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オオイヌノフグリは駆除すべき? 似た植物との違いや効果的な駆除・管理方法を農家が解説

久保田 夕夏

ライター:

オオイヌノフグリは駆除すべき? 似た植物との違いや効果的な駆除・管理方法を農家が解説

雑草と言うにはちょっと可愛すぎるんじゃないかと思う姿のオオイヌノフグリ。春の訪れを感じるかわいらしい花ですが、根はしっかりと張るので畑や芝生で広がると抜くのが大変です。この記事では特徴や似た植物との見分け方から、抜く・残すの判断基準、効果的な管理方法まで解説します。

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オオイヌノフグリとはどんな雑草?

オオイヌノフグリは秋に芽生えて冬を越し、早春から春にかけて青い小花を咲かせる草本です。道ばた、畑、庭、芝地など身近な場所に広がり、地面を這うように茎を伸ばします。花は朝に開き、夕方になると閉じるのが特徴です。

オオイヌノフグリの基本情報と分類

雑草名(漢字名) オオイヌノフグリ(大犬のふぐり)
分類 被子植物・双子葉植物、オオバコ科クワガタソウ属(旧分類ではゴマノハグサ科)
学名 Veronica persica Poir.
繁殖 主に種子で繁殖。果実一つに約5〜15個の種子を含む
分布 西アジア〜ヨーロッパ原産とされ、明治以降日本全国に分布
地上部生育期間 秋に発芽・生育し、冬を越して春に開花・結実
開花・結実期 おおむね1〜6月
草丈 約10〜40cm
生活型 越年草

オオイヌノフグリの特徴

茎は株元から枝分かれして地面を這って横に広がります。先端は少し立ち上がりますが、背はあまり高くなりません。色は少し茶色がかっており、荒い毛が生えています。

葉は縁がギザギザしておりこちらも毛が生えています。春になると茎の上部の葉腋から、長さ1~2 cmの花柄を出して青または青紫色の花を一輪ずつつけます。花びらは四つに深く裂けて平らに開き、中央に濃い筋が数本見られます。果実は幅広いハート形に近く二つに分かれた部屋の中に種子が入っています。

名前の由来と「星の瞳」という別名

イヌノフグリとは果実を犬の陰嚢(ふぐり)に見立てた名前です。確かに幅広いハート型をした果実は、「犬のふぐりに似ているでしょう」と言われればそんな気がします。オオイヌノフグリは近縁の在来種「イヌノフグリ」より大きな花をつけることからその名が付きました。決して果実が「大型犬のふぐり」に似ているという訳ではありません。ちなみに別名の「星の瞳」は青い花の見た目にちなんだ別名とされますが、発案者や由来の詳細は確定していません。こちらは打って変わって外見の雰囲気にあった可愛らしい名前です。

オオイヌノフグリの花言葉

花言葉としては「信頼」「忠実」「清らか」などがあります。澄んだ青の可憐な花にぴったりの言葉ですね。属名 Veronica と聖女ベロニカの伝承に結びつけて紹介されることもあります。

オオイヌノフグリとよく似た植物との違い

花が咲く時期には見間違えやすい植物があります。花の大きさや、葉や茎の伸び方、花柄、果実などで見分けることができます。

ネモフィラとの違いと見分け方

ネモフィラ

両者はどちらも青い花を咲かせますが、オオイヌノフグリはオオバコ科クワガタソウ属、ネモフィラはムラサキ科ネモフィラ属と、全く別の植物です。オオイヌノフグリの花は直径約1cm、ネモフィラは品種差がありますが約2~3cmです。葉も目印で、オオイヌノフグリは丸みがあり浅い鋸歯、ネモフィラは細かく深く切れ込みます。

イヌノフグリとの違いと見分け方

イヌノフグリ

在来種のイヌノフグリの花は淡いピンク色を帯びることが多く、大きさは直径約3〜4mmと、オオイヌノフグリよりも小さいです。オオイヌノフグリが明治時代に日本に入ってきてから、イヌノフグリは見つかる場所が少なくなり、地域によっては絶滅のおそれが出ています。小さな花を見つけたらすぐに抜かず優しく見守ってあげましょう。他のイヌノフグリ類にはタチイヌノフグリ、フラサバソウなどがありますが、いずれも花の大きさは直径4mm以下と小さめです。

