営を軌道に乗せなければなりません。ブドウ、モモ、西洋梨のほか、試験的にスイカとメロンを栽培しています。
私が借りている土地のほとんどは元々有休農地で山林化していました。そこを開墾して農地にしています。礫地が多く耕うんしにくい土地ですが、果樹栽培には適していると思います。

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北杜市の魅力は何ですか?

北杜市は醸造ブドウにとって適地だと思います。病気や害虫は比較的少なく、自然栽培もしやすい環境だと思います。私は今後有機JASを取って、醸造ブドウと西洋梨を有機栽培しようと計画しています。
北杜市の魅力のもう一つは、観光資源が多くあることです。飲食店や宿泊施設が多くありますが、地産地消する地元のワインがほとんどありません。だから、ワインの潜在的なニーズがあります。ロケーションもいいし、農業がしやすく、首都圏に近いことが魅力ですね。

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農業のやりがいはなんでしょうか?

家族といる時間が長いことが一番のやりがいです。5人の子どもは山梨に移住してから生まれましたが、もし東京でホテルマンをしていたら、子どもの寝顔しか見られなかったかもしれません。基本的には保育園に行く以外は家にいるので、一緒に畑に行って遊んでいます。子どもの成長を近くで見られるのはうれしいですね。
販売面では、東京のマルシェに通い、地元でも倉庫を店舗にして対面で販売しています。販売を通してお客様の反応を直接見られることがやりがいです。厳しい評価もいただきますが、おいしいものを作ればおいしいと言っていただけます。

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今後の計画をお聞かせください

将来、ワイナリーを設立する計画です。ワインだけでなく、ポワレ(西洋梨の発泡酒)も生産する予定です。それをうまく軌道に乗せたいです。「これが北杜市の果樹酒だ」という特色のある上質なワインとポワレを作りたいですね。
私のワイナリー設立のもう一つの目的が地域貢献です。ワインは嗜好性が高いものなので多様なワインが作られて初めて魅力的な産地になります。意欲のあるいろいろ人に参入してほしいのですが、ワイナリーを設立しようと思うと、本当にハードルが高いと実感します。後進が根付いてやっていけるように基盤整備をしていきたいと考えています。 具体的には新規就農者が収穫した醸造ブドウを、委託醸造の形で一緒に醸造し、そのワインを自分で販売して、生計を立てていければと思います。そうやって資金を作って小さな醸造所を作っていくことが増えれば、北杜市が魅力的なワインの産地になると思っています。

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就農希望者へメッセージ

農業は一人でやれそうに見えて、実は人付き合いが苦手な人には向きません。個人で入っていくのは覚悟がいるし、相手にも覚悟を感じてもらえなければ動いてはくれません。生き残るためには投資をする勇気も必要です。積極的に動いている人のところへは、支援したい人が現れます。例え小規模であっても農業は事業を起こすことと同じ意味だと思って真剣に取り組めば、環境の素晴らしさや家族と長くいられる時間を享受することができます。

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