
写真左から庄内町農林課の今井さん、河村さん、花き農家の今野さん、池田さん
農業とともに暮らす、庄内町の日常
山形県北西部、庄内平野に広がる庄内町。東には月山へと続く中山間地域が広がり、平成の名水百選に選ばれた立谷沢川の流域には、のどかな里山の風景が今も息づいています。

庄内平野

立谷沢川
自然に囲まれた環境は、子育て世代にとっても魅力の一つです。

と、のびのびとした日々の暮らしを話すのは、Uターンして就農し、JA庄内たがわトルコギキョウ部会長も務める池田さん。商業施設が点在する鶴岡市や酒田市へは車で約20分とアクセスも良好。豊かな自然と生活の利便性、その両方を享受できる環境が整っています。同じくUターンして就農した今野さんが暮らす集落には、同世代の若手農家が多く、日頃から情報交換をする機会も少なくありません。困ったときに相談し合える関係性が、日々の営農を支えています。

町が目指しているのは、農業の担い手を増やすことだけではありません。この土地で人とのつながりを育み、自分らしい営農スタイルを築いていくこと。その積み重ねが、庄内町らしい就農の形につながっています。
水稲×花き。複合経営が支える、庄内町の農業スタイル
庄内町では、水稲を基幹としながら、花きや野菜、大豆、そば、山菜などを組み合わせた複合経営が盛んにおこなわれています。収穫時期や収入源を分散できるため、経営の安定につながることが大きな特長です。なかでも庄内町を代表するのが、トルコギキョウとストックを中心とした花き栽培。東北最大級の花き産地として知られ、高品質な花づくりを支える技術が受け継がれています。

2026年に開催された種苗メーカーさんとの研修会の様子
その生産基盤を支えているのが、約30年前に町が整備した「庄内町種苗センター」です。

年間を通して高品質な苗を安定供給することで、生産者の負担軽減と産地全体の品質向上を支えています。さらに近年は、赤色LEDを活用した長日処理など、新たな栽培技術を導入。開花時期をコントロールし、品質の安定した出荷につなげる取り組みで、町の実証ほ場では新品種の試験栽培やスマート農業の実証も行われています。こうした技術は、県の普及指導機関による巡回指導や、JAが開催する栽培講習会・目揃え会を通じて、生産者同士でも積極的に共有されています。

第一種苗センター(D棟)

池田さんのその言葉からも、生産者同士が技術を惜しみなく伝え合う地域性がうかがえます。庄内町花き振興会には約80人の生産者が所属し、新しい品種や栽培方法にも積極的に挑戦しています。町やJA、先輩農家が一体となって技術を支える環境があるからこそ、新規就農者も安心して花き栽培にチャレンジできるのです。
Uターン就農で切り拓く、それぞれの農業
池田さんが庄内町に戻ったのは25歳の頃。実家は米農家だったものの、規模はさほど大きくありませんでした。そこで着目したのが、当時町が手厚く支援していた花き栽培です。ストック用ハウス2棟から栽培を始め、少しずつ規模を拡大。現在はストック5棟、トルコギキョウ3棟に加え、水稲約17haを手がけています。

一方、今野さんはUターン後に町のまちづくりセンターへ勤務し、3年前から本格的な就農をスタート。初年度から水稲、枝豆、ストックの栽培に取り組み、就農間もなく出品した花はフラワーショーで特別賞を受賞しました。出品する花を選ぶ際には、池田さんからのアドバイスも大きな支えになったといいます。
実はこの二人、幼い頃からの顔なじみ。花き栽培では、池田さんが師匠のような存在です。

と、信頼をにじませる今野さん。特に勉強になっているというのが、「八重鑑別」と呼ばれる、花の色や葉の形から等級を見極める作業です。経験がものをいう工程ですが、池田さんの鑑別率は9割を超えるといいます。

技術を受け継ぎながら、一歩ずつ経験を積み重ねていく。そんな人とのつながりも、庄内町で花き栽培を志す人にとっての魅力の一つです。
また、今野さんは父の代から続く有機農業にも取り組んでいます。合鴨や、田んぼを泳がせて除草を行う「合鴨ロボット」も活用しているそう。

先輩農家から学び、新しい技術も取り入れながら、自分らしい農業を築いていく。そんな歩みが、庄内町での新規就農の可能性を物語っています。

就農前から経営開始後まで。庄内町が伴走する支援体制
農業を始めたいと思っても、農地や機械の確保、栽培技術、経営など、不安は尽きないものです。庄内町では、そうした一つひとつの不安に寄り添い、就農前から経営開始後まで切れ目なく支える体制を整えています。
国の「新規就農者育成総合対策事業」では、就農前の研修支援や経営開始資金、認定新規就農者を対象とした機械・施設の導入支援などを活用できます。さらに、町独自の「庄内町農業本気やる気プロジェクト支援事業補助金」では、機械購入や研修費用の助成に加え、今年度からは施設園芸ハウスの修繕への支援もスタートしました。就農前の準備から経営開始後まで、それぞれの段階に応じた支援を受けられるのも庄内町の強みです。技術面では、県の普及指導機関による巡回指導や、JAによる栽培講習会・目揃え会などを実施。新規就農者の圃場を定期的に訪問し、栽培管理の相談にもきめ細かく対応しています。農地の確保についても、農業委員会やJA、庄内南部新規就農者研修受入協議会などの関係機関が連携し、一人ひとりの状況に応じた支援につなげています。
また、町が所有するハウスでは、約60品種のトルコギキョウの実証栽培を実施。水やりやハウスの開閉を遠隔で管理できるスマート農業システムの導入も進めるなど、省力化につながる技術の普及も。資金面の支援だけでなく、技術を学べる環境や相談できる体制が整っていること。それが、庄内町で安心して農業を始められる理由の一つです。

スマート機器を導入
まずは、庄内町を知ることから
移住や就農を決断するのは、誰にとってもハードルが高いものです。そんな人のために、庄内町にはお試し移住体験施設があります。立谷沢川流域の自然に囲まれた2階建ての建物で、2LDKの居室部分を原則2日以上22日以内、無料で利用できます(寝具は持参またはレンタル)。アルバイト情報などは自分で探す必要がありますが、農家紹介の相談にも応じてもらえます。窓口となるのは、町の企画情報課・移住まちづくり係。就農に関する相談もまずはこの窓口で受け付け、必要な支援制度へとつないでいく体制になっています。

お試し移住体験施設
米どころとしての豊かな土壌に、花という選択肢が加わった庄内町。自分らしい農業のかたちを見つけたい方は、一度、この町に足を運んでみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ
庄内町役場
〒999-7781 山形県東田川郡庄内町余目字町132-1
TEL:0234-43-2211