オオイヌノフグリを「抜くべきか」「残すべきか」

抜くべきケース

畑の作物の株元や育苗床、芝生・花壇など植えた植物を優先したい場所では取り除くのが向いています。在来種のイヌノフグリは絶滅危惧種に指定されている地域もあるため、保全したい植物が生育している場所ではオオイヌノフグリを抜いた方がいい場合もあります。

残すべきケースと管理のポイント

作物や芝生と競合せず管理上問題がない場所なら、早春の花を楽しんだり身近な植物の観察に使ったりできます。土が裸地になるのを避けたい場所で草マルチの役割を期待して残す方法もあります。ただし増えすぎるのを防止したいときは、花を楽しむ区画を決めて種子が熟す前に刈るなど範囲を調整します。

オオイヌノフグリの効果的な駆除方法とタイミング

駆除は花が咲いて種子を落とす前、株が小さいうちに行うのが効果的です。秋に発芽して冬を越し春に開花するため、秋から早春に見回ります。花が咲いていても果実が熟す前なら種子散布を抑えられます。毎年同じ場所に生えて困っているという場所では種子が落ちる前に早めに除去すると翌年の発生を減らすことができます。

手で抜く・草刈りをする方法

発生が少ない場所では手取りや浅い除草が簡単です。土が湿った後は根元から抜きやすく、秋から冬の小さいうちなら春に広がる前に作業できます。生育が進むと,土中10~20cmまで根が張り引き抜きにくくなるため、小さいうちに防除しましょう。冬の間、オオイヌノフグリは低い位置で這うようにして広がるので、草刈りだけでは刈り残しが花をつけることがあります。より低い位置で草を刈ったり、早春に再度草刈りを行うことで花がつくのを防ぎます。

除草剤を使う場合

薬は効きやすく土壌処理除草剤で容易に防除できます。生育期には広葉雑草に有効な茎葉処理剤で防除します。除草剤は使用場所と対象植物に適用がある製品かを確認し、容器やラベルの使用方法・回数・時期を守って使用してください。芝生用と畑用では使える薬剤が異なり、作物や残したい草花にかかると薬害のおそれがあるため注意しましょう。

オオイヌノフグリの育て方

野草・雑草として自生しており、園芸店で苗を買って育てるような一般的な植物ではありません。外来種でもあるので観察目的で育てるなら、種子が周囲に広がらない鉢や管理できる小区画を選びましょう。

育てる場所と土

日当たりのよい場所から明るい半日陰で育ちます。鉢植えでは排水穴のある容器を使い、水がたまり続けない土を選びます。野外から株や土を採ると他の植物や生物も持ち込むことがあります。

水やり・肥料やり

鉢の表土が乾いたら水を与え、常に過湿にしないようにします。自生地では肥沃な土から比較的やせた環境まで生育します。肥料を多く与える必要はありません。株が弱る場合は日照、水はけ、鉢の混み具合を観察してみましょう。

増やしすぎない管理が肝

花を楽しんだ後は果実が熟す前に花茎を切り、種子ができた株を地面に置かないようにすることで増やしすぎを防ぐことができます。鉢の外へ種がこぼれるとそこから翌年生えてきてしまうので、早めに取り除き、庭や空き地に広がらないように管理します。

オオイヌノフグリに関してよくある質問

ここでは、外来種としての扱いと、再発を抑えるポイントを確認します。

Q.オオイヌノフグリは外来種ですか?駆除する必要がありますか?

A.ヨーロッパから西アジアにかけてを原産とし、日本では明治期に確認され、現在はほぼ全国に分布する外来植物です。国立環境研究所のデータベースでは法的な特別扱いは「特になし」とされ、全国一律に駆除が義務づけられている植物ではありません。ただし今では希少となったイヌノフグリの生息地など、オオイヌノフグリを増やさないことが在来種の保全にとっては好ましい場合もあります。

Q.毎年同じ場所に生えるのはなぜですか?

花の後に果実ができ、多くの種子をつくります。そのため種が落ちた場所から翌年も生えてきます。オオイヌノフグリの種はあまり遠くまでは飛ばないのか、群落が急に拡大するというよりは毎年同じ場所で生えているのを多く見かけます。

まとめ

オオイヌノフグリは青い花を楽しめる一方、畑や芝生では広がりを抑えたいこともあります。場所に応じて残す範囲と取り除く範囲を決め、駆除するなら種子が落ちる前を意識しましょう。茎が地面を這うように伸びるため、大きくなると除草作業も大変になります。畑や芝生などでは小さいうちに対処することが省力化につながります。

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