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誘致で終わらせない。独自の支援モデルを構築する山口県が企業向けセミナーを初開催。地域ニーズと参入ノウハウを掴む2年目の現在地

誘致で終わらせない。独自の支援モデルを構築する山口県が企業向けセミナーを初開催。地域ニーズと参入ノウハウを掴む2年目の現在地

山口県は11月に、県内での農業参入の知識習得や関係者とのネットワーク構築を目的とした、企業等の農業参入セミナーを開催します。令和7年度から、企業の円滑な参入に向けた取り組みを3か年計画で進めている山口県。セミナーでは、計画の初年度に得た地域と企業の声をもとに、実際に農業参入した企業による事例報告など、実用的なプログラムで構成しています。単に誘致するだけではなく、その先の伴走支援まで見据えた本質的な企業参入支援について、県の計画の背景とセミナーの魅力を紹介します。

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開催概要

項目 内容
名称 やまぐち農業参入セミナー~農業参入による新事業の展開に向けて~
日時 令和8年11月24日(火)13:00~16:30
会場 かめ福オンプレイス(山口県山口市湯田温泉4-5-2)
対象 農業参入に関心のある企業及び団体、市町・県担当者 等
プログラム 【開会】13:00~13:05
開会挨拶 山口県農業振興課 課長 濵畑 義明

【話題提供】13:05~13:20
「企業の農業参入に対する県の支援と今後の可能性」
山口県農業振興課経営体育成班 調整監 小橋口 慎哉

【基調講演】13:20~14:00
講師:株式会社らいむ工房 会長 佐藤 司 氏

【実践報告】14:00~14:30
講師:株式会社MAIランド 代表取締役 小川 宜隆 氏

【休憩】14:30~14:40

【実践報告】14:40~15:10
講師:株式会社オーシャンテック 課長 佐伯 剣 氏

【質疑応答】15:10~15:30
各講師と参加者による質疑応答

【情報提供】15:30~16:00
関係機関の担当者による取組の紹介
市町(宇部市、周南市、長門市、田布施町)
山口県農林総合技術センター農林業担い手支援部

山口県が描く企業参入支援の仕組みづくりが次のステップに

企業を農業の「担い手」に

高齢化の進行により営農の継続が危ぶまれる地域は少なくありません。とりわけ山口県は、基幹的農業従事者の平均年齢が全国で最も高い72.5歳となっており(※)、地域農業を守るための早急な取組が求められています。
※「2025年農林業センサス」(農林水産省)

以前より山口県では地域の農地や農業を守るために、集落営農法人や集落営農法人連合体の設立を推進してきました。これに加え、多様な担い手のひとつとして農業に参入意向のある企業に期待を寄せています。

そこで山口県は3か年計画による企業の農業参入支援の仕組みづくりに取り組んでおり、令和8年度は本計画の2年目にあたります。

初年度(R7年度)の成果

「初年度は県内の各市町や企業を対象に農業参入に係る取組について調査を行いました。皆さんのニーズやビジョンが知れたことが一つの成果です」と話したのは、企業参入支援に取り組む山口県庁・久保雄生さんです。

同じく、支援に取り組む新名真也さんは続けます。
「市町はどこも担い手不足という共通の悩みを持っており、今回の事業を通じて『担い手が見つかるのでは』という期待の声もいただいています」。

また、企業が思わぬところで二の足を踏んでいる実態も分かったといいます。
「ある企業では農地の相談先が分からないため『不動産屋に相談していた』という例もありました。農業技術に関してもノウハウがない。企業に対しても私たちが持っている情報を発信して、適切な先につなげていくことの重要性を感じました」(久保さん)

このように、初年度は主に課題やニーズについて把握した上で、計画を着実に前進させていく年となりました。

令和8年度は「企業と地域の接点づくり」を実行へ

では、令和8年度は具体的にどのような取り組みを実施するのでしょうか。
「令和8年度は、市町や企業が抱えている課題にうまくフィットできる支援を充実していきたいと思っています」と久保さん。

