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㈱カネカ 食糧生産支援Strategic Unit 毛利 拓さん |
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㈱カネカ北海道 新規事業企画G 大西 崇之さん |
農薬でも肥料でもない、気候変動時代に注目される「バイオスティミュラント資材」
いま注目のバイオスティミュラントは、農薬や肥料とは異なり、「植物本来の力を引き出す」新しいアプローチの農業です。
「本来の力を引き出す」とはどういうことなのか? 順を追って説明します。
そもそも作物は種子の時点で「将来どれだけの収量が得られるのか」のポテンシャルが遺伝的に決まっています。ところが、昨今の不安定な気候による環境ストレスにさらされることで、根がしっかり張らずに生育不良になったり、光合成でエネルギーがうまく作れなかったりして、本来収穫できるはずの収量に到達しにくくなってしまいます。
バイオスティミュラント資材は、環境ストレスへの耐性を高めて、植物が本来持っている収量・品質に到達できるサポートをしてくれるものです。そのため、「植物本来の力を引き出す」という言葉で紹介されているのです。

種子のポテンシャルを100だとすると、病害虫や雑草などの生物的ストレスに加えて、天候不順による環境ストレス(非生物的ストレス)で収量が落ちてしまう。昨今過酷さを増す環境ストレスへの対処法となるのがバイオスティミュラント資材

植物も「酸化ストレス」にさらされている
カネカは元々薬品やサプリ開発などライフサイエンス分野に強みを持つ総合化学メーカーです。農業分野であるバイオスティミュラント資材の研究・商品開発を始めた背景には、これからの人口増加・食糧問題に貢献したいという思いがありました。2050年に95億になるとも予測されている中、食糧生産は世界的な課題です。
その過程で注目したのがペプチドの一種である「グルタチオン」という抗酸化物質です。人間の美容や健康分野でも知られていた成分で「サビ」の原因となる活性酸素を除去してくれる物質です。これは植物にとってもとても重要な物質なのです。
植物が光合成で成長に必要なエネルギーを作る過程で、活性酸素も発生します。そこに昨今の異常気象による環境ストレスが加わると、活性酸素が過剰発生し、細胞が正常に機能できなくなり生育不良になってしまいます。
そこで重要な役割を果たすのがこの酸化型グルタチオンです。ストレスが来る前に施用することで、酸化ストレスから植物を守り、環境ストレスに負けない耐性を作ります。
この酸化型グルタチオンを主成分としてカネカが開発したのが「カネカファーティライザー™ W2(葉面散布剤)」「カネカファーティライザー™ ST(種子処理剤)」「カネカ ペプチド® W2(葉面散布剤)」です。

左からカネカファーティライザー™ W2(葉面散布剤)、カネカファーティライザー™ ST(種子処理剤)、カネカ ペプチド® W2(葉面散布剤)。カネカファーティライザーは主にJAを通じて、カネカ ペプチド® W2は主に農業資材販売店を通じて販売されています。
開発における大きな強みは、カネカは静岡県磐田市に環境制御温室と管理圃場を持つアグリバイオリサーチセンターを有していることです。そのセンターで各種温度・環境下でポット試験を行い、管理圃場での検証も行う研究サイクルを確立してきました。

北海道の生産現場とともに築いてきた信頼と実績
カネカが重視してきたのが、アグリバイオリサーチセンターで得たデータを基に、実際の圃場で検証を重ねることでした。大規模農業が主流である北海道で本格的な普及活動を始めたのは2015年頃。
農薬や肥料ほど、効果がわかりやすい資材ではありません。ただ、カネカの姿勢として大事にしていたのは「何を聞かれても説明できるように、あらゆる条件で徹底検証を重ねること」でした。


使い勝手の良さを追求する中で、カネカファーティライザー™ STは豆などの種子袋(30㎏)に合わせた1袋6gずつのパッケージになっています。

導入現場5つの事例
ここで、カネカの今までの実証実験の結果を紹介します。

資材の使い分けは、播種後の初期生育が課題なら種子処理タイプ(カネカファーティライザー™ ST)を。移植時や開花・結実時など特定の生育ステージでストレスが問題になる場合には、葉面散布タイプ(カネカファーティライザー™ W2・カネカ ペプチド® W2)を使うという具合です。
種子処理タイプは豆類、コーン、イネに、葉面散布タイプはてん菜、馬鈴薯、玉ねぎなどの畑作物に広くご使用いただいています。
①てん菜(北海道美幌町2025年)

北海道美幌町にあるてん菜の畑では、土壌の表面にクラスト(雨の後に畑の表面が乾いて硬くなる)が形成されてしまい、出芽率が大幅に低下していました。そこで、種子処理タイプ(カネカファーティライザー™ ST)を、30kgの種子に対して6g塗布。上記の写真のように、慣行とST使用のものを比較したところ、苗の生育に大きな差が見られました。
②大豆(北海道斜里町 2024年)

大豆(とよみづき)の種子30kgに、種子処理タイプ(カネカファーティライザー™ ST)を6g塗布。慣行区では低温や乾燥のストレスによって大豆の根元が曲がっているのに対し、ST区では根元がまっすぐ伸び、根の量も多い様子が確認されました。
③キャベツ(北海道美幌町・2025年)

キャベツ(おきなSP)の育苗期に、葉面散布タイプ(カネカファーティライザー™ W2・カネカ ペプチド® W2)の1000倍希釈液を灌注。移植後に比較したところ、W2区は慣行区より株が大きく、葉もよく広がっており、移植ストレスや低温下での活着を支える効果が見られました。
④小麦(北海道芽室町・2020年)

小麦(きたほなみ)に、葉面散布タイプ(カネカファーティライザー™ W2・カネカ ペプチド® W2)の2000倍希釈液を、雪腐病防除と同時に葉面散布。無処理区と比べ、W2区では白い茎の部分が大きく育ち、低温ストレスの軽減や栄養の吸収改善の効果がうかがえました。
⑤水稲(北海道江別市・2020年)

水稲(ななつぼし)の育苗期に、葉面散布タイプ(カネカファーティライザー™ W2・カネカ ペプチド® W2)の1000倍希釈液を灌注。移植5週目の植生指数(NDVI)は無処理区より6%高く、移植ストレスや低温による活着不良を軽減し、初期生育を促す可能性が示されました。

そうした課題のある地域で導入いただいた生産者から、「平均収量が8俵から9俵に増えた」というご報告をいただきました。資材の効果が収益につながり、生産者の暮らしに変化をもたらしたと実感できるのは一番の喜びです。
北海道農業の未来に向けて
これからの農業では、過去の経験だけでは読み切れない気象条件に直面する場面がさらに増えるかもしれません。
カネカのBS資材の魅力は、環境ストレスに対するオールラウンダーであること。

免責事項
※本効果は、全ての作物への適用を保証するものではありません。
※上記は作物への効果を保証するつもりではございません。
※上記以外の作物でも、通常肥料を投与する時期に合わせてご使用になれます。


