例えば農業技術に関しては、山口県立農業大学校において、企業の農業部門担当者など企業に所属する従業員で、農業技術の習得が必要な方々を平日の週3日以上受け入れるニーズ対応型の研修メニューが新設されています。今後、山口県ではこのような支援策の拡充や、情報発信を今後行っていく予定です。

また、実際に地域での支援窓口になる市町担当者に向けたセミナーも実施。この8月には第1回のセミナーとして、先進事例として広島県東広島市役所の職員による基調講演や、実際に農業参入した企業による事例発表などが行われました。

「東広島市の担当者には『良い話ばかりではなく、さまざまな課題も含めて共有してもらいたい』と相談しながら組み立てました」(久保さん)

同年11月には、山口県として初めての企業向けセミナーを実施します。県内で実際に農業へ参入した企業の事例などをベースにプログラムを設計中で、詳しくは後ほど紹介します。

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4市町をモデルに展開し支援のパターンを増やす

山口県の企業参入支援の仕組みづくりはこれらだけにとどまりません。
計画の初年度に4つの市町をモデル地域として選定し、現在はそれぞれ異なる課題の解決に取り組んでいます。伴走支援には、モデルコーディネーターとしてFOODBOX株式会社が参画。「企業という外部の力を取り入れた新たな法人モデル=”山口モデル”」の構築に向けて取り組んでいます。

モデル地域には、作物、地形、消費地からの距離、そしてヒアリングを基にした課題などから、取り組みを他地域へ網羅的に展開できるよう、それぞれ異なる属性の市町を設定しました。

現在、モデル市町のひとつである宇部市では園芸団地で事業の再生と担い手の確保に取り組んでおり、他の市町でも事業承継に向けたマッチングに動きだしたりしています。
「事業承継」「産地再生」「担い手確保」など、ヒアリングで挙がった課題はさまざまだといいますが、解決に向けた共通の型を見いだそうとしている段階です。

FOODBOX株式会社の中村圭佑(なかむら・けいすけ)さんは話します。
「4つの市町は状況が全く違いますが、それぞれに合わせて取り組みを進めています。コーディネーターとしての我々の役割は、大きな方向性を決めるお手伝いや、他市町村の事例の提供、視察先の調整など。更に実際に現地を訪問し、毎月1回以上のコミュニケーションを取りながら、伴走しています。実行するのは市町の皆様。皆様と一緒になって考えて、フォローすることを僕らは重視していますね」

【告知】11月企業向けセミナー参加受付中

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さて、企業の農業参入について山口県における実例を学びながら、行政や企業等の関係者同士のネットワークの構築にもつながるセミナーが令和8年11月に開催されます。
目玉となるのは、農業法人に出資して経営に関わっていく企業と、自身で農業経営に入り込んでいく企業という、性格の異なる2つの成功事例。企業にとっては、さまざまな参入方法を知ることができる点で大きなメリットがあるでしょう。
中村さんは「セミナーでは企業の皆様へ、目に見える農地から作物を生み出し、地域を守れるという農業の大きな醍醐味を伝えたいと思っています」と期待を込めました。

意見交換の時間も組み込まれ、市町の担当者や、農業関係者、企業との交流も行えます。
「企業に向けて、企業が同じ目線で話す場。ぜひ参加して、農業参入への選択肢を知ってもらいたいです」(新名さん)

「いろいろな情報をつかんでもらいたいですね。令和8年度は今回のセミナーも含め、情報発信や受け皿の整備にも取り組んでいます。令和9年度は更に、県内だけではなく県外の企業へも働きかけていきたいと考えています」(久保さん)

農業における高齢化は全国共通の課題です。具体的な支援策を形作っていく山口県の取り組みに学べるものは大きいに違いありません。

◆ご案内
企業へのヒアリングから見えてきたのは、「農業に関する情報がほとんど届いていない」という現状の課題です。だからこそ、山口県では最初の段階で「入口の見える化」を行なうことが重要であると考えています。

農業参入に興味をお持ちの企業の方は、ぜひ山口県農林水産部農業振興課までご相談ください。
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電話:083-933-3375
Email:a17300@pref.yamaguchi.lg.jp
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